正しい意味を知ってる?生物関連で勘違いされがちな用語たち!

おはヨシキリザメ!サメ社会学者Rickyです!

普段生活する中で仕事・プライベート問わず、僕たちは色々な言葉を使いますが、その正しい意味をちゃんと理解しているでしょうか。

試しにググってみたら自分の認識と違ったということもあると思います。

今回は「定義を勘違いされやすい生物用語」をいくつか紹介していきますのでよろしくお願いいたします!

 

目次:
【プランクトン】
【外来種】
【家畜】
【進化】
【動物】

 

 

【プランクトン】
海の生き物を語るうえでよく出てくる言葉である「プランクトン」ですが、微生物とイコールの言葉として使っている人が多い気がします。これは間違いです。プランクトンの意味は微生物や小さい生き物ではありません。

プランクトンの定義を簡単に言えば「流される生物」です。つまり、海水の流れに逆らえるほどの遊泳能力を持っていないので、海流や潮流にのって移動する生物のことを指します。

遊泳能力が低い生物にエビの幼生や魚の卵など小さな生物が多く含まれることは事実ですが、生物の大小は本来の定義と関係ないです。

例えば、クラゲの仲間の多くは多少自分で動けるものの、アジやサバのような魚に比べると遊泳力が低く、流れに身を任せるしかありません。そのため、人の目に見えるような大きなサイズでも、クラゲはプランクトンということになります。

クラゲはプランクトンです。

ちなみに、ある程度の遊泳能力があって自分の力で泳ぐ生物のことをネクトンと呼びます。こちらも生物の大小は関係ないので、イカやタコの仲間から大きなサメ、ウミガメやイルカなども含みます。そして、海底を歩き回るエビとかカニの仲間や、岩にくっついているイソギンチャクのような生物のことをベントスと言います。

ツマグロのように自分の力で泳げる生物はネクトンです。

なお、このプランクトン、ネクトン、ベントスという言葉は遊泳能力や生活スタイルによる区分なので、同じ生物でも成長過程で変わることがあります。例えば、多くの魚が卵および稚魚の状態ではプランクトンですが、成長すればネクトン(例:クロマグロ)やベントス(例:アンコウ)などになります。

プランクトン、ネクトン、ベントス。海の生き物について議論する際によく出てくる言葉なので、この3つはセットで覚えておきましょう。

 

 

【外来種】
この言葉も非常に多くの方が意味を間違えている場合が多いです。前にも外来種は別記事で詳しく解説しましたが、改めて紹介します。

以前のブログ記事はこちら↓

まず、外来種の正しい定義ですが、「時期や国内外に関係なく、本来いなかった場所に、人間によって移入された生物」です。

移入時期に関係がないので、何千年その土地にいても、人間が持ち込んだのであれば外来種です。

また、国内外関係ないので、例えば僕が長野県の山で虫取りをして、捕まえたカブトムシとかを東京で放してしまったら、これは外来種になってしまいます。この場合、国内外来種と呼びます。

そして「人間によって」という点も重要です。ホホジロザメやアホウドリのように地球規模で旅をする生物や、気温上昇などの環境の変化で生息域を広げる生物がいます。このように自力で移動してくる生物は外来種ではありません。

『ジョーズ』のモデルで有名なホホジロザメ。実はかなり大規模な回遊をする。

ちなみに、「人間が最悪の外来種だ!」とか言って外来種駆除にケチつける人たちがいますが、僕たち人間は自力で生息域を拡大させた動物なので外来種ではありません。

最後に、外来種=悪者という勘違いもあります。

すべての外来種が悪影響をおよぼすわけではありません。違う環境に突然連れてこられて生き残れない生物も沢山います。また、人間が持ち込んだ生物ということは、家畜や野菜も外来種です。こうした例からも分かるように、外来種は生物を悪く言ったり蔑んだりする表現ではありません。

ただし、外来種の中には、生態系や人間社会に重大な影響を及ぼすものがいます。こうした外来種は「侵略的外来種」と呼ばれます。彼らも悪者というわけではないですが、生態系を守るために駆除などの対応が必要です。

