ジョーズ3 (JAWS3-D)

俳優も舞台も総替えで、続編と呼んでいいのか疑問ですが、一応キャラクター設定では1、2に登場したマイク・ブロディが主人公です。そして、昔過ぎて2Dでしかあんま観ないと思いますが、一応3D映画です。

題名:ジョーズ3
原題:JAWS3-D
公開年:1983年
監督:ジョー・アウヴェス
主演:ジェームス・A・コントナー

【かなりぼかしたあらすじ】
水族館、アトラクション、イルカショー、あらゆるエンターテインメントを揃えた大型娯楽施設、シー・ワールド。アミティ島でサメと戦ったマーティンの息子マイク・ブロディはこの施設で働いていた。ある日、失踪した職員の捜索のため同僚であり恋人でもあるキャスリンと一緒に海に潜ったところ、施設内に潜りこんでしまった小型のホホジロザメと遭遇する。彼らはサメを捕獲して施設のオープンに向けた目玉として利用することを考えたが、施設にははるかに巨大な別のホホジロザメが侵入していた。サメは海中トンネルを攻撃して来場者をパニックに陥れる。マイクは観客を救うため、かつての父のようにサメと戦うことになる・・・。

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【ネタバレを含むあらすじ】
冒頭は浅瀬の海でいきなり魚の頭が食いちぎられる場面からスタートします。物語とは何の関係もないですが、要は魚の頭が3Dで飛び出してくる演出がしたかったのでしょう。スタッフ名の紹介も全部飛び出す系の演出です。

シーワールドはプレオープン前。水上スキーパフォーマンスの練習したり、お出迎えのマナーを学んだりと準備しています。そんな中、外海と施設内のラグーンをつなぐゲートにサメがぶつかり、ゲートがちゃんと閉じなくなってしまいます。サメが原因だと気づかない現場責任者(?)のマイク・ブロディは、部下であるシェルビィ・オーヴァーマンに直すように残業をいいつけます。

部下に仕事を預けて自分はシャチの調教を行う彼女のキャスリンに会いに行きます。二人はプレオープンのために遊びに来たマイクの弟ショーンを迎えに行きますが、先に有名なプロカメラマンであるフィリップ・フィッツロイスが館長のカルヴィンと取材班に迎えられているのを目撃します。のちにショーンと合流し、三人は館内でのんびるすることに。

同じ日の夕方、オーヴァーマンは一人素潜りでゲートがしまるようにチェーンをかけていましたが、後ろから巨大なサメに襲われてしまいます。食いちぎられた腕がまたも3D効果で迫ってきます。音もない中で急に来るのは演出として悪くないですね。

マイク、キャスリン、ショーン、それにショーンがナンパした水上スキーのケリーはバーでビールを飲んで楽しみます。マイク&キャスリンは海岸を散歩し、ショーンとケリーはラグーンでイチャイチャして楽しんでいます。そんな彼らに気づかれることなく、泥棒二人組が施設内のサンゴを盗み出そうとします(ぶっちゃけ普通の海からとればいいじゃんと思いますが、まあそこは置いておきましょう)。

ラグーン内で熱烈にチューするショーンとケリーを冷やかすマイクとキャスリンというマジでどうでもいいシーンの最中、潜っていたサンゴ泥棒1のライトが消え、ボートが突然揺れだしてサンゴ泥棒2が海に落ち、サンゴ泥棒2も海に消え、ゴムボートも空気が突然抜けて水中に沈みます。このサンゴ泥棒たち、このあとのプロットに全く出てきません。一体全体なんだったんだろう(笑)。

翌朝、マイクはカルヴィンから呼び出され仕事に向かい、キャスリンもイルカの調教をしていましたが、オーヴァーマンが失踪したという知らせを聞き、小型潜水艇でラグーン内の捜索に向かいます。オーヴァーマンの上司であるマイクはまだしも、「Senior biologist」とかいう肩書のキャスリンが何故向かうのかはよく分かりませんが、これも置いておきましょう。

