オープン・ウォーター (Open Water)

実際にあった事故をもとに製作された映画です。いわゆる低予算映画ですが、実話だけあってリアリティはありますね。

題名:オープン・ウォーター
原題:Open Water
公開年:2004年
監督:クリス・ケンティス
主演:ブランチャード・ライアン、ダニエル・トラビス

【かなりぼかしたあらすじ】
忙しい毎日に追われるダニエルと恋人のスーザンは、南国へのバカンスへ出かけた。現地のグループダイビングに参加して海を満喫していたが、手違いで彼らの帰りを待たずにボートが出発してしまう。途方に暮れるダニエルとスーザンの周りに、徐々にサメの群れが集まってきていた・・・・。
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【ネタバレを含むあらすじ】
ダニエルとスーザンが休暇に出かけるシーンから物語はスタートします。出発の直前まで仕事関係の電話に追われるスーザンに若干ウンザリ気味のダニエル。何はともあれ二人はホテルに到着。街を散策してココナッツジュースを飲んだり写真を撮ったりして観光を楽しみます。

そしてさっそくのベッドシーン。乳丸出しのくせに「気分じゃないの」とかいってエッチを断るスーザン。二人の関係が若干ギクシャクしていることがなんとなく伺えます。

翌日は現地のガイドであるデイヴィスのダイビングツアーに参加。ガイドに参加者がついていく方式ではなく、それぞれがバディを組んで集合時間までに戻ってくるという上級者向けっぽいツアーのようです。

各自準備をする中デイヴィスが全員の人数を数えます。誰も置いてけぼりにならないように最低限のことはしてくれていたようです。とはいっても、みんなが揃って座ってる時ではなく動いている時に数えるという非効率的なやり方ですが・・・。

悲劇はここから始まります。マスクを忘れたおっさんダイバーが潜れずに船の上で待ちぼうけをくらうことになったのです。ショップとして予備のマスクくらい持っていて欲しいですが、デイヴィスの説明の途中で騒ぎ出すあたり、おっさんもウザいですね。さらに一同が潜った後、耳貫ができない女性ダイバーが一人バディと共に海から早めに上がってきます。おっさんは待ってましたとばかりに女性のマスクを借り、女性のバディだった男性と一緒に海に潜ります。

ショップ側は船に上がった人数を数えて人数確認をしていました。ダイバーは全部で20人ですが、おっさんが潜れなかったのですでに1人カウントしており、女性ダイバーとバディの男性をカウントし合計3人。しかし、マスクのおっさんとバディの男性が船に上がった時、カウントする必要がないのに余計にカウントしてしまいます。これによって、二人分余計にカウントが増えてしまいました。

そんな事態を知る由もなく、ダニエルとスーザンはウツボやバラクーダを鑑賞して水中散歩を楽しみます。その間に、全員そろったと思い船は出発してしまいます。ちょっと待て、二人の隣に座っていた人が気付いてあげてよ。てか、船に上がった数だけでなくて最終の人数確認もしろよ、と突っ込みたくなりますが、そうする思考回路がショップ側になかったからこそ今回の事故が起こったと言えるでしょう。

ダニエルとスーザンが水面に上がったころには船ははるか遠くに走り去っていました。手を振ったりするもすでに遅く、誰も気づきません。「泳ごう」と言うスーザンですが、方向が分からないし、遠すぎるから助けを待とうとダニエルは言います。

しかし、真下にあったリーフも見えなくなり、彼らはどんどん流されていきます。ボートが見える度に手を振って助けを求めますが、皆過ぎ去っていきます。体温も徐々に奪われていく彼らの前に、三角形の背ビレがちらつき始めます。下を見ると、まあまあの大きさのメジロザメが泳ぎ去っていくのが見えました。ダニエルはダイビングキットのナイフを手にもって身構えます。

言葉遊びで気を紛らわすも飢えを感じ始めたころ、二人は刺されたような強い痛みに襲われます。二人はその正体がクラゲとは気づかずに、とにかくその場を泳ぎ去ります。不安から取り乱し始めるスーザンをダニエルが慰めます。

