ヤジブカ (Carcharhinus plumbeus)

和名:ヤジブカ
学名:Carcharhinus plumbeus
英名:Sandber shark
分類:メジロザメ目メジロザメ科メジロザメ属
CITES:記載なし
生殖方法:母体依存型胎生・胎盤タイプ
飼育難易度:★★★☆☆☆(水族館などで飼育可 )
見れる場所(野生):世界の熱帯・亜熱帯地域に広く分布、日本では南日本以南
見れる場所(飼育):京急油壺マリンパーク、横浜・八景島シーパラダイス、美ら海水族館など多数

 

【特徴】
サメの一般的なイメージに合致するサメと言えばメジロザメの仲間ですが、ヤジブカはその代表とされるサメで、ただ単に「メジロザメ」と呼ばれることもあります。

メジロザメは個人的に言うとこの図鑑ページでは魔の領域です。理由は見分けが恐ろしく難しいから。ドタブカ、カマストガリザメ、クロトガリザメ、ハナザメ、クロヘリメジロザメ、ガラパゴスザメ・・・。メジロザメの種類は豊富ですが、いつも種の判断に区別します。うっかり使った写真素材が違うメジロザメでした、などシャレになりません。

ところが、このヤジブカは幸いにしてその中でもまだ見分けやすい方です。見分けやすい特徴としては、第一背鰭が大きいことが挙げられます。さらに細かく言えば、背鰭の始まりと胸鰭の始まりがほぼ等しい位置にあるのがヤジブカの特徴です。大きさは全長180~200cmほどで、最大で3mほどになります。

背鰭の始まりと胸鰭の始まりがほぼ等しい位置にあるのがヤジブカの特徴。後ろに映っているレモンザメと比べると違いは明らかです。

 

【生態・行動など】
幼魚の時代は浅瀬に生息し、成長すると沿岸から外洋域で暮らします。水深3m足らずの浅い場所から、水深300mほどの深みにも現れるそうです。繁殖の時期以外は性別の分かれた群れで生活し、季節によって移動します。例えば、北アメリカの事例では、夏に交尾をしたヤジブカは秋・冬はフロリダまで泳ぎ、春になるとまたニューヨークの方まで北上します。

食性は幅広く、普通の魚、小さなサメ、甲殻類、頭足類など、割となんでも食べてしまうようです。ですが、人間に積極的に危害を加えるようなサメではありません。

生殖方法は母体依存型胎生の胎盤型、つまり子宮の中で卵黄嚢が変化した胎盤を使い、へその緒を通じて胎児に栄養を与え育てます。ヤジブカの「鱶(フカ)」は魚に養うと書きますから、この生殖方法がぴったりの名前かもしれません。妊娠期間は短くて8か月、長くて1年ほどで、一度出産した雌は二年後まで妊娠しません。子供の数は6~10匹で、成熟までの期間ははっきりしませんが、かなり時間がかかると言われています。

 

【人間との関り】
ヤジブカは肝油、肉、そしてもちろんフカヒレ目当てで、北大西洋などの地域で多く漁獲されています。

また、ヤジブカは飼育下でも長生きするため、多くの水族館で飼育されています。ちなみに、美ら海水族館では「危険ザメの水槽」であの悪名高いオオメジロザメたちと共存していました。はっきりしたことは分かりませんが、他のサメと仲良くする性格みたいのがあるのかもしれません(美ら海水族館の職員さんは「相性」と言っていました)。

【チャームポイント】
ヤジブカの魅力は、見分け方としても特徴的な大きな第一背鰭でしょう。最初観た時は正直「なんか不格好だな」と思ったりしたのですが、だんだん見ていくうちに、目の可愛さと鼻の何とも言えない尖り方、背鰭が高いせいでちょっとがっしりして見える体型が愛おしくなってきました。

京急油壺マリンパークのヤジブカです。元気に泳ぐのでまともな写真が撮れません(笑)。

【その他紹介】

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【参考文献】
Leonard Compagno, Marc Dando, and Sarah Fowler 『Sharks of the World』2005年 p304
Jose I. Castro 『The Sharks of North America』 2011年 p455~458
田中彰 『美しき捕食者 サメ図鑑』2016年 p47

【ギャラリー】
ギャラリー内の写真についてのお問い合わせは以下までお願いします。
shark.sociology.ricky@gmail.com

 

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