サメの歯や顎をじっくり観察!

新型コロナウイルスの影響で多くの人が苦しみ、もはやサメ活とか水族館とか言っていられない事態になってきましたね・・・。

僕もなかなか外活動することができない現状ですが、幸いにも先日サメの歯や顎を観察する機会を得たので、その時の写真をお見せしつつ、サメ歯について簡単に紹介していきます。

 

目次:
【色々なサメの歯】
【歯が生え変わる】
【まとめ】

 

【色々なサメの歯】
サメの歯と聞くと「鋭くとがったデカい歯」みたいなイメージを持つ方が多いと思います。実際にそうした歯も多くありますが、サメによって歯の形が結構異なっているので、観察すると面白いです。

 

こちらはオオメジロザメ(Carcharhinus leucas)の顎骨です。この写真だと分かりにくいと思いますがかなりのサイズでした。ここまで大きいものは見たことがありません・・・。

上顎と下顎、両方とも大きな尖った歯がずらりと並んでいます。恐らく一般的にイメージされるサメの歯はこんな感じではないでしょうか。

オオメジロザメを含むメジロザメの仲間は、種によって細かい形状が異なるものの、こんな感じの歯をしていることが多いです。上顎の方が大きくギザギザした歯で、下顎の歯はそれよりも細長く尖っています。

では別のサメの歯を見ていきましょう。

こちらはシロワニ(Carcharias taurus)というサメの歯です。顎が縦に長かったので歯だけ大きく映しています。

先ほどのオオメジロザメの歯と比べるとこちらはだいぶ細長いですね。噛まれたら痛そうという共通点はありますが、形状がだいぶ異なっているのが分かると思います。

オオメジロザメは切り裂くのに適した縁がギザギザして幅が広い歯を持っていますが、シロワニは獲物を突き刺して逃がさないように尖った歯をしています。このように、一口にサメと言っても歯の形は様々なんです。

中にはこんな面白い歯もあります。

先ほどの2種とはだいぶ違った形ですよね。なんだかウロコが沢山並んだような歯をしています。こちら、トラフザメ(Stegostoma fasciatum)というサメの歯です。歯だけ見せられると分かりませんが、水族館などで一度は目にしたことあると思います。

こんな顔したサメです。

トラフザメは岩場やサンゴ礁の間に潜むタコやカニなどを吸い込むようにして食べます。この歯は切り裂いたり突き刺すものではなく、吸い込む際に逃げられないようおさえるためのものです。

 

他にもいろいろなサメの歯が存在します。

こちらはミツクリザメの歯です。非常に細長い尖った歯をしています。獲物を突き刺して逃がさないようにするための歯だと思いますが、あまりにも細いのですぐに折れちゃうのではないかと少し心配になります・・・。

ワニグチツノザメ(Trigonognathus kabeyai)という深海性のサメも同じように細い歯を持っていて、一説には刺して捕まえるというより口に入れた獲物を逃がさない檻のように機能するそうです。もしかしたらミツクリザメの歯もそうなのかも・・・。

 

お次はヨロイザメ(Dalatias licha)の下顎歯です。非常に鋭いナイフのような歯をしています。ヨロイザメはアザラシみたいなおとぼけた顔をしたサメですが、魚やタコ、イカなどのほかにサメや大きなクジラの死体なども食べることがあります。一口では収まらないサイズの獲物を切り裂いて食べごろなサイズにするためにこの歯を使っているのでしょう。

 

【歯が生え変わる】
サメの歯が何度でも生え変わるというのは聞いたことあるでしょうか。

サメの顎を内側から観察するとこのようになっています。

サメの歯は歯茎に埋もれて顎にのっているような状態になっています。この歯茎がベルトコンベアのように少しずつ前に動き、一定期間たつと一番前の歯が抜け落ちて、後ろの歯が次の歯として機能します。

前の方にあり獲物を食べるために使う歯を機能歯、後ろにひかえている歯を補充歯と呼びます。

サメも硬い獲物に噛みついたりして歯が欠けたり切れ味が悪くなったりすることもありますが、定期的に歯が交換されるので歯がダメになる心配はありません。一生のうち何度でも生え変わります。

自分が食べるものに適した形をしていて、しかも何度でも生え変わる。まさに歯はサメにとってなくてはならない武器ですね。

 

【まとめ】
今回はサメ初心者さん向けに簡単にサメの歯を紹介してみました。

サメといっても簡単に一括りにできないほど多様で、しかも生き残りのために優れた能力を進化させてきました。サメの歯はそれを象徴するものの一つです。

生きているサメの歯をじっくりを見る機会はあまりないかもしれないですが、そのうちイベントなどで直接歯を観察したり触ったりする機会を設けたいと思っています。

その時はぜひよろしくお願いいたします。

 

 

【Writer Profile】

サメ社会学者Ricky

1992年東京都葛飾区生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。アメリカ合衆国ポートランド州立大学へ留学。

社会人として働きながら、サメの生態や環境問題などについて情報発信。主な発信分野はサメの生態、水産業、動物倫理、進化生物学など。

本HP『World of Sharks』での運営のほか、Youtube動画配信、トーク・プレゼンイベント登壇、水族館ボランティアなどで活動。

メールでのお問い合わせ、質問などはコチラ!
shark.sociology.ricky@gmail.com

 

 

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