【サメ軟骨・メガロドン・地震予知】サメに関する都市伝説は本当なのか?

おはヨシキリザメ!サメ社会学者Rickyです!

今回は関暁夫さんよろしくに、サメにまつわる都市伝説をいくつか紹介していきます。

ただ、「信じるか信じないかは、あなた次第です!」で終わらせてしまうと変に誤解させたままになってしまうので、各都市伝説の紹介の後に真相について僕から解説していきます!

 

目次:
【サメ軟骨は癌に効く?】
【サメは血の匂いに敏感?】
【メガロドンは生きている?】
【サメは地震を予知する?】
【あとがきにかえて】

 

 

【サメ軟骨は癌に効く?】

このようにサメ軟骨が紹介されることがありますが。これは嘘です。

サメ軟骨に癌に対する効果があるという話は確かにアメリカの研究で一度出ました。しかし、その後肺がん患者を対象にした実験で効果が認められませんでした。この件は以前に別の記事で紹介しましたが、サメ軟骨の効能は二重盲検法による検証で否定されているんです。

以前のニセ科学の記事はコチラ↓

複数の医療機関の見解を確認しましたが、効果を認めているところはなかったです。

この都市伝説は「サメが病気にならない」という噂話によって補強されているようですが、サメは普通に病気にかかります。

サメ軟骨のサプリなんかも売られていますが、サメ軟骨を摂取することでひざの痛みが治ったり健康になるという効果は医学的には認められていません。「効果があった」という声もありますが、宣伝用の嘘かプラシーボ効果でしょう。そのためにサメを殺す意味も、お金を払う価値もありません。

 

 

【サメは血の匂いに敏感?】

これはちょっと微妙な問題です。

まずサメが獲物を探す際に嗅覚を使っているというのは事実です。サメの臭いを感じる部分はひだ上で表面積が広がっていて、臭いを感知しやすくなっているようにも見えます。

ただ、どの程度サメが臭いに敏感なのか、他の捕食者である魚と比べるとどのくらい優れているのか、あまりはっきりと示した研究がないようです。一部の噂話や「サメ=血に飢えた殺人マシーン」という偏ったイメージからサメの嗅覚が誇張されているように感じます。

また、臭いとは化学物質であり、水の流れによって帯状に広がります。そのため、血が流れていれば絶対キャッチできるというわけではないです。

怪我をしている人はサメに関係なく海で遊ぶべきでないような気がしますが、生理中の女性がサメに襲われやすいというデータはありません。サメを刺激する可能性がゼロとは言えませんが、そもそもサメに襲われること自体が雷に打たれるよりも稀です。過度に心配する必要はないでしょう。

ちなみに水中で最も伝わりやすい刺激は実は音です。音は空気中よりもかなり速く、そして広範囲まで伝わります。そして臭いと違って放射状に伝わるので、サメは臭いよりも音を先に感知しやすいはずです。

サメは獲物の出す音、特に弱った魚などが出す音を聞きつけ、臭いで具体的な方向を探り、目視でも確認する・・・。大まかに言うとこんな流れで獲物を見つけていると思われます。

 

 

【メガロドンは生きている?】

 

信じている人には申し訳ないですが、ないと思います。

もちろん、科学的には完全な存在否定はできません、ですが、ラッセルのティーポットの話を知っていれば分かるように、存在を否定しきれないからといって信じなければならないというのは馬鹿げています。

あくまで僕の考えですが、メガロドンが生き残っている可能性は非常に低いと思います。証拠映像とされるものも明らかに嘘くさいし、いつかに「メガロドンか!?」と話題になった巨大ザメの映像も、ドアップのオンデンザメの映像だったりしました。

「メガロドンが見つからないのはマリアナ海溝のような深い海に隠れ住んでいるからだ」と主張する人もいます。なんで全長15m前後はあるであろう敵無しの捕食者が深海に隠れる必要があるのか理解に苦しむのですが、それを置いておいても問題があります。

メガロドンは化石の記録から大型のクジラなどを襲っていたことが知られています。しかし、メガロドンが隠れ住んでいるとされるマリアナ海溝など深海には、彼らを支えられるような巨大な獲物はいません。

巨大な生物を支えるにはたくさんのエネルギーが必要です。メガロドンがその生態系にいるなら、それを支えられる少し小さいくらいの獲物がメガロドンより沢山いて、それを支える生物がもっといて・・・というふうな非常に豊かな場所になっているはずです。ですが、マリアナ海溝ではそうした生物は確認されておらず、そもそもそれだけのエネルギーがある生態系とも思えません。

もちろんマッコウクジラやアカボウクジラなど深く潜るクジラを人知れず襲っている可能性もありますし、普段は深海にいて獲物を襲うときだけ上がってくるのかもしれませんが、そんなに活発なら彼らの痕跡くらい見つかってもいいはずです。

海はまだまだ謎に包まれているので、メガマウスのようにひょっこり巨大なサメが新発見される可能性はありますが、証拠なしにロマンだけで存在を主張するのは筋違いです。

 

