ツマグロ (Carcharhinus melanopterus)

和名:ツマグロ
学名:Carcharhinus melanopterus
英名:Blacktip reef shark
分類:メジロザメ目メジロザメ科メジロザメ属
CITES:記載なし
生殖方法:母体依存型胎生・胎盤タイプ
飼育難易度:★★☆☆☆☆(頑張れば一般家庭で飼育可 )
見れる場所(野生):中央・西部大西洋、インド洋の熱帯・亜熱帯地域、東部地中海。日本では2017年、公式に最南端での生息が認められた。
見れる場所(飼育):アクアワールド大洗水族館、アクアパーク品川、サンシャイン水族館、葛西臨海水族園、海遊館など多数

 

【特徴】
メジロザメの見分けは大変でサメ好きの悩みの種ですが、このツマグロを見間違うことはあまりないでしょう。体の背面は灰色、腹面は白という淡白な色使いに、鰭の先端や縁が黒いというオシャレな出で立ち。鰭の黒い模様は獲物や敵の目に輪郭がぼやけて映る効果があると言われています。成熟した際の全長はだいたい1m程度で最大でも2mほど。小型のサメと言えるでしょう。背鰭や他の鰭先が黒くなっているサメは他にもいますが、ツマグロほどはっきり背鰭が黒くなっているサメはあまりいないようです。

 

 

【生態・行動など】
珊瑚礁周辺を住処としていて、シュノーケルでも楽々遊べるような浅瀬でも見ることができます。特にツマグロの子供は人間の膝までの深さ、あるいはそれより浅いような場所に平気で泳いでいます。人を好んで襲うような危険なサメではないですが、ツマグロは好奇心旺盛と言われているので、注意しないと浅瀬で噛まれることがあるかもしれません。普段は魚やイカ、タコなどを捕食しています。

水族館の給餌の時間、元気よくイカの切れ端を食べようとするツマグロです。

日本での生息は公式には確認されておらず、古い図鑑では「いると言われている」とか「これまで報告がない」とか記載されてきましたが、2017年の日本板鰓類研究会の会報によれば、西表島で生息が確認されたとのこと。もっとも、一部のサメ好きからは「昔からいたよ」との声もありますが(笑)。

母体依存型胎生のツマグロは、最初は母親のお腹の中で卵黄で成長します。やがて卵黄を包んでいた袋が変化した胎盤から、へその緒を通じて栄養をもらいさらに大きくなります。これはツマグロに限ったことではないのですが、小さい子供であればへその緒の跡を見ることができます。

ツマグロの子供です。胸(?)部分にへその緒の跡があります。

 

【人間との関り】
かなり浅瀬に住んでいることもあり環境の変化に強いのか、ツマグロは比較的飼育しやすいサメで、多くの水族館で見かけます。ネコザメやイヌザメとは違い常に泳ぎ回るサメですが、大きい水槽が用意できれば自宅で飼育することも可能です。事実、神戸市にあるバーでは水槽でツマグロを飼育しています。

 

【チャームポイント】
ツマグロは鰭先が黒いというオシャレな模様が魅力的なサメです。また、水族館で多く見かけるサメのため、水族館ごとに表情があって、同じサメでも個性があるのだと気づかせてくれます。参考までに並べてみます。

例の事故で亡くなってしまった、サンシャイン国際水族館の大水槽にいたツマグロです。

 

同じくサンシャイン国際水族館、大水槽の向かいにある水槽のツマグロたちです。小さくて可愛いのですが、若干みんな目つきが悪い・・・。

 

アクアパーク品川のツマグロです。結構立派な風貌で、堂々としています。

 

アクアワールド大洗水族館のツマグロです。シャープな体型で目の上の出っ張りもほどよく抑えめで、結構イケメンだと思います。

 

【トリビア】
『自由なサメと人間たちの夢』という本の中で、サメに憧れたキャバ嬢がツマグロを飼おうとするシーンがあります。

【参考文献】
Leonard Compagno, Marc Dando, and Sarah Fowler 『Sharks of the World』2005年  p290, 291
田中彰 『美しき捕食者 サメ図鑑』p59
仲谷一宏 『サメ ー海の王者たちー 改訂版』2016年 p150
板鰓類研究会報 第53号

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【ギャラリー】
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