ここ最近東京に行く機会がかなり増えたので、
サンシャイン水族館
→アクアパーク品川
葛西臨海水族園
→アクアパーク品川
みたいな水族館ハシゴを連発しました。年パスってやはり最強ですね。
その時の生き物の紹介はYouTubeで動画をアップしたのでご覧頂きたいですが、今回はその中でも嬉しい瞬間に出会えたのでご紹介します!
それがこちら!
「え!共食い?」と初めて見る方は思ったかもしれません(というか周りのお客さんにもそういう人いました)。
これ、実は交尾しようとしているんです。
サメの交尾は割と荒々しく、オスがメスの胸鰭に噛み付いて押さえ込んだりすることがあります。そして、オスはメスの総排出孔にクラスパーという交尾器を挿入して、精子を送り込みます。

このような方法は体内受精と呼ばれます。雄が雌の体に直接送りこむ生殖方法です。サメやエイ、ギンザメのような軟骨魚類はこの方法をとりますが、いわゆる「普通の魚」である硬骨魚の多くは体外受精を行います。雌が体外に産んだ卵に雄が精子をかけて受精させるわけですね。
ちなみに、クラスパーはあくまで雄が精子を雌の胎内に送り込むための突起物で厳密には人間の性器とは異なるのですが、まあ見ての通り「いかにも」な見た目をしているので、サメの交尾のことを「セックス」と表現したり、日本トップのサメ研究者の一人である仲谷先生も『サメのおちんちんはふたつ』という本を出版されていらっしゃいます。
ちなみにこのトラフザメ、このままクラスパーの挿入まで見せてくれるかと期待してカメラを構えていたのですが、残念ながら雄が胸鰭を放してしまい、交尾成立ならず・・・。

ちょっと残念でしたが、水族館でもこういう貴重な瞬間を見ることは可能なので、今度水族館に行く方は是非ゆっくり観察してみてください!
ここ最近アップした水族館の生き物紹介動画はこちら!↓
【Writer Profile】
サメ社会学者Ricky
1992年東京都葛飾区生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。アメリカ合衆国ポートランド州立大学へ留学。
社会人として働きながら、サメの生態や環境問題などについて情報発信。主な発信分野はサメの生態、水産業、動物倫理、進化生物学など。
本HP『World of Sharks』での運営のほか、Youtube動画配信、トーク・プレゼンイベント登壇、水族館ボランティアなどで活動。
メールでのお問い合わせ、質問などはコチラ!
shark.sociology.ricky@gmail.com