動物園・水族館の入場料は安い!文句言う前に生き物飼育の大変さを考えろ!上野動物園にいたバアさんから考える来場者精神

先日実家の東京から現住所の栃木に帰るついでに、上野動物園に寄りました。活動のメインがサメだけに水族館に行くことの方が多いのですが、動物全般好きなので、動物園で過ごすのも楽しいひと時です。

大学3年生以来だった上野動物園。まずは撮影した生き物からご紹介。

上野と言えばパンダ。シャンシャンではありませんが、やっぱり人気。写真には残せませんでしたが、山盛りウンチで歓迎してくれました。

 

ハリー・ポッターで有名なシロフクロウです。なかなかこっちを向いてくれませんでした・・・。

 

シロ手テナガザルです。何とも言えないポーズで固まっていました。

 

アメリカバクです。

 

スローロリスです。食事に夢中で顔をあげてくれませんでした。

 

エゾヒグマです。実家の犬が小熊に似ているので熊は大好きなのですが、やはりデカいですね・・。後ろの扉は普通に人間が通れるサイズですので、比較してみてください。

 

インドライオン。基本寝ていて、たまたま起きた瞬間を撮影できました。

 

ミナミコアリクイです。可愛く何かを嗅ぎまわっていました。

 

ホッキョクグマ。陸上最大の肉食獣ですが、遠目から見ると可愛いですね。

さて、こうして動物たちを観察して楽しんでいた僕ですが、非常に違和感を覚える、というか早い話がムカついた出来事があったので、今回はそれについて書かせてください。

僕が訪れたときに、ゴリラのゾーンが空っぽだったんですよ。「ああ、健康上の理由か改装か何かで、今日はゴリラはお休みなんだな」くらいにしか考えていなかったのですが、横にいたオバサン(というかおばあさん、何でもいいけど)の一言に思わず振り向きましたよ。

「いないなんでことないでしょ。こっちは入場料払ってるんだから。勝手に引っ込むわけないわよね」

一言一句正確ではないでしょうが、ほぼこんなことを言っていました。

その後も孫と思しき子供の前で堂々と、当然のごとく文句を言うバアさん。僕は唖然として、しばらく後に「こいつは何を言っているんだ?」という憤りを覚えました。

もちろん、このバアさんがどういう意図で上記の発言をしたのか、真相は分かりかねます、他の面ではすごく良い人なのかもしれません。また、僕は上野動物園がどうしてゴリラを展示していなかったのか、正確な理由は知りません(「ゴリラはお休みしています」という表示は確認しました)。しかし、バアさんの発言から、この人が「お金を払っている」→「展示動物を勝手に引っ込めるのはおかしい」・「こっちは観たいものを観て当然だ」という思考回路であることは間違いないでしょう。それだけで叩き潰すのに十分の考え方です。

反論処理も含めて以下、勢いで一気に書きます。一応目次つけます。

目次:
【生き物を相手で細かいことに文句言うな】
【そもそも動物園・水族館の入場料は安い!】
【そもそも金払えば神になれると思うな】

 

【生き物を相手で細かいことに文句言うな】
僕のブログを
読んでいる方の多くはすでに痛感していると思いますが、生き物の飼育は簡単ではありません。誰でも飼えそうな金魚でさえ手に入れた個体の状態が悪ければ長持ちしませんし(金魚すくいの金魚は大抵ダメでしょう)、水質にもある程度気を配る必要があります。犬だって、躾や健康管理をするとなればかなり手間のかかる動物です。実家で飼っている黒ポメのスナッチは、恐らくこの銀河系に存在するワンちゃんの中で最も可愛いですが、正直未だに手がかかります。

当然ゴリラともなれば難易度はさらに上がります。日本に生息していない動物ですから屋外では気候も生まれ故郷と違いますし、大型でその気になれば人なんてひとたまりもないパワーを持っています。人間に近い動物ですし、ホホジロザメなどと比べてれば飼育実績も各地でありますが、それでも飼育には苦労も多いでしょう。

展示されているはずの動物が観れないとなれば残念ではありますが、生き物の飼育というのは大変難しく、人間都合で常に動物が動いてくれるわけではありません。動く気分でないので端の方で寝ていたり、健康上の問題でストレスを少しでも軽減すべく展示を控えるべき場合もあります。ボタンを押せば飲み物が出てくるドリンクバーではないのですから、そこを理解してあげて欲しいです。

