サメが子宮のなかを泳ぐ? オオテンジクザメに関する興味深い研究の紹介!

図鑑を読むだけでもサメについては沢山のことが学べますが、最新の研究に関する記事や論文からはさらに面白いことが分かるかもしれません。

先日シェアしていただいた記事で非常に興味深いものを見つけました。タイトルは“Locomotion is not a privilege after birth: Ultrasound images of viviparous shark embryos swimming from one uterus to the other.”

つまり、胎生のサメの子宮の中でサメの胎児が泳ぐ様子が、超音波検査によって確認されたというのです!

先日「Ethology」に掲載された沖縄美ら島財団総合研究センターの冨田武照氏らによる論文によれば、水中でのエコー検査によって、飼育オオテンジクザメ(学名:Nebrius ferrugineus)の胎児が左右の子宮内を行き来する様子が撮影されました。

サメの生殖について簡単におさらいすると、500種類以上知られるサメの4割ほどは卵生ですが、6割ほどは胎生、つまりお腹の中で哺乳類のように赤ちゃんを育てることで知られています。

胎生の種は二つある子宮(正確には輸卵管の一部)の中の子供たちに卵黄の栄養分や無精卵、胎盤などの手段で栄養を与え、大人のミニチュア版まで大きくなってから産み落とします。そしてオオテンジクザメは、ほとんどが卵生のテンジクザメ目の仲間では珍しく、胎生の卵食型(無精卵を子宮内で食べさせて胎児を育てる)サメです。

卵色型のサメはホホジロザメやシロワニなどネズミザメ目のサメが多く知られていて、シロワニ(Carcharias taurus)については子宮内で無精卵だけでなく兄弟を共食いして成長します。したがって子宮内でサメが動き回ることは理解できますが、左右の子宮間を動くほど活発に動くとは、実に面白い発見です!

今後この研究が進めば、シャークベビーたちがお母さんの中でどんな生活をしているのかがより分かってくると思うので、更なる発見に期待ですね!

【参考文献】

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/eth.12828  2018年12月22日アクセス

【Writer Profile】


自称サメ社会学者Ricky

1992年東京都葛飾区生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。アメリカ合衆国ポートランド州立大学へ留学。2016年から現在の肩書を使って活動。社会人として働きながら、サメや環境問題などについて情報発信を行なっている。水族館ボランティアとしても活動。主な発信分野はサメの生態、水産業、動物倫理、進化生物学など。

Youtubeでの動画配信や、第3回ソーシャルドリームコンテスト、もうやん文京などプレゼン・レクチャーイベントで登壇。今後、書籍の出版など活動の幅を広げていく予定。

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shark.sociology.ricky@gmail.com

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