潜水艇とかレプリカ骸骨とか岩とか無駄なものが3Dで飛び出してくる中、マイクとキャスリンは潜水艇から出て沈没船の中を捜索しますが、イルカたちが変な声をだしたり首を横に振ったりと様子がおかしくなります。首をかしげる二人の前に、小型のホホジロザメが現れます。沈没船にぶつかるシーンと水面の背ビレは模型ですが、他の映像は本物の映像なので割と緊張感があります。マイクとキャスリンはイルカにつかまってサメから逃げ、なんとか陸にあがります。

マイク、キャスリン、カルヴィン、フィリップ、フィリップの同僚ジャックは対処法について話します。「殺すところを撮影しよう」と言い出すフィリップに対し、キャスリンは捕獲して飼育しようと主張し、マイクは過去の経験から「サメ=殺人鬼」と決めつけて意見が割れますが、最終的にキャスリンの熱のこもった説得により、麻酔で捕獲する作戦に出ます。何故こっちの分が悪くなる夜に作戦実行なのか理解に苦しみますが、とにかくキャスリン、フィリップ、ジャックが海に潜り、マイクは船で待機。フィリップは護身用にグレネードをもっていこうとしますが、マイクたちの激しい反対に合い諦めます。サメ対策にしては過激すぎる装備だし、そもそも何で最初から持ってるんだろう。テロリストかよ。

船の上からライトをつけて多少視界がマシになった水中で3人は待ちかまえます。サメが浮かび上がるようにブイをつなげたダーツをサメに打ち込み、その後にキャスリンが麻酔を打ち込む作戦なのですが、作戦の説明が少なすぎて聞き流していると何してるんだか分からなくなります。とにかく作戦は成功し、サメは情けない姿でプールに運ばれていきます。小型とはいえホホジロザメを飼育するにはあまりにも浅くて狭いプールです。こいつら舐めてるんでしょうか。しかし、そんなプールでもとりあえず元気になったらしく、麻酔が切れた後泳ぎだしていきます。

そんなこんなでシー・ワールドはプレオープンを迎えます。観客も入り盛況なことに気を大きくしたのか、カルヴィンはキャスリンの許可なくホホジロザメをすぐに展示するように命じます。展示動物を大切な命と扱うのか貴重な資源とみるのか価値観の分かれるところですが、カルヴィンの雑なサメの扱いはどっちの意味でもただの馬鹿ですね。恐らく髪の毛と一緒に脳みそもどっかいったんでしょう。

キャスリンが告知を聞きつけ慌てて駆け付けたときには時すでに遅し、空気を流し込むホース設備のない狭いプールで泳ぐホホジロちゃんは腹を見せるように浮かんでしまい、危険を顧みず飛び込んだキャスリンの努力も虚しく死んでしまいました。僕がキャスリンだったらカルヴィンを生きたまますりつぶしてます。

さて、悲しみに暮れる暇もなくさらに事件が。サメに食いちぎられ無残な姿になったオーヴァーマンがおさかな鑑賞を楽しむ来場客によって発見されます。マイクとキャスリンは死体を確認後すぐにカルヴィンに報告に向かいます。

そのころカルヴィンはフィリップとジャックと一緒にサメを観ながらお酒を楽しめるレストランにて談笑中。ラグーン内の巨大濾過パイプの1つが調子が悪いとの電話を受けたカルヴィンは、現場責任者のマイクに連絡をとろうとせず、自己判断で調子の悪い1番ポンプを止めて2番に切り替えるよう命じます。

マイクとキャスリンはカルヴィンたちのもとにつくとすぐにオーヴァーマンの死体の件を報告。噛み跡の直径が1ヤード(≒1m)あったことから、全長10mクラスのバカでかいサメが先のサメとは別にラグーンに侵入したと訴えるキャスリン。それはいいんだけど、何で先のホホジロちゃんの「母親」って断定したんだろう。鯨じゃないんだから、子連れでこないでしょ(笑)。

