可愛いという理由で安易に飼ってはいけない動物たち【ペットの闇】【スナネコ問題】【淫夢くんの真実】

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おはヨシキリザメ!サメ社会学者Rickyです!

今回の記事を公開される頃には少し昔の話に感じる人もいるかもしれないですが、最近テレビのスナネコ紹介が批判されたり、某爬虫類飼育YouTuberが炎上したりと、何かとペット関連の悪いニュースが多い気がします。

 

 

これを機にペット飼育について考えを深めてもらいたいと感じたので、今回は「可愛いという理由で安易に飼ってはいけない動物たち」というテーマで、5種類の動物を紹介していきます。

ちなみに、今回は「世間的に言うモフモフして可愛い動物」が対象です。僕的にはツマグロとかニシキヘビも可愛い動物の範疇なのですが、世間一般で「可愛い!」という衝動買いをしないであろうという前提で今回は紹介していません。そういう事情があって、哺乳類の動物がメインになります。

 

【スナネコ】




最近話題になった子を早速取り上げましょう。

スナネコは食肉目ネコ科ネコ属に分類される動物で、言うまでもないと思いますが猫の仲間です。ただし、僕たちがよく知っている、いわゆる普通のネコとは異なる動物です。

僕たちが一般にペットにしているネコちゃんは、生物学的にはイエネコと呼ばれる種で、リビアヤマネコを品種改良して作った家畜であり、外来種です。

外来種ネコ問題についてはコチラ↓

一方で、スナネコは中東・北アフリカの砂漠地帯に生息している野生の猫です。そのため、砂漠の風景に溶け込むような独特の模様をしている、耳に砂が入るのを防ぐために長い毛が生えている、足の裏にも毛が生えていて断熱仕様になっている、などの、砂漠で生きるのに特化した特徴があります。

そんなスナネコは野生の猫で最も小さい種ということもあり、「砂漠の天使」とか呼ばれて大人気なのですが、決してペット向きの動物ではありません。

外見こそ少し変わった猫ちゃんという感じですが、スナネコはペット用に家畜化されていません。気性が荒く、牙や爪も鋭いので、一般人が飼育しても懐かないどころか、ひどい怪我を負う危険があります。

また、そもそも砂漠地帯の動物なので、湿度の高い日本の環境に適応できず、感染症にかかってしまうリスクも高いです。

現在スナネコを飼育している動物園は「那須どうぶつ王国」と「神戸どうぶつ王国」ですが、ともに「決してペットとして飼いたいと考えないでください」と公式見解を述べています。

神戸どうぶつ公園のスナネコ紹介はコチラ↓

なお、現在スナネコはIUCNの評価においてはLC、つまり絶滅の危険は低いとされていますが、生息地の破壊、イヌ・ネコなどの外来種からの感染症、害獣駆除の罠にかかってしまうなど、人間活動の影響を受けています。ここに「ペット需要による乱獲・密猟」が加われば、絶滅危惧種になってしまう可能性は十分にあります。

「砂漠の天使」なんて言われていて、実際そう呼びたくなるくらいめちゃくちゃ可愛いのですが、ペットショップで普通に売っているネコたちとは全く別の動物です。スナネコをペットにするのは夢物語だけに留めておきましょう。

 

【フェネック】

同じ砂漠の動物として忘れてはいけないのがフェネックです。

フェネックは食肉目イヌ科キツネ属に分類される動物で、アルジェリア、エジプト、モロッコなど、スナネコと同じように中東や北アフリカの砂漠地帯に生息しています。そのため、スナネコ同様に足の裏が毛で覆われていて、さらに大きな耳は小さな音を聞くだけでなく、熱を逃す役割があります。

イヌ科と呼ばれる動物には、僕たちが一般に想像するワンちゃん以外にもキツネ、オオカミ、ジャッカルなどが含まれますが、フェネックはそのイヌ科で最も小さく、体長30〜40cmほど。必然的に世界最小のキツネということになります。

