ジョーズ2 (JAWS2)

初回作からはグレードダウンはしましたが、今後のジョーズシリーズの堕落ぶりを考えると、本作はかなりましな方ですね(僕は2以降を『JAWS』の仲間とは認めたくはないですが・・・)。

題名:ジョーズ2
原題:JAWS2
公開年:1978年
監督:ヤノット・シュワルツ
主演:ロイ・シャイダー

【かなりぼかしたあらすじ】
前回のサメ襲撃事件から3年後。平和なアミティ島にまたしても不穏な影が迫る。前作『ジョーズ』で沈没してしまったオルカ号の写真撮影を行っていたダイバーが失踪。さらに水上スキーを楽しんでいたボートが突然爆発。何者かに襲われた巨大なシャチが海岸に打ち上げられるなど、不審な事件が発生した。前回サメを倒したマーティン・ブロディ署長は「またサメが現れたのでは」と疑念に思うが、確たる証拠もなく、マーティンの息子マイクも仲間とヨットを楽しんでいた。しかし、ついに巨大なサメはその姿を現し、マイクとショーンにその牙をむく。息子たちを救うため、マーティンは単身再びサメとの対決に挑む・・・。

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【ネタバレを含むあらすじ】
冒頭は二人のダイバーが沈んでいるオルカ号の写真を撮影する場面から始まります。水中の場面なのでセリフはなく、神秘的な音楽な音楽が流れるオープニングから、徐々に音がなくなり、あの有名なテーマに切り替わり、そして黒い影が現れます。ダイバー二人は逃げる隙も無く襲われ、海底に沈んでいくカメラのシャッターが何度か押されていきます(どっちか逃げれたでしょ、という突っ込みは置いておきましょう)。

場面は切り替わりマーティンたちへ。新しく島にオープンする高級ホテルのセレモニーイベントで、マーティンの息子マイクは友達とデートについて談笑、すっかり思春期の青年です。ミス・アミティが現れてスクールバンドまで演奏され、映画を間違えた気分ですが、夜に港で背ビレだけ出して泳ぐサメが「これはサメの映画だよ~」とリマインドしてくれます。

翌日、桟橋で沖から帰ってきたボートから放置された船(冒頭で襲われたダイバーの船)を見つけたと報告を受け、マーティンの助手のヘンドリクスは船で調査に向かいます。彼はそこで例のカメラを引き上げ署に持ち帰ります。

海ではマイクたちを始め若者がみんなヨットとかで遊んでいます(本作は前作に比べてメインの登場人物が多いので、視点が切り替わることが多くて面倒くさいですね)。

サメはマイクたちのもとに立ち寄りつつ(誰も気づかない)、水上スキーをしている女性に目を付け、後ろから追いかけてかぶりつきます。ボートでスキーを引っ張っていた別の女性は、スキーだけ残されているのを不審に思いボートを停止。そこにサメが顔を出してボートに噛みつきます。女性はパニックになったのかただの馬鹿なのか、ポリタンクに入った燃料を頭から被り、サメに向かって照明弾を発射。サメも火傷を負いましたが、女性は全身が焼けてしまい、ボートも爆発してしまいます。

事故現場の調査としてヘンドリクスがボートのウィンチで海に手掛かりがないか探しますが、潮の流れのせいか何も見つかりません。挙句の果てには島に電気を補給するパワーラインを誤って引き上げてしまい、これ以上探しても何もないと諦めて退散します。

ブロディ家では仕事をさせたい&海で起きた不審な事故が心配という思いからボート遊びをなるべくさせたくないマーティンと、遊び盛りで他に島ではやることのないマイクが若干ギクシャク。妻のエレンはその間に挟まります。父親が威張ると大変ですね・・・。分かります。すごく分かります。はい、どうでもいいですね(笑)。

さて、マイクたちが海岸で遊んでいる時、ミス・アミティのティナと彼氏のエドが、大きく肉がえぐられたシャチの死体が打ち上げられているのを発見します。マーティンは専門家と共に現場検証に立ち合い、サメの仕業ではないかと主張しますが、専門家は「これだけでは判断できない」と聞き流します。確かにこの時のマーティンは何の根拠もなくホホジロザメと断定したり、サメがかたき討ちに来る的なとんでもない自説を展開し、挙句にマイクに「海に出るな」と突然まくしたてるなど、興奮しすぎな気がします。まあ、前回サメに食われかけたので無理はないのかもしれませんが・・・。

市長に同じことを訴えるも、「根拠がない」と一蹴されます。

市長と口論したその帰り、浜辺にてマーティンは先の爆発したボートの一部と、黒焦げになった女性の死体が打ち寄せられているのを発見します。ブロディは毒薬を銃弾に詰めたり、例のダイバーのカメラを現像に回したり、かつてサメと戦った同志であるマット・フーパ―に連絡をとろうとする(調査のため大西洋上にいて連絡がとれなかった)など、居ても立っても居られません。マイクに遊ぶことを禁止して、海水浴場でペンキ塗りのバイトを押し付けます。一方の自分は監視塔に登ってサメが来ないかどうか神経質な顔で見張ります。

