深刻なネコ問題に対して僕たちに何ができるのか【外来種ネコ問題③】

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前回ページ:野放しネコ擁護論を完全論破してみた【外来種ネコ問題②】

【ネコ問題について何ができるか】

ここまで話したネコ問題の重要性、批判に対する反論を述べてきましたが、僕たちに何ができるでしょうか。色々あると思いますが、

ここでは3つだけ紹介します。

・屋外にいるネコ、特に島や希少な生態系にいるネコをいち早く排除する

・飼育しているネコを例外なく完全室内飼育にする

・自然環境や生き物についての発信を強化する

 

【屋外にいるネコの排除】

排除というと怖いイメージがありますが、必ずしも殺処分を意味しません。この後説明しますが、飼い猫は全て室内飼育にすれば済みますし、飼い主のいないネコも、終生飼育できる人が引き取ることができるなら、それで一番です。

僕もネコが嫌いというわけではないので、死なせずに済むのであればそれが最善だと思います。

ただ、避妊されていないがゆえに増え続けるネコたちを捕まえ続け引き取り手を探す、そして引き取り手が見つかるまで飼育し続ける、そこにかかる莫大なコストをどう確保するのか・・・。

現実的な問題を考えたときに、捕殺・殺処分という選択肢も必要になってきます。

僕なりに野放しネコが完全排除されない理由を考えてみましたが、以下の二つくらいしか正当化できそうなものは思い当たりません。

・ネコが愛玩動物として多くの人に受け入れられているので、駆除を前面に出すとその正当性に関わらず批判を食らう危険があるから

・もともと家畜であり飼育に関する厳しい規制もないため引き取り手を探しやすいから

あとは、野良猫という存在が、愛護管理法とする「ネコ」なのか狩猟鳥獣である「ノネコ」なのかという法的な問題もあると思います。

一連の記事を書いている時点ですでに炎上覚悟なのでぶっちゃけて言いますが、これらの理由がなければ、今この瞬間に全ての野放しネコが捕殺されても仕方ないと思います。

過激だと思うかもしれませんが、オーストラリアではネコだけしか食べない毒エサを使った駆除が行われ、駆除に対する奨励金が出ている州もあります。

オーストラリアノネコ駆除に関するニュース↓

 

 

日本でも、ネコ以外の侵略的外来種、例えばカミツキガメなどはほとんど問答無用に殺処分されています。また、「ノネコ管理計画」でデマを流され炎上してしまった奄美大島でも、ネコの前に3万頭以上のマングースが駆除されました。

危険で厄介な侵略的外来種としてよく紹介されるカミツキガメ

世間一般からしたら可愛いネコと危険生物のカミツキガメで扱いが違うのは当然みたいな考えもあるかもしれませんが、同じ侵略的外来種であり、同じ命です。僕からしたらどちらも魅力的で、本来死んでほしくはない動物です。

こうして考えると、ネコはだいぶ特別扱いされており、もはや生ぬるい対応とも言えます。

「外で生きているネコちゃんを捕まえるなんてひどい」とか嘆く前に、問答無用で捕殺されないことを、まず喜んで感謝すべきです。

ネコが好きなのであれば、ネコの駆除や殺処分に感情的な批判を浴びせるよりも、少しでも野放しネコが減るような取り組みに貢献すべきだと思います。

 

 

【完全室内飼育を実践する】

今ネコを飼育している皆さんは、完全室内飼育をしましょう。

2017年に発表された東京都福祉保健局の調査結果によれば、約14%の飼い猫が屋外で飼育されたり、屋外との出入りを自由にされています。

ここまで読んでくださっている方はもう理解してくれていると信じますが、侵略的外来種であるネコを野放しにして飼育するというのは異常事態です。

ネコを屋外で自由に行動させるというのは、ナイルワニやアナコンダを放し飼いにするのとほとんど変わりません。唯一の違いがあるとしたら人に対する殺傷能力くらいです。

そもそもネコが屋外にいるのが普通という認識は、もともと人間の食料を狙いに来るネズミや鳥を食べてもらうという役割があったからできたものだと思われます。しかし、今のネコ飼育者のほとんどは農家などではないですし、生態系や生物多様性の大切さが認識されている現代において、ネコの放し飼いを正当化する理由は何もありません。