ちなみに、美ら海水族館でホホジロザメが一時展示され、現地に急行したサメ好き仲間の何人かが沖縄到着後に展示取りやめ(容体悪化のため)を知るという悲劇がありましたが、美ら海水族館側に文句を言う方はいませんでした(もちろん悔しかったでしょうが・・・)。常設展示ではないということもありますが、ホホジロザメの飼育がいかに難しいかをご存知だからではないでしょうか。

 

【そもそも動物園・水族館の入場料は安い!】
お金を払って観たいものが
観れないのは確かに辛いところです。先のバアさんがゴリラを楽しみにしていた可能背もありますし、遠方からの来場だったのかもしれません。

しかし、あくまで個人的な意見ですが、動物園・水族館の入場料は提供されるサービスと比べるとかなり安いです。

上野動物園の大人1枚の料金はたったの600円。繰り返します。600円です。自宅ではまず一般人が飼うことのできない動物をさんざん見て写真も撮り放題でこの値段です。

ライオン、トラ、シロクマ、ゴリラ・・・。小学生以下でも思い浮かぶ単語なので有難みを忘れそうになりますが、どの動物も野生でその姿を観ようと思えばかなりの金額をかけて現地に向かい、様々なリスクをかけて追い求める必要があります。猛獣に襲われる危険はもちろん、病気にかかったり遭難したり犯罪に巻き込まれたり、そこまでのリスクを負って観れるかどうかも分かりません。

動物園ではなく水族園の話になってしまいますが、水族園で常設展示が現状不可能なホホジロザメを野生で観察しようと思えば、安く見積もっても30~50万円以上はかかりますし、それでも野生が相手なので確実に観れる保証なんてありません。みんなその覚悟をして行っていますし、僕も死ぬまでには絶対に行くつもりです(僕は末期がんなどで生きる希望を失ったときは、残りの財産かけてホホジロザメを見に行くと決めています)。

以前も『水族館と社会システム』という記事で話しましたが、動物園や水族館は恣意的な目的「動物を観たい」を達成するために不確実性や不便さをできるだけ削除してつくられた一種のシステムです。コントロール不可能な自然の一部をどうにかコントロールして楽しんでもらえるようにしているわけです。多少の不便があったとしても、その恩恵を受けるに600円の入場料はあまりに安いと思いませんか?

 

 

【そもそも金払えば神になれると思うな】
念のため言っておきますが
、僕は「生き物の世話が大変だから業務の手を抜いていい」などと言いたいわけでは決してありません。「生き物を扱っている」と同じ理由で、細心の注意を払う必要があります。サンシャイン水族館での事故なんて理由はどうあれ言語道断です。その後の客向けの対応が神対応であったとしても、問題外です。今回のゴリラ不在が仮にゴリラの体調不良によるもので、何か対処できることがあるのであれば、ゴリラのため・来場者のため、動物園側はしかるべき改善策を検討すべきでしょう(真相は分かりません。単なる改装のためかもしれません)。

ただ、これは動物園や水族館に限ったことではないですが、お金払っただけで神様になれると思い込んでいる思考回路の可哀想な人間が多少なりともいるなというのは日々感じます。買い物というのはお金とサービスの交換でしかありません。暴言を吐いたり偉そうにする権利を勝ち取っているわけではないはずです。大したことないことで飲食店でクレーム垂れる人、「素人だから」と任せてぶー垂れて都合のいいときだけ「おたくはプロでしょ」とか抜かす人。はっきり言って、商売人の方々にだけでなく、社会全般にとって迷惑な存在となりかねません。主体性がないからです。「お金払ったんだからあとは全部何とかしてよ」という精神なのでしょう。的確な指示を出さずいい加減に仕事を任せて部下ができないとブチ切れ、何か言われると「俺は上司だぞ」とかわめく人間と変わりません。

まあ、これ以上言うと仕事の愚痴と捉えられかねないのでこの辺でやめますが(笑)、動物園や水族館の方々は大変な中頑張ってくださっています。それを少しでもわかって欲しいです。こうした施設に行く方々が、子供や恋人の前で恥ずかしいことを言わないことを切実に願っています。

 

 

【投稿者プロフィール】
自称サメ社会学者Ricky

1992年東京都葛飾区生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。2016年から現在の肩書を使って活動。社会人として普通に働きながら、サメ関連イベント参加、水族館巡り、水族館ボランティアなどの活動を通してサメについて学び、サメ、環境、水産、動物倫理などの分野で情報発信を行う。

自身のHP『The World of Sharks』でのサメ解説やブログ投稿のほか、第3回ソーシャルドリームコンテスト、もうやん文京など、プレゼンイベントでも登壇。
今後、書籍の出版など活動の幅を広げていく予定。

HP: http://shark-ricky.com/
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