そんなフェネックは米国のCNNが「最も可愛い動物」ランキングを作った際にパンダやラッコを差し置いて1位になったことがあります。実際とてつもなく可愛いので、ペットとしての人気は高いです。

ただし、フェネックは糞尿の臭いが強烈です。そして、基本的に人にあまり懐かず、トイレも覚えません。さらに、夜になると甲高くでかい声で鳴き始めることがあり、騒音対策が求められます。

また、地下に数メールの巣穴を掘るぐらいパワフルでジャンプ力もあるので、半端な設備では脱走する危険がありますし、そうでなくても、狭い室内では運動不足でストレスを溜め込んでしまうかもしれません。

フェネックはIUCNの評価ではLC、つまり絶滅の懸念はまだ低いとされていますが、ペット需要以外にも生息地の開発や交通事故などによる影響が懸念されていて、ワシントン条約では附属書IIに記載されています。

このままいけば本当に絶滅危惧種になって、次に紹介する動物みたいな事態になりかねないです。

 

 

【カワウソ】

飼ってはいけない動物の要素が凝縮されていると言っても過言ではないのがこのカワウソです。

これに関しては以前にカワウソだけを扱った記事を出しているので、そちらを読んだ方はおさらいになりますが、

・絶滅危惧種で密輸や乱獲の対象になっている

・適正飼育するのが非常に難しい

・実質取り扱いが禁止になった

この3点が、飼ってはいけない理由です。

まず、ペットにしたいという声がいまだに多いコツメカワウソをはじめ、ほとんどのカワウソは生息地破壊などの理由で絶滅危惧種になっています。にもかかわらず、日本のペットブームに応えるように密猟や違法取引が横行して、しかもつい最近まで、日本国内に入ってしまえば経路はどうあれ合法になるという闇深い動物でした。

さらに、合法的にカワウソを飼うにしても、

・活発な水辺の動物なので大きなスペースやプールが必要

・噛む力が強く器用なので怪我をする・物を壊される・脱走されるなどのリスクが高い

・尿路結石ができやすく病気になったとしても見てくれる動物病院が少ない

などの理由により、一般人が適正に飼育できる動物とは到底言えません。

そして、コツメカワウソを含む全てのカワウソがワシントン条約附属書Iに記載されたため、商業目的の国際取引は完全に禁止されています。これを受け、日本国内でも種の保存法により、国内で繁殖した個体以外の取引は禁止されました。

これも以前の記事で紹介しましたが、日本は以前に、自国に生息しているカワウソを絶滅に追いやっています。これ以上野生のカワウソを追い詰めないためにも、カワウソペットブームは完全に終止符を打たれるべきです。

 

 

【スローロリス】

スローロリスを知らない人のために一応紹介すると、霊長目ロリス科に分類されるサルの仲間です。念のために言いますが、リスではありません。

僕の写真だと分かりづらいと思うのでいらすとやも貼っておきます。

スローロリスは東南アジアの森に生息していて、名前の通り非常にスローな動きをすることが特徴です。

このゆっくり動く様子と大きな目をしたモフモフの可愛い見た目のせいか、スローロリスもペットとして一部の人に人気なようです。

日本でもペットと思しきスローロリスをなでる『完全勝利した淫夢くんUC』という動画が、ある種のネタとして話題になりました。

しかし、スローロリスもカワウソ同様に、ペット目的で密猟されている絶滅危惧種です。コツメカワウソと同じようにワシントン条約附属書Iに記載され、国際取引が厳しく制限されています。

さらに、スローロリスは、霊長類で唯一、毒を持っている動物でもあります。肘にある臭腺から分泌される物質と唾液が混じることで刺激臭のある毒を作るので、スローロリスに噛まれるとこの毒が体内に入ってしまいます。

この毒は人間にとって必ずしも致死的ではないようですが、毒の成分がはっきりとは解明されておらず、アナフィラキシーショックを起こす危険もあるので、扱いには十分に注意が必要です。

ペット用に販売される個体は、飼い主が噛まれないように歯を抜かれてしまうこともあるようですが、それが原因で感染症を引き起こしてしまい、短命になることがほとんどです。そこまでしなければいけない時点でもはやペット向きではないです。

