絶滅危惧種のリスト?いまさら聞けないレッドリストの簡単講座!

おはヨシキリザメ!サメ社会学者Rickyです!

今回はレッドリストという言葉について簡単に解説していきます。

珍しい動物や絶滅危惧種に関する議論でよく聞く言葉ですが、意外によく分かっていない人も多いと思うので、これを機に読んでいただけると幸いです。

 

目次:
【絶滅危惧種について】
【レッドリストとは?】
【レッドリストに関する誤解】
【レッドリストは警鐘】

 

 

 

【絶滅危惧種について】
「レッドリスト」という単語をWikipediaで調べると「絶滅のおそれのある野生生物のリスト」という風に出てきます。ほぼほぼこれでいいのですが、もう少し掘っていきます。

まず絶滅危惧種について説明します。

絶滅危惧種は文字通り「絶滅しないか心配される生物」です。

生物のグループ分けの最小単位で種というものがあります。例えば僕たち人間だったらヒト(Homo sapiens)というお猿さんの一種ですし、一口に「サメ」と言ってもホホジロザメ(Carcharodon carcharias)やジンベエザメ(Rhincodon typus)など細かい種に分かれます。そして、その同じ種内の仲間が完全にいなくなってしまうことを絶滅といいます。

生物が絶滅しそうになる原因としては生息地の減少や密漁・乱獲、または環境汚染など様々なものがありますが、誰が何を基準に絶滅危惧種としているでしょうか。

そこで登場するのがレッドリストです。

 

 

【レッドリストとは?】
レッドリストは、ある生物がどれくらい絶滅の危機にあるか専門家が評価したまとめリストです。つまり「この子はヤバい、この子はまだ大丈夫」みたいな評価をいろんな生物に対して行っているわけです。

一番有名なのがIUCN、国際自然保護連合が作っているレッドリストです。

IUCN Red list はコチラ↓

このサイトで調べたい生物の英名とか学名を検索すると現状に関する報告とか評価を見ることができます。

ただし、日本だと環境省や各都道府県も独自のレッドリストを作っていいます。それぞれ評価段階の名前などが異なる場合がありますが、ひとまずIUCNのものをお見せします。

下から上に行くにしたがって絶滅に近いまずい状況になり、一番上が絶滅です。その下の野生絶滅というのは野生環境では絶滅してしまったけど飼育下などで一応生き残っている状態を指します。リスト内にはデータ不足で評価できないものや評価自体されていない種も入っています。

そしてこの評価のうち、CR、EN、VUの3段階に入っている子たちを絶滅危惧種と一般には呼びます。もちろんこの評価は変わることもあります。

 

ではこの評価をどうやって決めるかというと、

・どれくらいの個体数がいるのか?

・どれくらい減少してしまったのか?

・分布域はどれくらいか?

などの基準で専門家が評価します(正式には5項目ありますが細かいので割愛します)。

評価決定までのプロセスは簡単に示すと以下の通り。

まず専門家が集まって会議を開きます。例えばどこかの学会が「サメについて会議を開きたい」と思ったら、サメ研究者などを集めてIUCNに申請します。そこで申請が通れば会議が行われ、例えばAというサメは現在NTだが、数が減っているというデータがあるのでVUにしようというような報告書草案ができます。その報告書の草案が主要な研究機関などでまた吟味され、データの有効性や解釈の適切さが議論されます。その後完成した報告書がIUCN事務局に提出され、決定・発表されるという流れです。

環境省のレッドリストだと流れが異なると思いますが、各分野の専門家が科学的なデータに基づいて評価するという点は変わらないです。

 

【レッドリストに関する誤解】
レッドリストに関してよくある勘違いを以下にまとめてみました。

<勘違い1:危険生物のリストである>
違います。絶滅の心配具合を示す評価をまとめたリストです。

<勘違い2:レッドリストに載っていれば絶滅危惧種>
これも厳密には違います。レッドリストには先ほど紹介したように絶滅に関しては懸念度が低い種や、データ不足で評価自体が定められない子たち、そしてすでに絶滅してしまった種も載っています。

<勘違い3:レッドリストの絶滅危惧種は保護されている>
これも違います。絶滅が心配されているので保護をすべきというのはあると思いますが、あくまで評価されているだけです。レッドリストで絶滅危惧種として掲載されても何らかの拘束力のある規制がされることはありません。

 

【レッドリストは警鐘】
レッドリストの評価は直接規制を意味しませんが、レッドリストの評価は社会に対する警鐘と言えます。

このままだとこの子たちに二度と会えなくなるかもしれませんという一つの警告です。生物多様性の観点からしてそれはまずいことだし、一つの種を滅ぼすというのは生物全体で見れば人類を絶滅させるのと同じくらい重みのある行いです。

また、これは個人的な考えですが、将来の生き物好きのために守りたいですね。

将来サメ好きの子供達に「なんでホホジロザメって絶滅しちゃったの」と聞かれて「ごめん、僕たちが滅ぼしました」って言いたくないですよね。少なくとも僕は絶対嫌です。どの面下げて謝ればいいんだって思います。

 

そしてこういう議論を社会で活発にするためにも、絶滅危惧種とかレッドリストとか、生き物に関する単語とかテーマが社会の共通認識として広まることを願います。

 

今回は以上になります。引き続きよろしくお願いいたします。

 

※今回の内容はYouTubeにアップした下記内容を加筆修正しています。
YouTubeの方も応援していただけると嬉しいです。

【Writer Profile】

サメ社会学者Ricky

1992年東京都葛飾区生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。アメリカ合衆国ポートランド州立大学へ留学。

社会人として働きながら、サメの生態や環境問題などについて情報発信。主な発信分野はサメの生態、水産業、動物倫理、進化生物学など。

本HP『World of Sharks』での運営のほか、Youtube動画配信、トーク・プレゼンイベント登壇、水族館ボランティアなどで活動。

メールでのお問い合わせ、質問などはコチラ!
shark.sociology.ricky@gmail.com

 

 

 

 

 

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