カワウソと尿路結石?世界カワウソの日にて

おはヨシキリザメ!サメ社会学者Rickyです!

先日5月27日は「世界カワウソの日」でした!

知らなかった人もいると思うので簡単にだけお伝えすると、世界のカワウソの現状や保全について考えてもらうためにThe International Otter Survival Fund国際カワウソ生存基金)が5月の最終水曜日を「世界カワウソの日」World Otter Day(WOD)に制定しました。

カワウソ保全についての記事はこれよりも前に書いていたので、今日はもう少しゆるい話です。

前回のカワウソペット問題の記事はコチラ↓

 

実は今年2020年の「世界カワウソの日」に水族館職員や研究者、獺祭の製造販売をされている方など様々な方が集まってカワウソについて議論する動画フォーラムがYouTube Live で行われました!

(「なんで獺祭?」と思った方、「獺」はカワウソですからね!)

ライブ配信のアーカイブ自体は非公開のようですが、リアルタイムで僕も視聴させていただき、水族館での取り組みや対馬で発見されたカワウソについての深堀など興味深いお話をたくさん聞かせていただきました。

動画の内容を総括するのは長すぎるので少し気になったトピックだけ拾って掘り下げます。

ライブの途中にカワウソの結石について議論される場面がありました。

正直詳しくなかったのでライブ後に調べてみると、どうもコツメカワウソは腎臓や膀胱に結石が多い動物のようで、尿路結石予防のキャットフードを与えることが多いそうです。ちなみに、ツメナシカワウソでも結石が確認されています。

本来のカワウソは魚や甲殻類、昆虫など幅広いものを捕食します。

結石はご存知の通り人間にもできることがあります。僕は幸い味わったことはないですが、かなり痛いらしいです。この痛みは腎臓にできた結石が細い尿管を通るときに生じます。

人間ならば痛みを感じてすぐに病院に駆け込めますが、他の動物はそうはいきません。各園館の飼育員さんにとってもカワウソの結石は悩みのタネであり、原因ははっきりと分かっていないようです。

 

こうした事実を頭に入れたうえでもう一度カワウソペット問題を考えてみます。

前回の記事の中でも少し触れましたが、カワウソは絶滅危惧種だから安易に求めてはいけないという以前に、飼育が簡単ではないから安易に飼うのはお勧めできません。

飼育のプロである動物園・水族館の方でさえ手を焼くカワウソの結石に対し、一般飼育者がちゃんと予防できているのか疑問です。

あくまで憶測の域をでませんが、一般飼育者が動物園や水族館と同じようなエンリッチメントを提供できるわけがないので、そうした飼育環境が結石を悪化させないか心配になります。

人間が洞窟の絵や壁画を描いていたような時代から家畜化されてきたイヌやネコは飼いやすいように品種改良がされています。飼育方法も確立していますし、町中にある普通の動物病院であれば間違いなく診てくれます。

実家のワンコです。

しかし、カワウソたちは野生動物であるという点で、そのようなペットたちと大きく異なります。「ワンちゃんと同じで可愛いフサフサ」と「ワンちゃんと同じように飼える」は断じてイコールではありません。

絶滅危惧種であるカワウソを「可愛いからとにかく飼う!」で需要して危機に陥れるのは知性と品性が終わっていますが、仮に彼らが絶滅危惧種ではないとしても「ペットとして飼って健康にちゃんと育てられるのか」という飼育者責任の問題を考えなくてはなりません。

カワウソに限ったことではないですが、エキゾチックペットや野生動物はほとんどの場合、病気のことがまだよく分かっていません。病気のことが分からなければ健康に長生きさせてあげることができません。

飼うことが合法であればどんなペットを飼うのか僕から言えることは限られてしまいますが、珍しいペットを飼いたいと思った時は今回紹介したようなことを考えたうえで決断してほしいと思います。

 

 

【Writer Profile】

サメ社会学者Ricky

1992年東京都葛飾区生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。アメリカ合衆国ポートランド州立大学へ留学。

社会人として働きながら、サメの生態や環境問題などについて情報発信。主な発信分野はサメの生態、水産業、動物倫理、進化論など。

本HP『World of Sharks』での運営のほか、YouTube動画配信、トーク・プレゼンイベント登壇、水族館ボランティアなどで活動。

メールでのお問い合わせ、質問などはコチラ!
shark.sociology.ricky@gmail.com

 

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