そんな会話中に、水槽の向こうにバカでかいサメが登場。カルヴィンがポンプを止めたため、暴れて出てきたようです。マイクたちは水上スキーショーのパフォーマーたちに警告しに急ぎます。

水上スキーヤー達は無事に保護されましたが、水上アトラクションで遊んでいたショーンとケリーが襲われ、ケリーが怪我を負ってしまいます。子供の頃にあれだけの経験をしたのに、サメを前にしてケリーを助けようと頑張るショーンはイケメンですね。

水中トンネルではカルヴィンのアナウンスにより来場客が出口に向かいますが、辿り着く前にサメがトンネルに突撃。浸水したためにトンネルの気圧が不安定になって扉が閉じてしまい、客が閉じ込められてしまいます。

フィリップとジャックは、サメが元々隠れていたと思われる巨大濾過パイプの中にサメを誘い出して閉じ込めてしまい、その間にマイクがトンネルの修理を行うという作戦を思いつきます。

フィリップとジャックは魚の血を巻きながら金属音をたててサメをおびき出します。さっきまでボートを追いかけていたとは思えないほどノロノロした動きで登場したサメは、フィリップに誘われるままパイプに入り、ジャックが後ろから扉を閉めます。フィリップはカメラを構えながら先頭の梯子から地上に上がろうとしますが、命綱がはずれてしまい、水流に流されるままサメの口に入り、生きたままグチャグチャにされてしまいます。

何はともあれサメは閉じ込めたのでマイクは修理に向かい、心配なキャスリンもマイクの背後を見張るため潜ります。一方、カルヴィンはまた勝手な判断でパイプを停止してサメを溺れさせようとします。そのせいでサメは暴れだし、せっかく閉めた扉を壊して外に出てしまいます。

作業をするマイクの背後からまたしてもノロノロ迫る巨大なサメ。でかいですがひたすらノロいです。マイクはキャスリンのおかげでサメに気づき、サメを攪乱しようと頑張ってくれたイルカたちのおかげでコントロールルームにつながるハッチまで逃げることができました。

マイクの修理のおかげでトンネルの気圧が安定し、客たちは解放されます。ほっとするのもつかの間、コントロールルームのガラスに迫る巨大な影。サメが一切鰭(ヒレ)を動かさない謎の動きで迫り、ガラスに激闘。コントロールルーム内に顔を突っ込み、スタッフをかみ殺して暴れます。

幸いダイビング機材を身につけたままのマイクとキャスリンはでかすぎて入ってこれないサメから間合いをとります。サメの口の中にグレネードを握ったフィリップの腕を発見したマイクたちは、キャスリンがサメの気を引く間にマイクが金具をサメの口の中に突っ込みグレネードのピンを抜くことに。ピンが上手く抜けたあと素早くサメの後ろから脱出し、サメは木っ端みじんに吹き飛びます。

水面に上がったマイクとキャスリンは、二人を救ったイルカ、シンディとサンディが無事を示すように飛び上がるのを見て感動し、物語は幕を閉じます。

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【サメの生態に関する評価】
今回のサメの模型は水中で動かそうと頑張った結果なのか知りませんが、でかすぎる割にとにかくノロマで、後半部分の方がメインのはずなのに前半の子供のサメの方が迫力があるという非常に情けない結果になっています。その子供のサメですが、ホホジロザメの飼育は非常に難しく、これまで長期飼育に成功した例はありません。カルヴィンの対応は雑すぎますが、いずれにしろサメが長生きしたのかは確かに疑問です。

