ホシザメの胎仔を観察! 胎生のサメの生殖について!

先日の台風直後に開催されたサメ談話会にてホシザメ(Mustelus manazoを観察しました!東京のど真ん中で行われているのに突然サメが届くという相も変わらず素敵なイベントです笑

届いたホシザメちゃん

ホシザメは日本近海などに生息する、大きくても1m程度のサメで、サメの仲間では小型の方だと思います。ロマンチックな名前の由来は体の両側面に線状に並ぶ白い斑点模様です。これが星のように見えることからホシザメと名付けられました。漁獲され食肉として利用されることもあり、水族館でも割とよく見る日本でポピュラーなサメです。

そんなホシザメを今回じっくり観察してみました。

ホシザメの歯。貝類や甲殻類を砕いて中身を食べます。

サメと言えば鋭いギザギザした歯で魚とかを食いちぎって食べるという印象が一般的には強いと思いますが、そんなサメばかりではありません。

ホシザメの歯は石が並んだような形状をしていて、この歯で硬いものを砕いたりすりつぶしたりして食べています。実際、今回写真は撮り忘れてしまったのですが、口の中に砕かれたカニの甲羅と思しきものが入っていました。

胸鰭が結構薄くて半透明で、血管がよく見えました。

 

メジロザメの仲間なので瞬膜がちゃんとあります。

さて、このホシザメをいよいよ解剖していきます(僕は撮影班だったので見て撮っているだけでしたが笑)。

お腹を開かれたホシザメ。肝臓が本来一番大きな臓器で、胃とその後ろの脾臓も見えますが、注目すべきは大きく膨らんで中に黄色いものが見える部分です。

サメの生殖方法は卵殻に包まれた状態で子供を産み落とす卵生と、母胎の中で子供を育ててサメの形になってから産む胎生の大きく二つに分かれますが、ホシザメは胎生のサメです。膨らんでいる部分は輸卵管が発達して俗に子宮と呼ばれる部分で、黄色に見えるのは胎仔のための外卵黄嚢です。

子宮部分だけ取り外された状態です。左側に見える丸く小さなものは卵殻腺で、ここに雄から送り込まれた精子が貯蔵されて、受精が起こります。卵殻や卵膜が形成されるのもこの場所です。

そしてこの子宮を切り開いてみると・・・。

成長途中のサメの赤ちゃんが入っていました!!

また卵黄の袋が大きく、赤ちゃんもサメの形になっていません。産まれてくるときには成魚のミニチュア版として生まれてくるので、まだまだ成長途中だったことが分かります。

サメの形というには遠く及びませんが、体の側面に鰓の線のようなものが見え、背中には背鰭と思しきでっぱりがあります。こうした特徴が徐々に表れて段々サメになっていくわけですね。

先日もシュモクザメの胎仔についてブログを書きましたが、個人的に今最も興味があるのがサメの生殖です。人類はもちろん、恐竜よりもはるか昔からこの地球で生き続けてきたサメがどのように子孫をつないでいったのか。同じサメの中で多様な生殖方法がある理由とは。ロマンが膨らむ一方です。

サメの生殖はかなり奥が深いので、いつか動画やブログなどでもっと深堀できればと思っています。引き続きよろしくお願いいたします!

 

【Writer Profile】

サメ社会学者Ricky

1992年東京都葛飾区生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。アメリカ合衆国ポートランド州立大学へ留学。

社会人として働きながら、サメの生態や環境問題などについて情報発信。主な発信分野はサメの生態、水産業、動物倫理、進化生物学など。

本HP『World of Sharks』での運営のほか、Youtube動画配信、トーク・プレゼンイベント登壇、水族館ボランティアなどで活動。

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shark.sociology.ricky@gmail.com

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