何気なしにサンシャイン水族館に行くと、こんなものを発見!
冷蔵庫からむき出しになった深海ザメ!それぞれラブカ、ヘラツノザメ、サガミザメです。ラブカは知る人ぞ知るシン・ゴジラ第二形態(蒲田くん)のモデルです。
サンシャイン水族館では現在「ゾクゾク深海生物2020~未知なる世界へ~」という企画を行っていて、その一環で深海ザメにタッチすることができます(2020年1月10日~3月8日の期間限定)。
公式ページはコチラ↓

僕の周りに変な人たちが多いせいかラブカやヘラツノザメなどに割と触る機会があった気がするのですが、普通の人はなかなか触れないと思いますので、ぜひ訪れてみてください!
ただし、この深海ザメたち、特にラブカですが、たくさんの人が触ったためか楯鱗が少しはげてしまっているようで、サメ肌特有のザラザラ感がだいぶ弱かったです笑
そう言われると触る気が失せちゃうかもしれませんが、ご安心ください。水族館のサメ肌タッチングは生体でないとすぐにザラザラ感が弱まってしまいますが、みんながあまり触らない場所であれば結構ザラザラが残っています。
例えばヒレですね。それも第一背鰭とかではなく尻ビレや腹ビレなど後ろの方の人があまり触らない場所なんかだと、結構サメの楯鱗が残っていたりします。
ラブカを例に出すとこのあたりです。もっとも、ラブカのようなカグラザメ目のサメは第一背鰭しかありませんが。
ちなみに見ての通り雄ですね。腹ビレのところにクラスパー(交尾器)がついています。
今回の企画展では深海ザメ以外にも様々な生物が展示されていました!



ちなみに、深海生物の展示はなにかと赤い光でライティングされていることが多いですね。これは不気味な雰囲気を出したいわけでも、深海生物がみんなシスの暗黒面に堕ちてしまっているわけでもありません(分からない人はスターウォーズをとりあえず6作観て)。
深海水槽の赤い光は、深海生物を刺激しすぎないようにする工夫なのです。
光に様々な波長があるというのは、虹のことを考えれば分かると思います。赤や紫、青などの波長をもっているわけです。ちなみに、目に見える光より波長が短いものを紫外線、長いものを赤外線といい、どちらも僕たちホモ・サピエンスには見えません。

そして、海に降り注ぐ太陽光も波長をもっているわけですが、海中では波長によって吸収のされ方が異なります。青い光がもっとも吸収されにくく、赤い光はまっさきに吸収されてしまうのです。そのため、海の深みに行くほど赤い色は認識しづらくなります。
先に紹介したミドリフサアンコウをはじめ、深海には「暗闇でこんな派手な色をしてどうする?」と突っ込みたくなるような生物が住んでいますが、深海では赤色は目立たないので、赤い体色は立派なカモフラージュになります。特に、クロカムリクラゲやアカチョウチンクラゲなどは、ただ単に透明だと捕食した発光生物の光が体外に漏れて自身が敵に見つかってしまうので、赤い胃袋で光を隠していると考えられています。
こうした事情から、深海生物は基本的に赤い光を見ることができない、または強いライトを当てられるより刺激に感じないとされています。実際にどうなのかは研究段階だと思いますしそもそも生物により影響は異なると思いますが、水族館では深海生物の生息域の状況を考慮して、このような展示がされているんですね。
このサンシャイン水族館の企画展ではゲストを招いたトークショーも行われていて、先日は僕が以前著書をレビューさせていただいた鈴木香里武さんがお話しされていらっしゃいました。
鈴木香里武さんの著書はコチラ↓
『海でギリギリ生き残ったらこうなりました。 進化のふしぎがいっぱい!海のいきもの図鑑』をレビューした僕の動画コチラ↓
そのうち僕も水族館でトークできるくらい大物になればいいのですが笑
精進していきますので何卒宜しくお願い致します。
【Writer Profile】
サメ社会学者Ricky
1992年東京都葛飾区生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。アメリカ合衆国ポートランド州立大学へ留学。
社会人として働きながら、サメの生態や環境問題などについて情報発信。主な発信分野はサメの生態、水産業、動物倫理、進化生物学など。
本HP『World of Sharks』での運営のほか、Youtube動画配信、トーク・プレゼンイベント登壇、水族館ボランティアなどで活動。
メールでのお問い合わせ、質問などはコチラ!
shark.sociology.ricky@gmail.com