『寝てもサメても 深層サメ学』トップレベルのサメ研究者が書いたサメ本が面白過ぎる!

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おはヨシキリザメ!サメ社会学者Rickyです!

先日、非常に面白いサメ本を献本していただいたので、その紹介をしようと思います。

その本がコチラ!

『寝てもサメても深層サメ学』実にサメサメしたタイトルですね。

佐藤圭一さん・冨田武照さんの共著ですが、このお二人は沖縄美ら海財団に勤めるサメの研究者の方です。僕みたいなエセ学者じゃないです笑。本物のサメ博士たちです。

この度、この本の出版社である産業編集センター様から、サメ関連の発信者としてこの本を贈呈して頂いたので、この『深層サメ学』を紹介していきます!

 

本書の特徴

サメに関する本と言えば、色々なサメが載っている「ザ・図鑑」という本や、雑学本や子供向けの絵本など様々な書籍などがありますが、本書は一貫して「研究者の視点」からサメを紹介しています。

著者の佐藤さん、冨田さんが研究をしている沖縄美ら海水族館といえば、修学旅行や家族旅行で行った人も多いと思いますが、研究と教育に非常に力を入れている日本有数のハイレベルな水族館です。

生物の展示が豊富なだけでなく、大規模飼育施設ならではの研究に取り組んでおり、数々の論文を発表するだけでなく、その成果をわかりやすくまとめて一般来館者向けにも展示しています。

美ら海水族館に展示されているオオテンジクザメの胎児

そんな水族館でサメ研究を引っ張るお二人が書いた本というだけあって、非常にコアな内容が、素人にも分かりやすく書いてあります。

 

サメ知識のさらに奥深い世界

本書の特徴としては、一般的に知られているサメに関する情報を、さらに深掘りする内容ということです。

僕の動画を見てくださっている方なら、「サメとエイが近い仲間である」、「川に入ってこられるサメがいる」、「子宮内で共食いサメがいる」というような情報は知っていると思います。

現代はネット社会ですから、こうした情報はググれば簡単に調べることができます。専門書や論文を読み込まなくても、ウィキペディアやまとめサイトで、サメに関する情報を仕入れるのは一応可能です。

しかし、この『深層サメ学』は、そうした少し探せば出てくる情報の奥あるいは裏にある世界を見せてくれます。

例えば、

・サメの骨格はほとんど軟骨でできている。

・サメのペニスは2本ある

・オオメジロザメは川に入ってこられる

サメ好きガチ勢であれば常識に近いこれらの知識ですが、これらのさらにその先を考えたことはあるでしょうか。

この『深層サメ学』は、まさに「深層」の名に相応しく、よくテレビやネットで紹介されるサメ知識のさらに奥深い部分に焦点をあてて、解明されきっていない謎も含めて紹介してくれます。

先ほどあげた事例以外にも、透明な卵殻を持つサラワクナヌカザメの繁殖や、シロワニの子宮内共食いなど、以前に僕がこのブログやYouTubeで紹介したテーマが深掘りされているので、僕の発信を見てくださっている方なら楽しめること間違いなしです!

 

 

 

研究者としての心構えが学べる

サメ好きが喜ぶコアな本としての魅力を紹介しましたが、この本はサメマニア以外の方にも読んでもらいたいです。なぜなら、著者である佐藤さんと冨田さんの、研究者としての姿勢・心構えが散りばめられているからです。

個人的に紹介したい言葉を、一部引用します。

動物を飼育してデータを得ることは不可欠だと考えている。(中略)一方、動物を適切に飼育できない環境下では、長期飼育観察はおろか動物本来の行動を観察することはできないし、科学的に正確なデータも得られない。(中略)動物を適切に飼育しながら生物学的なデータを得て、それを世界中の研究者や来館者と共有することが重要だと考えている。そして、それはすべての水族館が果たすべき義務だと考えている(p89)

一つの対象を研究し続けると、あっという間に先人たちが遺した知識の海に溺れ、柔軟な発想を失ってしまう。(中略)将来サメの研究をしたいと思っている若い方々に、我々ができるアドバイスが仮にあるとすれば、二度と手に入らない大切な時期をサメ以外のことに費やしてほしいということだ(p180)

論文中で「Fact(事実)」という言葉を使うな、「evidence(証拠)」か「observation(観察)」という言葉を使えと教えられた。事実は目指すものであって、決して手の届かないものだということだ。定説というのは、多くの研究者が事実だと信じている仮説のことであるが、それがいとも簡単に覆ってしまうことは本書で見てきた通りだ。我々は真偽の狭間で揺らいでいる小舟のようなものだ(p181)

 

水族館、生き物の研究、そして科学そのもの・・・。こうしたことについて考えさせる言葉だと感じます。研究者、そして水族館職員として、多くの生き物や人と向き合い、まさにこの本の帯にある通り、サメに人生を捧げてきた方々だからこそ出てくる言葉ではないでしょうか。

確かにこの本のメインのテーマはサメですが、こうして一つの分野の研究を極めてきた人の言葉というのは、中身の薄い自己啓発なんかよりよほど身に沁みるものがあると思います。

 

今回の僕の記事を読んで、ほんの少しでも興味が湧いたという方は、ぜひ『寝てもサメても 深層サメ学』、実際に手に取って読んでみてください!

 

最後に少しだけ本書に絡めて、次回予告的なものをさせて下さい!

この『深層サメ学』の中でサメのウンチの話が出てきます。

簡単に紹介すると、サメやエイの胎児たちは、糞尿で羊水が汚染されると命の危険にさらされるので、迂闊に排泄できないんです。

では成魚のミニチュア版まで成長するサメたちはどうやって解決しているのか?

この点については本書で少し触れられているのですが、実はちょうどこのサメウンチ問題に関係するかもしれない、非常に興味深く貴重な標本を先日観察することができたので、近日中に詳しく解説しようと思います。乞うご期待です!

それでは、引き続きよろしくお願い致します!

投稿者プロフィール

1992年東京都生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。アメリカ合衆国、ポートランド州立大学に留学。

HPやYouTubeでサメなどの海洋生物・水族の生態を紹介、環境問題の解説を行っている。サメや関連イベント参加、水族館巡り、ダイビング、標本作製などサメや生き物活中心の生活を送る。水族館のボランティアスタッフの経験あり。トークイベントのプレゼンターやライターとしても活動。

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