今回はサメっていうよりキャスリンが専門家として振りまく知識の方が気になりました。まず、子供のホホジロザメに襲われた後カルヴィンたちと話す際、「餌の獲り方でホホジロザメと分かる」とか言っていますが、ぶっちゃけホホジロっぽい餌の襲い方とはっきりわかる捕食行動は映像内には見られませんでした(まあ、本物のホホジロザメの映像が入っているので、ホホジロザメであることは明白なのですが)。また、歯の揃い方に言及して最初のサメを赤ん坊と断定していますが、そもそも子供のホホジロザメは獲る餌が成体と違うので歯の形も異なっており、そこで分かるはずです。さらに、先ほども我慢できずにつっこみましたが、何で「母親」と断定できるのか。クラスパー(サメのおちんちん)の有無を確認してないじゃん。そして、確かに魚には生まれたばかりの子供を保護する種類がいますが、少なくともホホジロザメでは確認されておらず、また生まれた時点ですでに体調1m以上のハンターである子供に母親が付き添う必要性もないでしょう。

あと、捕獲したホホジロちゃんを呼吸補助のホース付きプールで泳がす際、一瞬本物のサメが映りますが、尾びれの形がどう考えてもメジロザメかテンジクザメです。まあ、本物のホホジロザメを用意したら大変なんでそこは仕方ないんですが、それまでのシーンを本物のサメの映像と模型で頑張っていたんだから、そこも模型でよかったのではと思いました。

フィリップを食う時に噛まずに口にはいったために悲惨なことになったのは分かりますが、そのあと飲み込まずにずっと口の中に放置していた件や、コントロールルームのガラスに突っ込んでくる際のサメが鰭を全く動かさないお風呂のおもちゃみたいになっていることは、もはや馬鹿らしくて突っ込む気にもなりません。初代『ジョーズ』の模型ですら、オルカ号の横を泳ぎ去るシーンでは尾びれを動かしてましたからね。もはやネタなのですが、一応『ジョーズ』の続編なのでネタ感がなく、逆に痛々しいです。

 

【映画としての評価その他コメント】
だいぶディスったので止めようか迷いますが、この際どんどん行っちゃいます。

テレビ映画では特に多いですが、サメがあんまり登場しなかったりして物語が間延びしてグダり、それを埋め合わせるようにサメが人を食うシーンが挿入されることがB級映画ではよくあります。食われた人の死体がのちに発見されて騒ぎになってオオカミ少年呼ばわりされていた主人公の主張が認められるとか、食われた人の携帯がGPS機能付きでサメを追跡できるようになるとか、何かの伏線があればいいんですが、そんな芸の細かいことはなく、ただただ物語は進行していきます。この『ジョーズ3』も、サンゴ泥棒のシーンが全く本編に関係なく、そのシーンではサメの影も形も見えないため、一体何の意味があったのかわかりません。そういうシーンがあってもいいけど、『ジョーズ』の桟橋のシーンみたいにハラハラドキドキにして欲しかったです。

「大型娯楽施設にサメが登場し、捕獲して飼育しようとする」、「巨大なサメが現れて来場客がピンチに陥る」と、プロットの聞こえは面白そうですが、色々残念な部分が多くてしっくりこない作品と言わざるを得ません。物語の途中でマイクのベネゼエラ行きが決まりキャスリンとの関係をどうするのか話すシーンが2回くらい挿入されますが、これも何の意味があるのかよく分かりません。いい感じの二人が離れ離れになる未来を知って逆に盛り上がって付き合ったりプロポーズしたり、なんてことがあればまだ終わり方としてしっくりきますが、マイクとキャスリンは1年半くらい付き合っており、物語もイルカがジャンプするシーンで終わってプロポーズとかもなく、シーンを挿入する意味があったのか謎です。ちなみに、これは本作『ジョーズ3』の責任でも何でもないですが、次回作の『ジョーズ’87 復讐篇』ではマイクは芸術家の女性と結婚して子供もおり、ベネゼエラまで付いていくと言っていたキャスリンの愛ははかなく終わってしまったようです。ドンマイです。