可愛いゆえに駆除反対や餌槍などの行為が横行しがちだが、実際は非常に厄介な外来種のアライグマ。

この辺の認識が甘いと、「外来種を駆除しろってことは外国人差別もしていいってことなのか?」とか、「稲も外来種なんだからブラックバスを外来種という理由で駆除するのはおかしい!」という訳の分からないトンデモ理論に発展することがあります。

建設的な議論をするためにも、用語の意味は正しくおさえましょう。

 

 

【家畜】
家畜という言葉も勘違いされることが多いです。一般的な認識だと、ウシ、ブタ、ニワトリなど人間が食べるために育てられる動物のことを指すと思いますが、厳密には少し違います。

家畜の定義の一言で表すなら「人間が飼いならして特定の目的に利用する動物」です。つまり、ペットとして飼育されるイヌやネコ、動物実験で使われるマウスなど、人間が野生動物から品種改良して利用する、すべての動物が家畜になります。

ちなみに、さっきの外来種と関連した話ですが、家畜はその定義からして「人間が持ち込んだ、本来その生息域にいなかった生物」に当てはまるので、ほぼ全て外来種という扱いです。

例えば、ネコはヤマネコの仲間を人間が品種改良して作った動物なので、正真正銘の家畜であり外来種です。ついでに言えば、野外に出てしまうと希少な小動物を捕食してしまい繁殖力もすごいので、対処が必要な侵略的外来種でもあります。

侵略的外来種ノネコ。

この「家畜」という言葉も、外来種と同じようにマイナスな呼び方だと勝手に思っている人がいますが、そんな意味合いは存在しません。Twitterでネコが外来種や家畜であると発言すると烈火のごとく怒りだして否定する人たちがたまにいますが、事実を述べているだけにすぎません。

 

ここで、こちらの写真をご覧ください。

こちら、実家のワンコです。ご覧いただければ分かる通り、この銀河系で一番かわいい哺乳動物です(異論は認めません)。

そんな可愛すぎて橋本環奈さんも霞んでしまうこの子も、人間が品種改良した動物なので、家畜であり外来種です。しかし、この子が最高に可愛い至高の存在であることには何も変わりありません。

 

「外来種」も「家畜」もこういう動物をこう呼びますという定義にすぎませんので、誤解のないようにお願いします。

 

 

【進化】
進化という言葉も非常に勘違いされがちです。

進化の定義を一言で表せば、「生物が世代を経て次第に変化していく現象」です。

もっと丁寧に解説したいところですが、そうすると恐ろしい長さになるので、ここでは「進化はこういうものではない」という解説だけしたいと思います。

 

<勘違い1:進化は個体の変化や成長のこと>
進化というのは超ざっくり言えば世代の経過とともに変化していくという現象です。つまり、その生物一個体の変化は進化と言いません。したがって、「あのスポーツ選手は進化した」などの表現は誤りです。

また、ポケモンの世界では「ピカチュウがライチュウに進化する」、という表現がありますが、同じ理由でこれも不適切な表現です。同じ個体の姿や能力が変わっただけなので、ただ単に幼獣が成獣に成長したとみるべきか、「変態」という言葉を用いるべきです。

念のため言っておきますが、ここで言う「変態」は満員電車で痴漢したり他人の下着を盗むホモ・サピエンスの異常個体のことではなく、動物が成長過程で形態を大きく変化させることを指します(例:芋虫→蛹→蝶の変化)。

 

<勘違い2:進化は進歩とイコールである>
テクノロジーの進化というように進化=進歩の意味で使っている人が多いですが、これも厳密には違います。進化とはあくまで世代を経て起こる変化なので、何かが小さくなったり消失することも差します。

目が見えない動物たちについて考えてみましょう。僕たちは視覚情報にかなり頼って生活する動物なので、目が見えない生物を「劣っている」と考えがちです。しかし、よく見える目を維持し、その情報を脳で処理するにはエネルギーを使います。限られた体内資源をそちらに割り当てないといけません。

上記のことを考慮すると、真っ暗な洞窟の奥底などでは、よく見える目はエネルギーの無駄遣いになります。そのため、目が見えない個体に有利な淘汰圧がかかる可能性があります。

目が見えなくなる、脚が消えるなどの変化は一般に「退化」と呼ばれます。「人間の祖先は尻尾を持っていたが退化した」なんて言いますが、退化は進化の対義語ではなく、進化の在り方の一つなんです。

 