ちなみに先ほど少し紹介した「淫夢くん」の動画は、スローロリスを触り続けるうちにガッツポーズをするのを面白がるという内容ですが、専門家によれば、腕を上げるのは嫌がっているが故の防御体制であり、過度のストレスを与えてしまっているようです。

こう考えると、動物に関する人気動画って沢山ありますが、その良し悪しというのはピンキリですね。

 

 

【アライグマ】

こいつに関しては「安易に」とかではなく絶対に飼ってはいけない動物なんですが、いまだに分かっていない人が一定数いそうなので一応触れておきます。

アライグマは食肉目アライグマ科アライグマ属に分類される動物で、元々は北米が原産の動物です。

よくタヌキに間違われることがありますが、アライグマは眉間に黒っぽい線が入ること、尻尾が長くシマシマ模様であるなどの特徴で容易に区別できます。

このアライグマは、声優界のでえベテランでお馴染みの野沢雅子さんが声優を務めた「あらいぐまラスカル」の影響もあって人気になり、一時期ペットとして販売されていました。

しかし、アライグマは成長するにつれて気性が荒くなり、飼い主にも容赦なく噛み付きます。可愛い外見をしていますが、自分より大きな家畜を遅い、イヌやネコであれば殺してしまうこともあるほど危険な獣です。さらに、手先が器用なためか脱走も得意で、動物園から逃げ出した事例もあります。

そもそも人気の火付け役になったアニメのラスカルですら、飼いきれなくなって遺棄するという結末を迎えています。根本的に飼育に向いている動物ではないんです。

そんなアライグマは飼いにくいだけでなく、農作物を食い荒らす、家屋に侵入して破壊する、日本の様々な在来生物を捕食するなどの問題を起こす侵略的外来種であり、特定外来生物にも指定されています。つまり、許可なく飼育することはもちろん、生きたままの運搬や販売も禁止されているんです。

こうして考えてみると、アライグマは、飼育の難しい野生動物をブームに乗って安易に売り買いした挙句、生態系や人間社会に被害をもたらす侵略的外来種が日本全国に広がってしまい、そして駆除しなければならなくなっているという、誰も幸せになっていない最悪の実例です。

このようなことは絶対に繰り返してはなりません。

 

【まとめ】

以上が、可愛いという理由で安易に飼ってはいけない動物たちでした。

ただ、もちろんこれだけではないです。一般人が適正飼育するのが困難な動物、生態系保全の観点からペット需要を高めるべきではない動物が、平然とペットとして紹介・販売されている事例はまだまだあります。

今回の記事を書くうえで、エキゾチックペットを販売しているショップや飼育方法を紹介するブログなども見ましたが、「絶滅危惧種」という言葉を、まるで遊戯王カードの「ウルトラレア」と同じように宣伝文句として使っている下劣なショップも実在しました。個人的な感情込みで言いますが、そのような知性と民度の低いショップは今すぐに潰れるべきですし、そんな場所から動物を購入する消費者も恥を知るべきだと思います。

「違法じゃないから」。それが売る人・買う人の言い分かもしれませんが、きちんとした環境で適正飼育ができない人、そして野生動物の保全を考えられない人に、ペットを飼う資格はないです。そして、「違法じゃないから」と好き勝手やっているうちに、結局アライグマもカワウソも規制されていきました。

好きな生き物と暮らしたい、その気持ち自体は理解できますが、「野生動物を飼育することについて」僕たちはもう少し深刻に考えた方がいいのではないでしょうか。

 

 

 

投稿者プロフィール

1992年東京都生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。アメリカ合衆国、ポートランド州立大学に留学。

HPやYouTubeでサメなどの海洋生物・水族の生態を紹介、環境問題の解説を行っている。サメや関連イベント参加、水族館巡り、ダイビング、標本作製などサメや生き物活中心の生活を送る。水族館のボランティアスタッフの経験あり。トークイベントのプレゼンターやライターとしても活動。

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