 

【サメは地震を予知する?】

オカルト界隈で何故か人気が高いですが、これも恐らくないです。証拠不足ですね。

たしかにサガミザメの雄が地震の数日前に大量に捕獲されるという漁師さんの実体験があるらしく、全く関連性がないとは言い切れないです。ただ、因果関係は証明されていません。メガマウスと同じくリュウグウノツカイも地震予知をする生物として話題になりましたが、これは東海大学の研究により否定されています。

該当ニュースはコチラ↓

 

僕も一応メガマウスと地震との関連性があると主張する超常現象研究家と名乗る怪しい人物のブログやその他まとめサイトも調べました。地震が起きた日とメガマウスが目撃された日を大量に羅列して関連性があるように見せているのにはもはや作意よりも健気さを感じますが、どれもこじつけの域を出ない代物でした。

例えば、1989年静岡県の目撃から13日後に八丈島、2011年神奈川県での目撃から9日後に三陸沖、2016年三重県での目撃から3日後に熊本など、メガマウスの目撃場所と地震発生場所が離れている事例も含まれています。これらの事例が2005年三重県での目撃から6日後に同じく三重県で地震が起きた事例と同等に扱ってよいと何故言えるのか、説明がありません。

日付に関しても、静岡県の目撃から37日後に千葉県で地震、三重県で目撃された56日後に東北で地震が起きたなどと紹介されています。なぜ3日後、6日後に地震が起きている事例と同等にこれらの事例を扱っていいのか、なぜ日数にここまで開きがあるのか、説明はありません。

また、紹介された事例には震度1や2の地震も多く含まれていますが、気象庁のデータを調べてみると震度1~3の地震は毎月100件近く起きています(もちろん月により前後します)。

毎月100件近く起きている現象に結び付けていいなら、メガマウスだけでなくなんでも地震と関連づけられます。僕がとんこつラーメンを食べたり女の子とデートすると地震が起こると主張することも多分可能です。

オカルト界隈は必死に相関関係を示そうとしますが、肝心なのは因果関係なのです。サメは確かに微弱な電気を感じ取るロレンチーニ器官をもっていますが、これが地震とどう関連しているのか、そのメカニズムを科学的に解説できている人を見たことがありません(いたら出てきてください)。

以上の理由から、僕はメガマウスを含むサメの地震予知説は現段階では血液型占いレベルのニセ科学だと主張します。もちろん、科学的な研究によって因果関係が証明された場合は、喜んで主張をひっくり返す予定です。

 

 

【あとがきにかえて】
今回の記事はほとんどの都市伝説に否定的な見解を示しました。これは僕が意地悪だからではなく、僕が知っている知識を論理的に組み合わせるとこのような結論になるからそうしたまでです。

こうした発信をすると「夢が壊れる」とか「考え方は人それぞれ」と言って反論されることがありますが、これは間違っています。

サメ軟骨の効能や地震予知については人間の生命が関わってくる問題です。根拠のないデタラメで希望を持たせたり過度に危機感を抱かせるのは健全ではありません。「信じるか信じないかはあなた次第」とか言っている場合じゃないんです。悪質なデマは夢だろうと何だろうと叩き潰さなければなりません。

にもかかわらず、デタラメ都市伝説やニセ科学と戦っても研究者には一銭にもならない一方で、オカルトやニセ科学側は思考停止の信者を集め、ひどい場合は情報弱者からお金を搾り取ってどんどん力を拡大させます。金銭的にも支持者の数的にも正しい側が不利という嘆かわしい現状なんです。

この現状を打破するには研究者に頼るのではなく、僕たちが自分で勉強して、まともな内容を積極的に発信する必要があります。僕もまだまだ勉強中ですが、現時点で何が正しいかを考えて発信しているつもりです。科学で大事なのはエラー修正ですので、もしここで書いた内容が科学的に否定された暁には、僕は喜んで前言撤回して別の発信を行います。

強いて最後に付け加えるなら、別に癌を治せなくても、地震を予知できなくても、サメは素晴らし生き物です。メガロドンは絶滅してしまいましたが、近縁とされるホホジロザメやアオザメも十分にカッコよく謎に満ちた動物です。

根拠のない妄想を信じるのではなく、実際の彼らの姿を愛してあげて欲しいなと思います。

 

 

 

【Writer Profile】

サメ社会学者Ricky

1992年東京都葛飾区生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。アメリカ合衆国ポートランド州立大学へ留学。

社会人として働きながら、サメの生態や環境問題などについて情報発信。主な発信分野はサメの生態、水産業、動物倫理、進化など。

本HP『World of Sharks』での運営のほか、YouTube動画配信、トーク・プレゼンイベント登壇、水族館ボランティアなどで活動。

メールでのお問い合わせ、質問などはコチラ!
shark.sociology.ricky@gmail.com

 

 

 

 

 

 

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