<勘違い3:人間が最も進化した生物>
これも誤解です。こう考える人は、進化をハシゴを上るようなプロセスであり、その頂点に人間がいるという勘違いをしています。

進化は実際には枝分かれの歴史です。共通の祖先から異なる変異が繰り返された結果、別種とみなせるくらい異なった種に分かれ、そこからまた分かれ、という風に多様性が増していきます。そして、人間はその枝先の一つでしかないんです。

進化が「下等な生物から高等な生物へのハシゴを登っていく過程」と勘違いしていると、「チンパンジーが人間の赤ん坊を産んだら進化論を信じよう」などというとんでもない反論に発展します。

創造論者の過激派が本当にこれを根拠に進化を否定できると思い込んでいるようですが、あまりにもバカバカしくて鼻血が出そうになります。チンパンジーと人間は共通祖先をもった霊長目の仲間であり、チンパンジーが人に進化するわけではありません。繰り返しになりますが、進化は枝分かれであり、それぞれが枝の先なんです。

進化についての他にも山のように言いたいことがありますが、キリがないのでまたの機会にお話しします。

 

 

【動物】
だいぶ根本的な話になっちゃいますが、この「動物」という言葉の定義をきちんと分かっている人は少ないと思います。というのも、魚類、昆虫、クラゲなどの生物は動物ではないと勘違いしている人が非常に多いです。

多くの人が、動物を鳥獣、つまり哺乳類と鳥類とイコールだと思っています。

確かに一部の辞書に「主として獣の類をいう」とは書いてあるので「動物」という言葉で鳥獣のことを指すのはありかもしれませんが、魚や昆虫が動物でないという認識は間違いです。

では動物とは何でしょうか?ネットの辞典だと以下のように記載があります。

goo辞書より一部引用
「生物を二大別したときに、植物に対する一群。多くは自由に移動することができ、植物などの作り出した有機物を栄養として摂取する。・・・・」

この定義だと菌類などが無視されることになってしまいますが、今回は分かりやすさを重視して、植物との比較で動物について説明します。

生物の授業で動物細胞と植物細胞の比較というのが出てきます。どちらも核膜に覆われた核を持つ真核生物ですが、動物細胞には細胞壁や葉緑体がない等の特徴があります。

ざっくりいってしまえば「動物かどうか?」というグループ分けは、このような細胞レベルで決まります。モフモフしているか、可愛いからなどの曖昧で主観的すぎる定義ではないです(それを言うなら魚にも可愛いものは沢山います)。

こうした細胞レベルで「動物」だとされた生物たちは動物界というグループに分類されます。この動物界の仲間たちは、さらに30近くの門という小さなグループに分けられます。

ややこしく聞こえるかもしれませんが、住所みたいなものです。東京都という一つの大きな塊も60近い市区町村に分かれますよね。あれと同じ感じです。

動物界は30近くの門というグループに分かれ、その中に脊索動物門、節足動物門、刺胞動物門、刺胞動物門などがあります。先ほど魚類、昆虫、クラゲは動物ではないと勘違いしている人が多いという話をしましたが、魚類は僕たち人間と同じ脊索動物門、昆虫は節足動物門、クラゲは刺胞動物門に分類されます。全員ちゃんと動物細胞を持っている動物の仲間です。

余談ですが、当然人間も「動物」です。よく「人間と動物」という言い方をする人がいますが、あれは「車とマシーン」みたいな感じになってしまうので「人間とその他の動物」というのがより適切な言い方だと思います。

 

 

以上が、定義を勘違いしやすい生物用語の解説でした!

他にも沢山ありますが、また別の機会に紹介しようと思っています。

僕自身もたくさん勉強して進化・・・、あ、間違えた!進歩できるように頑張りますので、引き続きよろしくお願いいたします!

 

【Writer Profile】

サメ社会学者Ricky

1992年東京都葛飾区生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。アメリカ合衆国ポートランド州立大学へ留学。

サメをはじめとする海洋生物の生態や環境問題などについて発信活動を展開。

本HP『World of Sharks』での運営のほか、YouTube動画配信、トーク・プレゼンイベント登壇も行い、サメ解説のライターとしても活動。水族館ボランティアの経験あり。

メールでのお問い合わせ、質問などはコチラ!
shark.sociology.ricky@gmail.com

 

 

 

 

 

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