ディープ・ブルー2 (Deep Blue Sea2)

一言で表すと、『ターミネーター』を観すぎた中二病のおっさんが改造したサメが廊下とかで人を食べる映画です。設定が被っているだけで、『ディープ・ブルー』と直接のつながりはありません。

題名:ディープ・ブルー2(仮)
原題:Deep Blue Sea2
公開年:2018年
監督:ダリン・スコット
主演:ダニエル・サヴル

【かなりぼかしたあらすじ】
海中に建設された巨大研究施設。製薬業界の大物カール・デラントはこの施設で、オオメジロザメの抗体を使って人間の知能を高める薬品の研究を進めていた。サメの保護活動家であるミスティー・カルホーン博士たちが施設に招待されたその日、実験の影響で高度に知能が発達し狂暴化したサメたちが施設を攻撃し始める。水浸しになった施設内からミスティーたちは脱出を試みるが・・・。

 

 

【ネタバレをふくむあらすじ】
※今回の作品は諸事情により英語音声・字幕なしを観てあらすじを書いています。僕のリスニング力不足のため細かいところが不正確かもしれませんが、何卒ご了承ください。

冒頭は海の上でフィニング(サメの鰭だけ切り落とす行為)をしている二人組漁師から始まります。見るからに頭の悪そうな漁師たちですが、やっぱり色んな意味で頭悪いです。フィニングという資源の無駄遣いをやっている時点でバカですし、やるなら全部の鰭をもっていけばいいものを、一枚だけ切り取って口にくわえ「イェーイ!」と自撮りしている点で、もう救いようがない。「いつ死ぬのかな~」と観ていると、船に体当たりされた振動で海に落ちた二人はサメに手足を食いちぎられます。フィニングの罰ですね。てか、一人漁師が食われている時、もう一人さっさと船に上がれよ(笑)。やっぱりバカです。

漁師を食べたサメたちは、遅れてやってきた施設飼育員トレントの出す謎のシグナルで統率され、5匹仲良く施設に帰っていきます。

トレントはサメが逃げたことについて、電流フェンスに問題があったのではと疑い、技術責任者のアーロンにブチ切れます。システムは完璧だと反論するアーロンですが、二人はフェンスの下、砂になっている部分にトンネルが掘られているのを発見します・・・。

場面は変わって大学の授業へ。サメの保護活動家であるミスティー・カルホーン博士は自身がホホジロザメと泳ぐ映像を流し、サメが人間にとって脅威ではなく、自然環境において重要な存在であるということを説明します。ある意味この映画でもっとも”まともな”シーンかもしれません。

授業後、ミスティーはディラント製薬会社から研究施設への視察・サメについての助言を求められます。

高額な報酬をを提示されたこともあり、ミスティー、神経生物学専攻のダニエルと神経生理学専攻のレスリーは、カールから雇われたクレイグ・バーンズと共に施設を訪れます。前作『ディープ・ブルー』よりも海上の見た目はショボいですが、海の中はしっかりしているみたいです。

前作のガラスをブチ破られた研究室をパクったとした思えないデザインのラボでミスティーたちはフェンス強化作業を終えたトレントと合流します。ミスティーはそこで、この研究所にいるのがミスティーが極めて危険と考えているオオメジロザメ(しかもCGがヘボくて極めて人相(鮫相?)が悪くなってしまった)だと知ります。前作もそうですが、大型のサメで実験するなら何で飼いやすくて危険も少ないレモンザメを使わないのか疑問でなりません。研究はできてもそういうところでは頭が悪いのでしょう。

ミスティーがキレ気味のところにカール本人登場。オオメジロザメを実験動物にすることについて強く警告するミスティーに自信満々で「危険はない」と主張するカールは、みなを海上に連れていきます。

海上に着くなり技術担当のアーロンを海に投げ込むカール。水に引き込まれ弄ばれるアーロンを助けるべく飛び込むミスティー。5匹のサメが二人を襲う直前、トレントの合図でサメたちは泳ぐ向きを変え綺麗に泳ぎ去っていきました。ミスティーはオオメジロザメたちが飼いならされいることに困惑します。

ミスティーの下着姿というサービスショットを挟みつつ、怪しげな薬を飲むカール。「なんだなんだ、サメに変身しちゃうのか?」とか思っていたけどそんなことはなく、クレイグからサメが逃げ出して漁師を殺したであろうと告げられます。カールはうろたえることなく、サメが問題解決能力を身につけサメが賢くなっているのは薬の効果が出ている証拠だと喜びます。こいつやべーよ。