市長たちがマーティンの監視が観光客に気づかれて目立ってしまわないかと心配している頃、マーティンは監視塔から海水浴場近くに黒い大きな影を発見。「Get out of the water」とサメ映画でほぼ必ず聞く言葉を喚きながら全力疾走し、浜辺から黒い影に向かって発砲。ビーチには悲鳴が響き渡ります。しかし、黒い影は魚の群れと判明。皆にあきれられたマーティンは一人取り残され、次男のショーンだけが残って一緒に空薬きょうを拾うのでした。

意気消沈しているマーティンのもとに写真の現像が終わったという連絡が入ります。マーティンが確認すると、そこにはオルカ号と黒く丸い目が浮かび上がります。ホホジロザメ特有の可愛いお目目です。

一連の事件がサメの仕業だと確信を得たマーティンは市長のもとに乗り込み、お偉いさんたちに説明しますが、部分的しか写っていないこともあり誰も納得せず、マーティンはまた興奮してついには言い争いになります。最終的には誰も聞き入れず、マーティンは警察署長をクビになってしまいます。日本のDVDでは未公開シーンになってしまっていますが、クビにするか採決をとる際、市長だけが静かに反対に挙手をします。前回の事件のこともあり、色々思うことがあったのかもしれません。

その頃マイクたちはヨットで灯台島まで出かけてのんびりするという計画を立てます。マイクも友達から紹介された可愛いジャッキーに誘われ、父親の目を盗んで出かけることを決めます。幸運なことにクビになってやけ酒したマーティンとそれを慰めたエレンは朝になってもベッドでぐっすり。マイクと、ついでにショーンも家を抜け出し、みんなでセーリングに出かけます。

しかし、そんな彼らに迫る背ビレ。ロブスター漁のダイバーを驚かし病院送り(水中でパニックになって急に浮上するとこうなります)にしたあと、ヨットを追って泳ぎだします。

マイクたちが灯台島に向かっている途中、ティナとエドは自分たちのヨットの上でイチャイチャしようと良いムード。乗ってみれば分かりますが多少静かな海の上でも船って結構揺れるので、そのうえでズッコンバッコンするのは結構大変だと思いますが、ようやろうと思ったな(笑)

さて、ホラー映画の鉄則を教えましょう。1、セックスするな。2、薬をやったり悪さをするな、3、「すぐに戻ってくる」とかヒーローっぽく気取るな。これらは全て、いわゆる死亡フラグです。つうことで、イチャイチャモードの二人のヨットにサメが突撃。エドは海に放り出されます。サメに引っ張られて「Help me!」と叫ぶティナですが、どう考えても海にいるエドの方が「Help me」です。案の定サメはエドを咥えて振り回した後海に引きずり込み、きれいにフラグを回収してくれました。

マーティンとエレンは搬送されるダイバーにたまたま港で出くわし、さらにヘンドリクスからマイクたちが沖の灯台島に向かったと聞かされます。マーティンはクビになったにも関わらずヘンドリクスに船の操縦を命令し、妻と共に海に出て、ヨットの上でおびえるティナを発見します。マーティンは通りかかった船に三人を任せ、単身灯台島に向かいます。

しかし、彼らは灯台島を通り過ぎ、ケーブル基地の近くまで来て浮いていました。そんな彼らのもとにサメが出現。「さっきエドを食ったばかりだろ」と言いたくなりますが、そんなことはお構いなし。サメはヨットに体当たりして大パニック。海に残されてプカプカ浮かぶマイクにサメが迫り、大きな口を開きますが間一髪。このシーンは初めて観たとき本当にドキドキしました。それくらいギリギリの救出劇です。

マイクは騒ぎの間に耳の近くを切って出血してしまい、まだ動くヨットに乗って病院に向かいます。別にそれはいいんですが、最年少のショーンも乗せてやれよ(笑)。ジャッキーはマイクが心配なのか、それともぶっちゃけ自分も乗りたかったのかよく分からない表情を浮かべてそれを見送ります。一同はロープを使って各々のヨットをくっつけて助けを待つことに。

待つこと何分だったのか知りませんが、事前にマーティンが連絡していた救助ヘリが到着。ロープにヨットをつないでケーブル基地まで引っ張ろうとしますが、海上に浮かんでいたヘリにサメが噛みつき、海の中に引きずり込みます。水中でサメがヘリを破壊してしまうシーンがあるのですが、これもDVDだと未公開シーンとしてカットされています、おしいですね。なんでだろう・・・。