そして、完全室内飼育はネコの安全を確保するうえでも重要です。

屋外でネコを自由にさせることで、ロードキル、寄生虫や病気、アライグマなどの捕食者、誘拐や虐待、毒エサなど、様々な危険に、愛するネコをさらすことになります。

ネコ問題を論じる際に駆除や殺処分に対する反発がすごいのですが、人と動物の共生センターというNPO法人がまとめた資料によると、H29年のネコの殺処分数が43,216頭であるのに対し、同年にロードキルで死んでしまったネコの数は347,875頭にものぼります。

人と動物の共生センター 全国ロードキル調査報告

 

言い換えれば、殺処分されるネコの8倍近い数が不適切飼育、遺棄、放置によって死んでいっているわけです。

 

また、僕のこれまでの記事を読んで、生態系保全を重要視する人VSネコ好きの対立構造があると思う人もいたかもしれませんが、実際はそうではありません。

実際にネコ問題と室内飼育の実践については、以下のように理解すべきだと思っています。

・自然環境を大事にする人たちは、侵略的外来種が屋外にいなくなることで目的を果たせる。

・ネコを完全室内飼育にすることで、ネコの飼育者たちは愛するペットを危険から守ることができる。

・ネコに迷惑している人やネコが嫌いな人も、自分の周りや敷地から猫がいなくなるから安心できる。

・生態系が保全できることにより全員が生態系サービスの恩恵を受けることができる。

このように、ネコを完全室内飼育することであらゆる人がハッピーになり、ネコ問題の大部分が解決します。

この図式を分かっていない、あるいは分かっていようがいまいが自分勝手を押し通したい過激派が「ネコちゃんは外来種ではない」とか「ネコは屋外で自由にいるべき」と意味不明な難癖をつけてきてかき乱している、というのがネコ問題の現状なんです。

恐るべき侵略的外来種か、それとも愛するモフモフした家族か、どのようにネコを見るにしても、完全室内飼育をするべきですし、もし僕がネコを飼うなら絶対にそうします。

 

 

【環境や生き物に関する発信の強化を!】

ここまでネコの問題とそれに対して何ができるかを語ってきましたが、一番根本的な解決策は、自然環境や生態系に対する発信を強化する、これに尽きると思います。

・生態系とは何か?

・生物多様性を何故守る必要があるのか?

・外来種とは何か?何が問題なのか?

・ネコとはどんな動物か?

こういった知識が多くの人に共有されていれば、ネコ問題は本来ここまで炎上することもないし、僕の記事もこんな長くなる必要はなかったです。

「ネコは屋外で自由である方が幸せだ」みたいな批判を受けることがありますが、自然界の厳しさについて知識があり、動物の幸福を論じることの難しさに対して理解があれば、まず出てこない言葉です。

今のネコ問題の現状というのは「何故人を傷つけたり、他人のものを奪ってはいけないのか」というのを多くの人が疑問視している状況で犯罪率を減らそうとしているようなもので、なかなかなハードゲームの気がします。

だからこそ、何がどうして問題なのかというのを、批判への反論と共に紹介する取り組みがもっともっと必要です。そして、そうした取り組みの中で、発信者である僕たちが一番勉強することもできます。

今回の僕の発信に共感してくれた方はこの記事をシェアしてくれれば嬉しいですし、僕の紹介が浅いとか過激すぎると思った方は、僕を批判して終わるのではなく、ぜひ自分なりの発信をしてみてください。

僕も発信内容を組み立てる中でかなり色々考えたりしたので、きっと学びになると思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。

 

投稿者プロフィール

1992年東京都生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。アメリカ合衆国、ポートランド州立大学に留学。

HPやYouTubeでサメなどの海洋生物・水族の生態を紹介、環境問題の解説を行っている。サメや関連イベント参加、水族館巡り、ダイビング、標本作製などサメや生き物活中心の生活を送る。水族館のボランティアスタッフの経験あり。トークイベントのプレゼンターやライターとしても活動。

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