エビスザメ (Notorynchus cepedianus)

 

和名:エビスザメ
学名:Notorynchus cepedianus
英名:Broadnose sevengill shark
分類:カグラザメ目カグラザメ科エビスザメ属
CITES:記載なし
生殖方法:卵黄依存型胎生
飼育難易度:★★★★★☆(長期飼育実績なし)
見れる場所(野生):北大西洋を除く世界の亜熱帯や熱帯海域
見れる場所(飼育):なし。かつて大阪海遊館やアクアワールド大洗水族館で一時的に飼育した実績あり

【特徴】
カグラザメ目のサメは全体的にとぼけたような顔をしていて僕個人的には愛らしい存在ですが、エビスザメも例にもれません。英名の通り吻先が広く丸みを帯びていて、エドアブラザメ( Heptranchias perlo)と同じく鰓孔が7対あります。

体は流線形というよりも円筒に近いような体系で、背中側に暗い斑点模様が数多くあるのが特徴です。この模様と顔つき、鰓の数から、エビスザメを見分けるのは容易だと思います。

丸っこい顔つきとニヤけたような独特の顔つきから危険なサメには見えませんが、尖った上顎歯とノコギリ状の下顎歯を持ち、全長3mに達するとされる海のハンターです。

 

【生態・行動など】
エビスザメはカグラザメ目の仲間で唯一、沿岸の浅い海に暮らすサメです(他の仲間も表層に来ることはありますがたいてい深みにいます)。生息域は広く、北大西洋を除く世界中に分布しています。米国カリフォルニア州やチリ、ニュージーランド、南アフリカ、日本でも記録があります。

体が大きいエビスザメは生息する海域の高次捕食者として君臨しています。その顔つきと背鰭が一基しかない見た目からは想像できませんが瞬発的な泳ぎは速く、硬骨魚類はもちろん、他のサメやエイ、哺乳類を襲うこともある捕食者です。

生殖方法は卵黄依存型胎生ですが詳しいことは分かっていませんが、80尾近い数の胎仔が母胎から発見されたこともあり、サメの中では多産な可能性があります。これまた詳しいことは分かりませんが、150~200cmくらいのサイズで成熟すると思われます。

【人間との関り】
エビスザメは比較的浅い場所に暮らすためかカグラザメ目の中でも飼いやすいようで、海外の水族館では良く飼育されることがあるようです。

積極的に人を襲うことはありませんが、他のサメを含む大型の獲物を捕食する習性を持つため、ダイバーに対し危害を加えることも想定されます。ぜひ会ってみたいですが、近づきすぎないのが無難でしょう。

【チャームポイント】
エビスザメの特徴はカグラザメやエドアブラザメなどと同じようににやけた少し間が抜けた表情でしょう。エビスザメは他の仲間たちと比べて吻先が短く丸っこいので、より柔和な微笑みのように見えて「恵比寿」の名前がピッタリかもしれません。もちろんその顔の下には恐ろしい歯が並んでいますが・・・。

【その他】
とてつもなくどうでもいいでですが、エビスザメの学名「Notorynchus cepedianus」は僕の中で「発音しようか迷う学名ランキングの上位入りをしています。

【参考文献】
Jose I. Castro 『The Sharks of North America』 2011年 p38~41
田中彰 『美しき捕食者 サメ図鑑』2016年 p92
仲谷一宏 『サメ ー海の王者たちー 改訂版』2016年 p19