サメのお腹を開いたら赤ちゃんが出てきた!!アブラツノザメ解剖で起きた衝撃!

先日僕の家に届いたサメのお腹を開いたら、個人的に衝撃的なことが起こりました。

ちなみに、家にサメが届くのは割と普通なことなので、そこは突っ込まないように。

今回青森県の方にお送りいただいたサメはアブラツノザメ。日本では東北や北海道、日本海の冷たい海に生息しているサメで、食用として多く消費されています。またまとまって漁獲されることから、水産学部や海洋学部など魚の解剖を行う場所で、最も頻繁に利用されてきたサメでもあります。

成熟したアブラツノザメの雌。

このサメを開いて胃の内容物や他の内臓を紹介しつつ、肉は料理、頭は頭骨標本、皮は皮標本にしようというのが当初の目的でした。

ところが、お腹を開くと驚きの展開に・・・。

左側に映っている球体は卵です。お腹に切れ目を入れた時にまずこれが見えたのでこの時点で「お!!」とかなっていたんですが、問題はその右側。なにか細長いものがたくさん詰まっている膜が見えます。

開いてみると・・・。

赤ちゃんのアブラツノザメが沢山出てきた!

まさかの妊娠個体でした。漁師さんや魚類学をしていれば割とお馴染みかもしれませんが、自分が開いたサメから出てくるとは思わず、貴重なものが見れた嬉しさと赤ちゃんに申し訳ない気持ちが入り乱れました。

散々サメの肉を食べて標本を作り、そもそも毎日「肉」という名の動物の死体を食っておきながらこれを言うのは矛盾していますが、やはり生まれてこれなかった小さなサメたちを見ると、何とも言えない気持ちになります。

体内から発見されたアブラツノザメの胎児

一応補足すると、サメは卵殻に入った子供を体外に産み落とす卵生と、お腹の中で子供を育てて産む胎生の2タイプに分かれます。胎生にはさらに胎盤を作るものや無精卵を食べさせるものなど様々なタイプがあります(実際には複合型が多いです)。アブラツノザメは卵黄で赤ちゃんを育てるタイプの胎生で、卵巣から伸びた二本の輸卵管の発達した部分(一般に子宮と表現される場所)で子供を育てます。

今回僕が開いたのはその子宮だったわけですね。

ちなみに残った母アブラツノザメは、内臓などを片付けた後に美味しく頂きました。

シンプルに唐揚げにしてみました。
煮付けでも美味しく食べられます!

赤ん坊が可哀想ではありますが、死んでしまったものはどうやっても戻せません。僕たちにできるのはできるだけ有効に活用することだけ。お肉は僕の栄養として吸収したので、残りは標本や何かしらのコンテンツにしていきます。

 

今回の解剖の様子は動画にもまとめたのでぜひご覧ください!

【Writer Profile】



自称サメ社会学者Ricky

1992年東京都葛飾区生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。アメリカ合衆国ポートランド州立大学へ留学。2016年から現在の肩書を使って活動。社会人として働きながら、サメや環境問題などについて情報発信を行なっている。水族館ボランティアとしても活動。主な発信分野はサメの生態、水産業、動物倫理、進化生物学など。

Youtubeでの動画配信や、第3回ソーシャルドリームコンテスト、もうやん文京などプレゼン・レクチャーイベントで登壇。今後、書籍の出版など活動の幅を広げていく予定。

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