アオザメ (Isurus oxyrinchus)


和名:アオザメ
学名:Isurus oxyrinchus
英名:Shortfin mako (shark)
分類:ネズミザメ目ネズミザメ科アオザメ属
CITES:記載なし
生殖方法:母体依存型胎生・食卵タイプ
飼育難易度:★★★★★★(長期飼育実績なし)
見れる場所(野生):世界中の熱帯から温帯地域、地中海に生息
見れる場所(飼育):なし

【特徴】
サメ界のイケメン、サメ界のスピードスターなどの愛称で親しまれるサメです。筋肉質な体つきと尖った吻先、鋭く尖った歯は、まさに「怖いけどカッコいいサメ」というイメージ通りのものがあります。第一背鰭が大きく、それより遥かに小さい第二背鰭は後ろの方で臀鰭と対在しています。下葉が発達した尾鰭は三日月形をしていて、側面にははっきりとキール(隆起線)があります。全長は2~3mほどで、最大で5m近くまでなると言われています。背中はメタリックな青色で、その美しさはヨシキリザメに並ぶものがあります。

本種アオザメ(Isurus oxyrinchus)はネズミザメ、ホホジロザメと体系や顔つきが似ていますが、歯の形状や顔つきなどで比較的簡単に見分けることができます。しかし、アオザメ属には Isurus oxyrinchus のほかにバケアオザメ(Isurus paucus)というかなり似ているサメもいます。この2種は胸鰭の長さが異なり、英語ではアオザメはShortfin mako、バケアオザメはLongfin makoと呼ばれます。より細かく言えば、アオザメは胸鰭の長さが全長の16~17%、バケアオザメは20~28%という違いがあります。他にも歯の形状、口周りの色などの違いがありますが、一番わかりやすいのは恐らく胸鰭の長さでしょう。

【生態・行動など】
アオザメは外洋を泳ぎ回るサメで、世界中の温かい海に生息しています。地球規模で回遊をすることでも知られていて、大西洋を4000kmは横断した例もあります。水温17度以上の海域を好むとされますが、8~26度の水温に出現し、500m以上深みにまで現れることもあります。アオザメはホホジロザメやネズミザメ、一部の高速で泳ぐ硬骨魚達と同じく、寄網と呼ばれる熱交換システムをもっています。鰓で冷やされた動脈と筋肉活動などによって暖められた静脈それぞれの毛細血管が密集して体の熱を維持し、周りの水温より1~10℃ほど体温を高く保つことができます。

水の抵抗を極力抑える流線形の体と細かい楯鱗、三日月形の大きな尾鰭、高い体温を維持する寄網。これら備えたアオザメはサメ界の中でもトップスピードで泳ぐ種として知られています。バイオロギングの研究者である渡辺佑基氏によればホホジロザメが海の中ではトップスイマーだそうですが、アオザメもホホジロザメと似た体つき・機能をもっていて、速く泳ぐことで知られるメカジキを襲うことがあり、最も速い海洋生物の一種であることは間違いないでしょう。

アオザメはそんなスピードと鋭い歯で硬骨魚類やイカ、小さなサメを捕食します。歯は先が尖った、しかし縁が滑らかな細長い形状で、上顎と下額ともに同じ形状をしています。アオザメの歯は突き刺す歯、つまり素早く泳ぎ回る魚などを捕まえて逃がさないようにするのに適した歯です。大きな肉を切り裂くにはあまり適さない歯ですが、海生哺乳類を襲うこともあります。

生殖方法は胎生で、他のネズミザメ目の仲間達と同じく、母胎から排卵された卵を先に成長した子供たちが食べて成長します。子供は全長60~70㎝ほどの大きさで産まれ、2~2.8mで成熟、雌の方が大きくなります。

【人間との関り】
アオザメは延縄漁で混獲されることがあり、鰭はフカヒレ、肉も食用に利用することができます。個人的な好みかもしれませんが、よく流通しているネズミザメの肉よりアオザメの方が美味しかったです。また、とてつもないスピードで獲物に襲い掛かり、ヒットすると激しく暴れ水面から飛び出すこともあるアオザメは、ゲームフィッシュのターゲットとして人気です。名作『老人と海』に登場したことでも有名なサメです。

もし襲われれば脅威ですが、外洋を泳ぎ回るアオザメと人間の遭遇率は極めて低く、襲われることはまずないでしょう。しかし、映画『ディープ・ブルー』で人殺戮マシーンのように描かれたこともあり、残念ながらアオザメは「人食いザメ」とかいうカテゴリーとして紹介されがちです。

ちなみに、アオザメが登場する映画と言えば『ディープ・ブルー』が一番有名ですが、『パーフェクトストーム』に、わずかですが漁師がアオザメに襲われそうになるシーンがあります。

 

【チャームポイント】
美しすぎる青色と流線形の体つき、力強く、素早く泳ぐカッコいいその姿、人によっては不気味にとらえるかもしれない大きな黒い可愛い目・・・。アオザメはあらゆる魅力を備えたサメ界のスーパースターの一種です。現状では生きている個体に巡り合ったことはないですが、いつの日か彼らの泳ぐ姿にお目にかかりたいです。

 

【その他紹介】
実はアオザメには見えないようで噴水孔がついています。知った時はちょっとした驚きでした。

 

 

【サイト内関連記事】
ホホジロザメとアオザメについてサメ好き達が語る!

【参考文献】
Jose I. Castro 『The Sharks of North America』 2011年 p267~273
田中彰 『美しき捕食者 サメ図鑑』2016年p19
仲谷一宏 『サメ ー海の王者たちー 改訂版』2016年 p112

【ギャラリー】
ギャラリー内の写真についてのお問い合わせは以下までお願いします。
shark.sociology.ricky@gmail.com

 

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