雑談をしたりダイビング用のウェイトを棄てたりして浮かぶ二人。疲れ切っていつの間にか寝てしまっており、スーザンが目覚めるとダニエルの姿がありません。目覚めた二人は大声を出してお互いを呼びあい、なんとか合流します。安心する二人でしたが、彼らの周りには徐々にサメが集まりつつありました。しぶきと共に大きなサメが通り過ぎ、あたりをうろつき始めます。様子を窺うため水中を覗くダニエルの目の前にイタチザメが現れ、一気に緊張感が高まります。

その場はやり過ごした彼らでしたが、我慢の限界を迎えたのか、ダニエルが突然「Un- fucking- believable!!!」とか叫んで不満を喚き散らします。誰もそんなこと言っていないのに、「これは俺のせいか?」とかスーザンに当たりだします。スーザンは集合時間に遅れたせいだとか、みんなから離れたのが悪いとか、取り残されたときに泳ぐべきだったとか色々言い出し、ダニエルはそもそもスーザンの仕事が悪いとか言い出し、もう無茶苦茶です。

言い争いにも疲れ、夕日も沈んでまいりました。スーザンはダイブバッグに飴玉が入っていることを思い出し、ダニエルと分け合います。しかし、すぐ近くをサメが激しく泳ぎだし、ダニエルはナイフを落としてしまいます。警戒する二人でしたが、ついにダニエルが足をサメに噛まれてしまいます。痛みで取り乱すダニエルに対し、スーザンは出血を抑えるために彼の足にベルトを巻き付けて慰めます。

夜を迎え、遠くで雷が鳴り響きます。サメたちは二人に休息を与えず、死の恐怖におびえる彼らの周りを泳ぎ、またしてもダニエルに噛みつきます。

翌朝、ダイブショップのデイヴィスは船の準備を整える際、見慣れない荷物に気付きます。荷物の中のダイブカードを見て過ちに気付いたデイヴィスは、慌てて二人のことを届け出ます。

しかし、時すでに遅く、朝日が昇るころにはダニエルは息絶えていました。悲しむスーザンは、ダニエルからダイブギアを外し死体を海に流します(何でだろう)。

やがて再びサメが現れ、ダニエルの死体を“つまみ”出します。スーザンの下には、すごい数のメジロザメが集まっていました。スーザンは死を覚悟し、サメに食われる前に自らダイビングギアを棄てて海に沈んでいきました・・・。

エンドクレジットが流れる中、漁師がアオザメを捕まえてきます。ヒレを切られ、腹を裂かれるサメちゃんの腹からは、食いちぎられた魚と一緒に、ダニエルが最初にサメに噛まれたときに落としたカメラが見つかりました。ちゃんちゃん。

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【サメの生態に関する評価】
今回の映画はサメの実話に基づくというだけあって、迫力や演出よりもリアリティにこだわっているようです。リアル性についてはほぼ満点ですね。サメは全て本物の映像で、実際にサメと一緒に海に入って撮影したそうです。もちろん映像に映っていたサメたちは一緒にダイビングしている中でいきなり襲ってくるサメではないですが、弱った状態で海に浮かんでいたら・・・。確かにぞっとしますね。

 

 

【映画についての評価その他コメント】
ちょっとした手違いが原因で海に取り残される恐怖、そこでサメに徐々に襲われる恐怖。「もし万が一自分に起きたら」と想像すると恐ろしくなる作品です。サメ視点がなくダニエルとスーザンの視点でしか僕たちもほとんど映像が観れないという演出が、余計に臨場感を駆り立てます。そういう意味では高評価したいのですが、リアリティを求めすぎたせいで迫力やテンポの良さに欠け、人によっては非常に退屈すると思います。実際にカップルが行方不明になった話なので仕方がないですが、終わり方も一切救いがなく(その上地味で)、もうちょっと脚色を入れても良かったのかなというのが正直な感想です。