ケージ・ダイブ (Open Water3 Cage Dive)

続編でも何でもないですが、いわゆる「オープン・ウォーター系」です。サメの怖さより人間の怖さが印象的なのが『シャーク・ナイト』だとしたら、サメの怖さよりも人間のアホさが印象的な映画です。

題名:ケージ・ダイブ
原題:Open Water3 Cage Dive
公開年:2017年
監督:ジェラルド・ラシオナト
主演:ジョエル・ホーガン、ミーガン・ペタ・ヒル、

 

【かなりぼかしたあらすじ】
オーストラリアでダイビングを楽しむ男性が水中でボロボロになったカメラを見つける。内蔵されたSDカードに記録されていたのは、カリフォルニアから来た3人の若者が動画企画に応募するために撮影したケージダイブの様子だった。檻から安全にサメを観察するツアーのはずが、突如巨大津波が押し寄せ船は沈没。彼らは檻無しでホホジロザメ密集地帯に投げ出されてしまう・・・。

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【ネタバレをふくむあらすじ】
冒頭はダイバーがボロボロの水中カメラを発見するシーンとシャーク・ケージダイブ(檻の中からサメを観察するダイビング)のボートが巨大な津波に見舞われたというニュースから始まります。要はモキュメンタリー(ドキュメンタリーっぽく作ったフィクション)みたいな感じです。そして、主人公であるカリフォルニアからの若者3人が行方不明であるとニュースでは告げられます。

ボロボロになったカメラのSDカードの映像でいよいよ本編スタート。ムキムキのジェフリー、兄弟のジョッシュ、ジェフリーの恋人のメイガンたち3人は、度胸のあるチャレンジ動画で賞金を競うネットの企画に応募すべく、オーストラリアでケージダイブをすることに。

ケージダイブの動画をYoutubeで予習して、遊園地で楽しんだり、ジェフリーが持病をもっているというフラグを立て、従弟が待つオーストラリアに向かいます。オーストラリアではまずヨット遊びをしてクジラを見たりして楽しみます。微笑ましい光景ですが、この企画の途中でプロポーズするつもりのジェフリーをよそに、ジョッシュとメイガンが実は浮気をしているという安物のAV並みにひどい設定以外は本筋にほぼ関係ありません。にしても、映像を見直している時に自分が浮気している場面に続く瞬間だと気づいてうまく誤魔化すジョッシュの察しの良さはすごいですね。浮気をしたい世の男性陣は見習うべきかもしれないです。

さて、色んな意味でお待ちかねのケージダイブです。「何が起きても自己責任です」的なお決まりな書類に記載して、いよいよ檻の中へ。撒き餌のおかげでホホジロザメが集まってきました。「We gonna need a bigger boat」の名台詞も忘れません。

順番にダイバーたちが檻に入ってシャーク・ウォッチングを楽しみ、いよいよジェフリーたちの番です。水中では美しいホホジロザメが複数泳ぎ回っています。

ケージの中でサメを撮影したりハイタッチしたりして楽しむ彼らでしたが、突然檻が揺れだし、様子を窺うため水面に顔を出すと、一瞬見えた船の背後に巨大な津波。すごい衝撃と共に彼らは放り出され、次の瞬間にはボートが沈んでいきます。

ジェフリー達は檻から出ることができましたが、周りはサメだらけ。他にも生存者がいましたが目の前で次々食われていきます。

さて、食われずに済んだジェフリー達ですが、あとはオープン・ウォーター系あるあるで、ボートが来る→「HELP!!」と叫ぶ→気づかれない→泳ごうと言う奴と無駄だと言う奴で意見が割れる→何かが足に触れる度に大騒ぎ。ライフジャケットを見つけて一安心する彼らですが、メイガンがことあるごとにやかましく騒ぎ立てます。

何もできないまま夕方を迎え、空はどんどん暗くなっていきます。夜になるとカメラはナイトモードに。メイガンはカメラを止めろとかいちいち騒ぐ始末。そんな彼らに最強のお助けツールが!救命ボート!食料はあるし、寒さはしのげるし、上空からは発見されやすいし、まさに無敵のアイテム。まあ、冒頭の流れから全員死ぬことは知っていたので、サメにガブっとやられるのかなと思っていましたが、それよりもひどい展開でした・・・。

せっかく休める場所を見つけたのだからさっさと寝て明日を待てばいいのに照明弾を一発無駄にする三人。ようやく寝たかと思えば、流れている生存者を発見してボートに乗せます。そこまではOKです。問題はバカのメイガン。意識を失って冷たくなった生存者を見たメイガンは「We gonna do something!」とか騒ぎ始め、もみ合ううちにボートの屋根の下で照明弾を発射。ボートは炎上し、あろうことか何も知らない生存者は生きたまま火あぶりに。いやぁ、映画でバカはいっぱい見てきましたが、これはベスト10に入りますね。

ボートをバカなミスで失った彼らは「カメラを止めろ」とか「お前のせいだとか」喚き散らし、ジョッシュが口を滑らせたのをきっかけにジョッシュとメイガンの浮気が発覚。ジェフリーがブチ切れて騒ぐ中、メイガンが水中に引きずり込まれ、噛み砕かれたマスクだけが浮かんできました。ビッチ死亡。

残されたジェフリーは朝になってもグチグチ言っており、ライフベストにつかまるジョッシュを撮影しながら「自分のライフベストを見つけろくそ野郎」、「お前のくそったれぶりをネットにあげてやる」とかバカなことを言いながらジョッシュと喧嘩を始めます。つかみ合いになったその時、持病の発作を起こしたジェフリーはそのまま気を失って他界。アホか。

一人残されたジョッシュはカメラに自分の遺言を泣きながら残しますが、上空に飛行機を見つけるなり助けを求めます。ほったらかしになり水中に向けられたカメラが最後に捉えたのは、海底から突っ込んでくるサメの口の中と、引き裂かれていくジョッシュの姿でした。

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【サメの生態に関する評価】
サメそのものについては上出来だと思います。ケージ・ダイブのシーンでは本物のサメを使い、人が食われるシーンはCGを使って、最後のジョッシュが食われるシーンはまさに海底から奇襲をしかけるホホジロザメそのものです。ただ、この映画はサメが映る場面が少ないので、強いて言えばそれが残念な点ですね。

 

 

【映画についての評価その他コメント】
こういう閉じ込めらる系orとか取り残される系その他ホラー系ではよくあることですが、今回は主人公たちがアホすぎてよく言えば心を痛めずに観れる、悪く言えば全然緊張感のない映画と言えるでしょう。突然津波がやってくる設定も若干無茶な気がしますがそれは置いておくとして、メイガンがバカすぎてフォローする気にもなりません。

さらに言えば、はっきり言って前半の大部分が無駄です。病気のフラグと浮気のフラグを仕込むだけならあそこまでいらないでしょ。他の参加者と合流したけど一人ずつ食われていくとか、緊張感のある場面で時間埋めることもできただろうに・・・。そうかと言って後半の展開は速いので、ポジティブに考えると最後をグダらないように頑張っている、ネガティブに捉えると『オープン・ウォーター』のようなじわじわ感がなくて恐怖に欠ける映画です。まあ、僕はホホジロザメがガブって勢いよく来る映画の方が割と好みなので別にいいですが・・・。