トンカチ頭のサメ!シュモクザメとは何者かのか? 意外に知らないハンマーヘッドのあれこれを解説!

今回はサメ初心者向けの内容ですが、できるだけ突っ込んでいきます(笑)。

水族館にいるT字型の頭をしたサメいますよね?トンカチとか掃除機とか言われるあのサメです。今回はあのサメについてお話しします。

 

目次:
【シュモクザメ】
【シュモクザメの分類】
【何故ハンマー型なのか?】
【シュモクザメの代表選手】

 

【シュモクザメ】
かなり回りくどい前置きでしたが、名前くらいは聞いたことあるんじゃないかと思います。頭がトンカチのような形状をしたサメはシュモクザメと呼ばれます。撞木(シュモク)とは仏教用語で鐘を打ち鳴らすためのT字型の棒を意味します。この撞木に頭の形が似ているから「シュモクザメ」って呼ばれます。英語だとハンマーヘッドシャーク。こちらもまんまですね。ハンマーみたいな頭をしたサメという意味です。

ですが、シュモクザメにも様々な種類があり、現在9種が知られています。中には厳密にはハンマーじゃない形のサメもいて、団扇のような頭をしたウチワシュモクザメや、ツルハシのような頭のインドシュモクザメ(英語ではWinghead)などが知られています。

 

【シュモクザメの分類】
動物界は門・綱・目・科・属・種という風に段々と細かく分類されますが、サメは軟骨魚綱・板鰓(ばんさい)亜綱というグループに属する生き物です。学者の方に怒られそうなくらいざっくり言えば、骨格のほとんどが軟骨でできて、鰓孔が板みたいに5~7枚並んだ魚です。

この板鰓亜綱の中でサメは9目に分類されます。

・カスザメ目
・ノコギリザメ目
・ツノザメ目
・キクザメ目
・カグラザメ目
・ネコザメ目
・テンジクザメ目
・ネズミザメ目
・メジロザメ目

あれ、シュモクザメ目はなさそうですね・・・。

実はシュモクザメは、サメのグループの中で一番大きなメジロザメ目というグループに属しています。

これはヤジブカというサメで、まさに「メジロザメ」と呼ばれることもあるメジロザメ目の代表選手です。こんな風に、いわゆるこんな典型的なサメ型をしたサメが多く、共通した特徴としては瞬膜という瞼のようなものを目に持っているのが特徴です。

ツマグロの瞬膜です。

なお、シュモクザメはメジロザメ目というサメの半数以上を占める大きなグループの中で、シュモクザメ科という小さなグループに分類されます。より細かく言えば、その中で先ほど触れたインドシュモクザメ(学名:Eusphyra blochii)と、他のシュモクザメでは属という段階で分かれています。

【何故ハンマー型なのか?】
シュモクザメが何でハンマー型の頭をしているか?その理由は複数説があって、はっきりしたことは分かっていません。僕が思うに、恐らくどれが正しいっていうよりも、色んな利点があってあの形になったのかなと思います。今回はその中から3つピックアップしていきます。①嗅覚、②電気を感じる、③舵取りです。

<嗅覚>
シュモクザメの鼻の孔はハンマーの両端の方についていて、普通のサメよりも3倍くらい離れていています。サメは獲物の臭いを嗅ぎつけるとその方向を探って向かっていきますが、シュモクザメは鼻の穴が離れているので、臭いはどこから強く流れてきているかが分かりやすくなっています。

  • <電気を感じる>
    サメにはロレンチーニ器官という微弱な電流を感じ取るための穴が吻先に沢山ついています。生き物は生きている間弱い電気を常に発していて、サメはこれを探知できるわけですね。シュモクザメは頭がハンマー型でこの範囲が広いので、砂に潜っている獲物をより見つけやすくなっています。

    シロシュモクザメのロレンチーニ瓶から漏れ出したジェル状物質です。

    現にアカシュモクザメやヒラシュモクザメはエイが大好物で、毒針がぶっ刺さっても平気な顔して食べています。

<舵取り>
シュモクザメの頭はT時に張り出しているだけでなく、背骨の下に大きな筋肉があって、他のサメより首を動かしやすくなっています。シュモクザメはこの頭を上手に使って舵取りをしているわけですね。

実際シュモクザメが泳ぐ様子を見ていると、頭の角度を微妙に変えて素早く方向転換します。砂の中の獲物を探す際も細かく動いて金属探知機みたいで結構面白いです。

また、シュモクザメは頭の形が違う以外にも、他のメジロザメと違うところがります。それは胸鰭が小さいことです。胸鰭もかじ取りの役目を果たしていますが、シュモクザメの場合頭で舵取りできるので、小さくなったのではないかと思われます。

アカシュモクザメ。他のサメに比べて胸鰭が小さいです。

 

メジロザメの仲間であるクロヘリメジロザメと比べると、胸鰭の大きさがよく分かると思います。

 

【シュモクザメの代表選手】
日本近海にはアカシュモクザメ、シロシュモクザメ、ヒラシュモクザメの3種が生息しています。ただ、水族館にいるのは比較的飼育しやすいアカシュモクザメがほとんどです。ちなみに、このアカとかシロは体の色ではなく、お肉の色を表しています。

こうしたシュモクザメの仲間の中で僕のお気に入りはウチワシュモクザメというサメです。

 

世界最小のシュモクザメで、大きくても全長1~1.5mくらいのこのサメは、単為生殖、つまり雄と交尾せずに子供を産むことが最初に発見されたサメです。さらに近年、海草を食べて栄養を吸収していることが研究で示され、今後詳細がさらに明らかになることが期待されています。

 

さあ、ここまで聞いて、シュモクザメへの興味が深まったでしょうか?

今後もサメの簡単な紹介をブログや動画で続けていくで、引き続きよろしくお願いいたします!

今回の記事は下記動画で語ったことをベースに書きました。サメやその他生き物の情報発信を行っていますのでぜひチャンネル登録をお願いします!

 

 

 

【Writer Profile】

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自称サメ社会学者Ricky

1992年東京都葛飾区生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。アメリカ合衆国ポートランド州立大学へ留学。2016年から現在の肩書を使って活動。社会人として働きながら、サメや環境問題などについて情報発信を行なっている。水族館ボランティアとしても活動。主な発信分野はサメの生態、水産業、動物倫理、進化生物学など。

Youtubeでの動画配信や、第3回ソーシャルドリームコンテスト、もうやん文京などプレゼン・レクチャーイベントで登壇。今後、書籍の出版など活動の幅を広げていく予定。

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