パイロットを食ったのかどうか描写はないのですが、とにかくサメは暴れ足りず、再びヨットを攻撃。水に落ちたショーンを助けようと自ら飛び込んだ女子をサメが「ぐちゃ」という音と共に食ってしまいます。色んな意味でエグいですね。

ケーブル基地の近くまで来たけどたどりつけない苛立ちとサメに食われるかもしれない恐怖で彼らも限界なのか、ジャッキーは喚き散らし、市長の息子はブチ切れ、仲間割れが始まったかに思われたその時、途中で出会ったマイクたちから場所を聞いたマーティンが現れます。一同感激するのもつかの間、サメがまた顔を出してマーティンのつないだロープを引きちぎり、マーティンの船を座礁させてしまいます。

ヨットが海底に引っかかってしまったため、ウィンチで引っ張ろうとしますが、サメが現れまたもパニックに。何人かはケーブル基地に泳ぎ着きましたが、ジャッキーとショーンという一番頼りない二人がボロボロのヨットに残されてしまいます。

ブロディは二人を救うためゴムボートに乗りこみ、ウィンチが引き上げた海底パワーケーブルをもって身構えます。サメが現れると同時にオールでケーブルをたたきサメをおびき寄せ、正面から突っ込んでくるサメにケーブルを構え「Come on!」と煽るマーティン。大口開けたサメの口にケーブルを投げ込み、サメの口で一気に放電。ただでさえ火傷を負っていたサメの顔は真っ黒焦げになり、サメは海に沈んでいきました。

一同が歓声を上げる中、マーティンはゴムボートでジャッキーとショーンを迎えに行き、めでたし、めでたし。

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【サメの生態に関する評価】
サメは人をめったに襲わない、という実際問題は映画だからこの際に抜きにするにしても、実際今回のサメは人を食いすぎですね。どんだけ腹減ってるんだと突っ込まずにはいられません。ヨットに乗るマイクたちを襲う時点ですでにエドを食っていて、ショーンを助けようとした女子を一人食って、まだ食おうとするんかい、といった感じです。

一応シャチの死体のシーンを補足すると、本来サメはシャチから襲われる側です。意外に思う方もいるかもしれませんが、シャチの方が海のギャングと呼ばれるにふさわしいエゲつないハンターです。詳しいことは分かりかねますが、サメがシャチを襲うのは極めて稀な現象でしょう。同じ場面で、専門家の女性が「What makes you think there might be one in these waters?」と発言していますが、もし水温や海域のことを言っているのだとしたら、ホホジロザメは寄網と呼ばれる特殊な血管構造をもっており、鰓から入ってくる冷たい血液で体が冷えるのを防ぎ体温を高く保つことができるため、アミティ島(アメリカ東海岸近くの島という設定)周辺域くらいの水温であれば平気でホホジロザメは来れるでしょう。

 

【映画についての評価その他コメント】
前作『ジョーズ』よりもトータルでみればサメの顔や割とはっきりとした影が映るシーンは沢山あるのですが、ブロディ家の家庭や若者たちのシーンが多いためか、どうも間延びしてしまった印象があります。最近のB級と比べれば全然マシですが、サメ映画っぽさをたまに出すために「いっちょ出ますか」とサメが登場している感じはありますね。どこかの宣伝文句で「スピルバーグ以外のキャストが再集結」と見た覚えがありますが、寿司に醤油がないくらい致命的だったのかもしれません。

多分、これが映画ではなくて海外ドラマとかだったら、アリだと思うんですよね。僕は海外ドラマも好きで気に入ったドラマは2周するときもあるのですが、話の展開自体はちょっとダレてるけど、登場人物の過去が明らかにされたり微妙な人間関係のギクシャクが見えたりして、次につながっていく感じの回ってあるんですね。この『ジョーズ2』も、サメについて危機感を覚えるマーティンがかつて一緒にサメと戦ったマット・フーパ―に連絡を取ろうとしていたり、(未公開シーンになってしまいましたが)マーティンをクビにする話し合いですごい渋い顔した市長が無言で反対の挙手をしたり、人間模様として今後も続いていくなら面白いと言えるシーンもあります。残念ながら、これ以降の続編は俳優も舞台もガラリと変わってしまい、クオリティもウ〇チなので、単にダレて終わりですね(笑)。

また、今回のマーティンはことあるごとに興奮しすぎて、うるさい親父感が強いです。「うるさい父親⇒反発する息子⇒黙って抜け出す⇒ピンチ⇒父親ピンチ救う」みたいなストーリー構造にしたかったのかもしれませんが、僕の感想ではぶっちゃけ興奮しすぎで、サメが出なかったら「サメが怖くてすぐプンプンしちゃう名物おじさん」みたいになってしまっていたかもしれないなと思います。サメがでてきてよかったね、ブロディ署長。