クレイグからの警告に対しカールはサメの鰭に発信器がついていること、実験が終わり次第サメを全て処分することを告げます。

さて、そんなカールはミスティー、ダニエル、レスリーの前で自身の目論見を明かします。カールはサメたちを実験台にして、脳の遺伝子構造を組み替えて知能を向上させる薬を開発しようとしているのです。しかもその理由が、人工知能が急激に発展しているため、やがて機械によって人類が危機に陥るからだとのこと。シュワちゃんもビックリの思考回路です。

そんな実験のために、ベラと名付けられたサメが、前作のパクリとしか思えない方法でラボに登場します。

同じころ、サメに引っ張られたボートが電気系のところに激突し、近くにあった燃料が漏れだします。なんでそんな火花一つで大事故になりかねない物の配置をしていたのか。やっぱりこの施設の人は総じて頭が悪いみたいです。

さて、カールの話を聞いて全然納得できないミスティー。というか、彼の話を聞いて納得できるのはサラ・コナーくらいじゃないですか。カールに「ベラに知能の向上以外に奇妙な行動がみられる」と言われたミスティーは、ベラの妊娠を告げます。そんな話をしているうちに、電気系統に異常が発生し、ベラ以外のサメたちが施設に体当たりを始めます。

不穏な空気が流れる中、麻酔で大人しくなったベラの口にジョッシュという作業員が手を突っ込み、体内組織を採取している途中、ベラが突然目を覚まし暴れだします。これで作業員の腕が食いちぎられたら完全に前作のパクリだなと思っていましたが、さすがにそこまで露骨ではないらしく、作業員は間一髪で逃れ、ベラは泳ぎ去っていきます。

ちょうどその頃、燃料が爆発を起こし、エレベーターが故障。監視カメラも壊され、施設内は浸水、さらに部屋の小窓越しにズタズタにされたクレイグの死体登場。おまけにその犯人はベラが産み落とした子ザメ達と判明。「プギィィィー!」とエイリアンみたいなキモイ声をあげながらピラニアと化した殺人子ザメたちは施設内を泳ぎ回ります。

脱出計画を色々話し合ううちに、一人が潜って海上に出て助けを呼ぼうって話になり、マークとかいうヒゲもじゃおじさんが潜りますが、サメに体当たりを食らい気絶。結局トレントが救出します。さらにミスティーに人工呼吸されて復活という若干羨ましいマークですが、プールに向かって「kiss my ass!」とか言ってたら飛び出したサメに首切られて終わります。B級サメ映画あるあるの食われ方ですが、どうもテンポ悪いですね。

このサメは怪物になってしまったからぶち殺すしかないと激昂するミスティーと人命より研究を大事にしたいマーク。そんな時、気圧が不安定になってプールの水が突然噴き上がり、施設の廊下にバラバラに流れ出されます。

このあと、廊下のそれぞれ子ザメから逃げたり脱出を試みたりするのですが、廊下の色が場所ごとに赤だったり青だったりするので、誰と誰が近くにいるのか分かりやすくなっています。どこか『キューブ』を思い起こさせる感じですね。

ここから登場人物の場面が分かれるので順番に書きます。

<マーク>
悪運強いマークはまた謎の薬を飲みながら一人で歩き回り、ミスティーとトレントに合流。エアシャフトを登り脱出することを提案します。

<ダニエル>
レスリーの名前を叫び探し続けるダニエルは、天井のパイプにしがみついて襲ってきた子ザメ達をやり過ごします。

<アーロン&ジョッシュ>
扉の閉まらない部屋に子ザメ達に追いやられた二人。アーロンは高い棚の上に身を置いて安全を確保しますが、ジョッシュはガラス扉の個室みたいなところに入ってしまいます。部屋の水かさが増して扉の隙間から水と子ザメが流れ込み、ジョッシュは閉じ込められたまま食いちぎられてしまいました。

<ミスティー、マーク、トレント>
エアシャフトを目の前にしたところでダニエルの声を聞いたミスティー。ミスティーが分かれたところでマークが扉を壊し、ミスティーを締め出してしまいます。マークはまだ「人類vs機械の戦争」とか大真面目な顔で言い始める始末。ブチ切れながらもトレントは救助を呼ぶために海上を目指します。

<レスリー>
救命胴衣を着たまま気絶して流されたレスリーは目覚めて歩き回るうちに扉越しにダニエルに再会します。しかし、子ザメに追いかけられ、扉が開かずどうすることもできないダニエルの目の前で食われちゃいます。

<アーロン&ダニエル>
子ザメからなんとか逃げ切ったアーロンはダニエルと合流。絶望したダニエルを励まして通路を進み、扉を焼き切ってエアシャフトに向かうミスティーに会います。ミスティーの指示でエアシャフトを登りますが、子ザメが部屋に侵入。水と共に登ってきます。にしても、バーナーの火でサメを追い払おうとするミスティーってどうなんだ・・・。

