おはヨシキリザメ!サメ社会学者Rickyです!
普段海の生き物について発信することが多い僕ですが、
それが、国立科学博物館の『大地のハンター展』です!
その名の通り、陸上のあらゆる環境、あらゆる時代の、
今回OBIKKAKEさんからご招待を頂きまして『
目次:
【豊富すぎる標本展示】
【THE ALFEEのファン必見】
【躍動感あふれる標本たち】
【絶滅してしまったあの動物も】
【おすすめの楽しみ方】
【豊富すぎる標本展示】
科博の企画展は毎度のことですが、
「たくさん鳥が並んでいるから、“空のハンター”のコーナーかな?」と思う人がいるかもしれませんが、これは「夜空のハンター」というカテゴリーで展示されている標本のごく一部です。
この写真に写っているのはフクロウやミミズクなどのフクロウ目の鳥たちですが、他にも多種多様なコウモリたちの標本が並べられ、別のコーナーにはフクロウ以外の鳥類たちが展示されています。
モグラだけでこの数・・・。もちろん全て別種です。「なぜにハンター展でモグラ?」と思う人もいるかもしれませんが、彼らも地中のハンターです。アイマー器官という鼻先の感覚器官で獲物の出す振動を感知して捕食します。
意外なところで言えば、こんなハンターたちも登場します。
エメラルドゴキブリバチです。名前は以前から知っていましたが、実物を生で見たのは初めてでした。名前の通り宝石のように輝く体が非常に美しいですね。写真だと伝わりづらいかもしれませんが、本物を実際に観察してみると心がときめくレベルです。
名前の「エメラルド」は見ての通りこの美しさから来ていますが、「ゴキブリ」という部分は、このハチの興味深い習性から来ています。
エメラルドゴキブリバチの雌は、麻薬のように作用する特殊な毒液を自分の数倍もあるような大きさのゴキブリに注入し、逃げ出す意思を完全に失わせます。その後、彼女はゴキブリと共に自分の卵を巣穴に隠し、ゴキブリは生きたまま大人しく、孵化してくる幼虫のエサになります。
「捕食」や「ハンター」という言葉を聞くとライオンやトラ、あるいは毒蛇のように自らがパワーやすごい能力を使って獲物を捕らえる場面を想像しますが、エメラルドゴキブリバチのような寄生は「捕食寄生」と呼ばれます。
今回の『大地のハンター展』では、この捕食寄生も含め、本当に色々なハンティングを行う生物たちが沢山展示されていました。
もちろん、標本の数だけがウリではありません。
こちらはインドガビアル、マレーガビアル(ガビアルモドキ)、イリエワニ、アメリカアリゲーターの頭骨標本の比較です。
一口に「ワニ」と言っても、食べる獲物によってこれだけ形が異なっています。ガビアルやガビアルモドキは細長い口をしていて、魚類などの小さな獲物を機敏な動きで捕食しやすくなっていますが、イリエワニ(クロコダイルの仲間)やアリゲーターは、カメなどの硬い獲物や大型哺乳類なども捕食できる太くて大きな顎を持っています。
このように、ただ沢山の標本を見せるだけでなく、他と何が違い、どんな意味があるのか、丁寧に分かりやすく解説しているのも『大地のハンター展』の魅力です。
【THE ALFEEのファン必見】
そんな標本の中にはこんな代物も・・・。
こちらのワニ、コビトカイマンというワニの仲間で、
THE ALFEEといえば衣装の統一感がゼロなのに演奏の息は合っているということでお馴染みの大人気ロックバントですが、そのメンバーである坂崎さんは数々の両生類や爬虫類を飼育してきた愛好家としても知られています。
現在ワニ類の全ては特定動物という規制対象になっており、
ここ最近だと、某爬虫類飼育YouTuberが炎上したりと問題の絶
【躍動感あふれる標本たち】
今回は何と言ってもハンターの展示。ということで、獲物をまさに捕らえている瞬間で作られた、躍動感のある標本たちが展示されています。



中でも一番驚いたのはコチラです。
パーソンカメレオンが、今まさに獲物を捕らえようと舌を伸ばした瞬間の標本です!
いや、どうやって作ったの・・・。
標本については素人で、サメの顎骨や頭骨の標本しかほとんど作ったことがないので分かりませんが、こんなに綺麗な形で保存するのはかなり大変そう(もちろん他の標本も大変なのでしょうけど・・)。
公式ガイドブックでは白亜紀に生息していた巨大ワニ、ディノニクスの実物大模型の作成秘話が解説されていましたが、このパーソンカメレオンの標本の方がむしろ気になるかも・・・・。

【絶滅してしまったあの動物も】
今回の『大地のハンター展』
ニホンカワウソです!
「サメ」社会学者という肩書でありながら、
この『大地のハンター展』で展示されているのは、現在日本では絶滅してしまったと言われているニホンカワウソです。ニホンカワウソについては、ヨーロッパや他のアジア諸国で生き残っているユーラシアカ
こちらの標本は『大地のハンター展』の第二会場で、


このコーナーの解説版でも触れられていますが、自然界においてはバランスが重要で、ハンターたちも生態系の中で重要な役割があります。人間が短期的な目的で安易に絶滅させたり、本来の生息地と異なる場所にハンターを広げてしまうと、そのバランスが大きく崩れ、結果的に僕たちの社会にしっぺ返しがくることになるかもしれません。
今回の展示でハンターの進化の歴史、多様性、驚異的な能力を学んだ後、最後のコーナーにて、僕たちとハンターたちがいかに共存していくかについても考えてみてはいかがでしょうか。
【おすすめの楽しみ方】
ここまで『大地のハンター展』の魅力を語ってきましたが、
それが、一度訪れたあと、公式ガイドブックを買い、
科博の企画展示は毎回素晴らしいのですが、素晴らしいがゆえに「
今回もかなりの標本、解説版が展示されていたので、
科博企画展の公式ガイドブックは標本の写真と豊富な解説がついて
この『大地のハンター展』は6月13日まで開催されているので、この記事を読んだ方は、2回味わう方法を試してみて欲しいです。
以上が、国立科学博物館『大地のハンター展』の紹介でした!
大地のハンター展の紹介は公式HPはコチラ↓
事前予約・チケット情報についてはコチラ↓
【Writer Profile】
サメ社会学者Ricky
1992年東京都葛飾区生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。アメリカ合衆国ポートランド州立大学へ留学。
サメをはじめとする海洋生物の生態や環境問題などについて発信活動を展開。
本HP『World of Sharks』での運営のほか、YouTube動画配信、トーク・プレゼンイベント登壇も行い、サメ解説のライターとしても活動。水族館ボランティアの経験あり。
メールでのお問い合わせ、質問などはコチラ!
shark.sociology.ricky@gmail.com