必死にエアシャフトを登り海上に出てトレントに助けられるアーロン。慌ててダニエルを引き上げますが、すでに下半身がなくなっていました。これ、アーロンがさっさと梯子を上っていればダニエルは助かった気がするのですが、まあ置いておきましょう。てか、ダニエルの死体をそのままサメに食わすなよ(笑)。

<ミスティー>
ミスティーは研究室プールを通じて直接海上に脱出します。サメに追われながらもなんとか足場にたどり着き、みんなに合流。

さて、沈みゆく足場、電話した沿岸警備隊が送ったであろうドローンもサメに食われ、せっかく海の上に出たのに絶対絶命。遠くに見えるボートに向かって一同一気に泳ぎます。

アーロンが海に引きずり込まれ、さらにサメがマークに突っ込みます。マークは何を血迷ったのか水中に潜り「アァァー!」と咆哮。サメは向きを変えて泳ぎ去ります。「I told you I was the Bera’s master!」とかほざいていると、水中から勢いよく飛び出したサメ(ベラと思われる)にマークは噛みちぎられます。機械と戦争になる前にサメに食われて、ある意味このアホにとってはよかったのかもしれません。

ベラはその後ボートに向かって突進し飛び出してきますが、そこをミスティーとトレント放った照明弾に撃たれ絶命します。「え?そんな簡単にオオメジロザメが死ぬのか?てかラスボスの死に方としてショボすぎないか?」とここは突っ込まずにはいられないのですが、とにかくこれで終わっちゃいました。ちゃっかり生き残っていたアーロンも救い出されます。

さらに、殺人ベイビーシャークが施設内に生き残っている件について、マークが機密漏洩を異常に恐れて施設内に爆弾を仕掛けていたらしく、トレントが施設をふっ飛ばして一見落着。いや、これで本当に解決しちゃいます。3週間後、ビーチに殺人ザメが現れるという「実は生き残ってしまってました」的なB級あるあるのエンディングで幕切れです。

 

【サメの生態に関する評価】
一応前作にあたる『ディープ・ブルー』もそうですが、この手の映画はサメが無茶なことしても「実験で変わってしまった特殊なサメだから」として納得できるので、あんまり突っ込めません。

それを差し引いて物申すのであれば、前回よりだいぶ時間が経ってからの続編なのに、前回よりサメのCGがしょぼいってどうなのよ(今回は予算が低いテレビ映画だからしょうがないんだけど)。サメの人相悪すぎ。オオメジロザメは確かに怖いサメだけどあそこまで顔キモくないから。あと、サメが襲うたびに出る「ゴアァ!」とか「ボコォ!」とかいう声は何なのよ。んでもってもっとひどいのが、子ザメ達が襲い掛かるシーンの「プギィィィー!」って声。しかも子ザメが泳ぐ時に水面が必要以上に波立っているし。まあ、どっちかがないと子ザメが襲ってきたのかどうか絵的に分かりにくいから仕方ないのかもしれないけど、やっぱ見てて痛いよ。

ダメ押しするなら、ベラの口がアップになるシーンでサメの歯が映るんだけど、オオメジロザメの歯は上顎歯が太めの鋸歯で下顎歯は細めの歯のはずが、この映画では両方同じような太さの歯になってた。ただ、このレベルの映画にここまで突っ込むのはもはや可哀想かもしれない。

 

【映画についての評価その他コメント】
サメがアオザメからオオメジロザメへ、3匹の知能が高いサメから1匹+手下のサメ+殺人子ザメ軍団へ、と設定を頑張って変えていますが、はっきり言って続編ではなく前作『ディープ・ブルー』のパクり作品です。真ん中に外海とつながったプールがある研究室の作りとか、その中でサメが暴れて事態が急展開を迎える流れとか、完全に前作から持ってきているだけのものもあります。キャラはだいぶ違いますが、黒人の金持ちが派手に食われることも共通しています。

パクリでも良作ならいいのですが、サメ5匹も出したわりにベラ以外は大した動きをしないので中途半端ですし、結局メインの登場人物を大半殺したのは子ザメ達だし、その割に子ザメは最後にあっけなく施設の爆破で死んだことにされちゃうし、ベラ以外のサメは逃げてもいいものなのかどうか微妙だったし、マークが飲んでた変な薬も本筋とあんま関係ないし、色々未消化な部分が残ります。どうせなら、例えばですけど、子ザメを小部屋に命がけでおびき寄せて感電とかで全滅させ、最後に残ったベラと一騎打ち、みたいな展開にした方が盛り上がると思うのですが、いかがですかね。