サメのアソコは2本ある?サメの交尾器を徹底解説!

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クロトガリザメのクラスパー

どうも!おはヨシキリザメ!サメ社会学者Rickyです!

以前にサメのウンチに関する解説をしましたが、今回はさらに小学生男子が喜びそうなテーマを取り上げます。

今回のテーマはサメのアソコです。平たく言えばおちんちんです。

PTAから猛烈な苦情がきそうなテーマですが、サメの生殖について語る上で、これはどうしても外せません。

サメ好きの方であれば、サメにはおちんちんが2本あるという話は聞いたことあると思いますが、どうやって使うのか、なぜ2本あるのか、そもそも本当にあれはチ〇コなのか、きちんと考えたことはあるでしょうか。

今回はサメの交尾器について解説をしていきますので、よろしくお願い致します!

 

サメのアソコは二本ある

まずはサメのおちんちんの場所や特徴を観察してみましょう。

サメの体にはいくつかの鰭がありますが、サメのアソコは、腹鰭についています。

こちらの写真、どちらもジンベエザメの腹鰭ですが、左側がメス、右側がオスです。違いは一目瞭然ですね。いかにもそれっぽい突起物がオスには2本ついています。

この突起物には名前がついていて、クラスパーと呼びます。

このクラスパーがあることにより、サメ、そしてサメと同じ軟骨魚類の仲間であるエイやギンザメの性別は、いわゆる”普通の魚”に比べるとかなり簡単に見分けることができます。

金魚や熱帯魚を皆さんが飼う時、オスとメスを外見から見分けるのは難しいと思いますが、サメの場合は腹鰭を見れば一発で分かるんです。

ただ、注意して欲しいのが、このクラスパー、サメが子供の場合は小さいので、ちゃんと観察しないとオスをメスだと勘違いしてしまうかもしれません。

こちら、ドチザメの赤ちゃんです。成魚との比較画像が用意できなかったのですが、クラスパーが非常に小さいのが分かると思います。これが成長につれて大きく、そして硬くなっていきます。

では、子宮内にいる頃はどうなのか、こちらも見てみましょう。

こちらは子宮内から取り出されたフトツノザメの胎仔です。この子の腹鰭をよーくみてみると、小さいですが、クラスパーが確認できます。正確に妊娠何ヶ月の個体なのかは分かりませんが、まだ卵黄を吸収している状態でも、すでにクラスパーがあるということが分かりますね。

そして、クラスパーの長さ・太さ・形は種によっても異なります。

クロトガリザメのクラスパー

 

シロワニのクラスパー

 

ラブカのクラスパー

 

マオナガのクラスパー

ニホンヤモリザメのクラスパー

テングカスべのクラスパー

シノノメサカタザメのクラスパー

マオナガやシノノメサカタザメのように細長すぎて交尾器として使えるのか疑問に思えるものや、ニホンヤモリザメやテングカスべのように体に対してクラスパーがやけに長いものまで、それぞれ特徴的な交尾器を持っています。

ちなみに、クラスパーは交尾器と呼ばれたり、交接器と呼ばれたりします。専門家によっても言葉が分かれていて、どちらでもいいという話も聞きますが、交接は確か精子の入った袋をメスに渡したりする生殖方法だったはずなので、僕は交尾器と呼んでいます。

 

クラスパーの使い方

ここまでクラスパーがどんなものかを見てきましたが、先ほども言った通り、このクラスパーは交尾の際に使います。

人間が交尾する体勢は48パターンくらいあるそうですが、サメの場合は大きく分けると3パターンです。

<巻き付き型>
オスがメスの胸鰭に噛み付いて巻きつくように体を固定してクラスパーを挿入する

<抱き合い型>
オスがメスに噛み付いて、腹と腹を合わせるような状態でクラスパーを挿入する

<寄り添い型>
オスが泳ぐメスに寄り添うような形で近づき、噛み付いて押さえつけたりしてクラスパーを挿入する

 

要するに、オスがメスに噛み付くことが多いということです。

水族館でサメが他のサメに噛み付いていると「共食いだ!」って言われて動画が拡散されたりしますが、同種のオスがメスの胸鰭あたりとかに噛み付いているなら、交尾しようとしている可能性が高いです。

交尾しようと噛みついていると思しきトラフザメ。この後交尾には至りませんでした。

交尾が終わったメスの体にはオスから受けた咬み傷があるので、そのメスが交尾を経験したかどうかの判断基準の一つになります。実際に見ると痛々しいですが、致命傷になることは少ないようです。

では、クラスパーをどこに挿入するのか。サメは人間と違って、排泄に使う孔と子供を産んだり交尾したりする孔が一緒くたで、総排出腔と呼ばれます。というより、脊椎動物全体で言えば、孔が用途で分かれている方が珍しいです。

総排出腔は腹鰭の間にあり、オスはここにクラスパーを挿入します。2本あるクラスパーは、左右に方向転換できるようになっており、左右どちら側からメスに噛みついても挿入しやすいようになっています。ちなみに、クラスパーは2本ありますが、基本的に1本だけを挿入します。

クラスパーは反対側に動かすことができる。

先ほども言った通りクラスパーの形状や構造はサメにより異なりますが、メスの中に入ると、先端部分が開いたり、トゲやカギ状の突起が出てきて、簡単に抜けないように固定されます。

ヘラツノザメの仲間と思しきサメのクラスパー。先端より少し手前にトゲが見えます。

そして、オスはサイフォンサックと呼ばれる海水が溜まった袋を持っており、海水と一緒に、精子をメスの体内に勢いよく送り込みます。このように、直接体内で受精させる方法を体内受精と呼びます。

サメやエイなどの軟骨魚類ではない、いわゆる「普通の魚」と言われるタイ、マグロ、サケなどの硬骨魚は、交尾をせずにメスが水中に産んだ卵に自分の精子をかけます。このような方法を体外受精と呼びます。

体外受精であればクラスパーのような交尾器も不要ですから、硬骨魚は外見から性別が判断しづらいものが多いというわけです(メバルのように体内受精を行う硬骨魚や、体色や大きさなどの特徴で雌雄を見分けられる硬骨魚も沢山います)。

 

クラスパーはチ〇コにあらず

ここまで、クラスパーの特徴や使い方について紹介してきましたが、ここでちょっと細かい話をします。

それは、厳密には、クラスパーはおちんちんではないということです。

いや、さっきまで「おちんちん」って散々言ってきたじゃんって思うかもしれませんし、本職のサメ研究者の方も、一般向けの書籍では「おちんちん」と表現することがよくあります。仲谷先生に至っては『サメのおちんちんはふたつ』という本も出版されています。

ただ、これは分かりやすくてキャッチーだからそう表記されているだけです。サメのクラスパーはあくまでも交尾に使うための突起物であり、僕たち哺乳類についているおちんちんとは別物です。

そもそも僕たち哺乳類のおちんちん(生物学的には陰茎と呼びます)は、尿道の出口部分が発達して形成されるので、尿の排泄口も兼ねた器官になっています。

しかし、サメの場合は腹鰭の軟骨が伸びて形成されていくので、その起源が全く異なるものです。

「サメやエイのクラスパーは何故2本あるのか」、というのはよく聞かれますが、機能的な理由とは別に、「左右に一対ある腹鰭から発達したから」というのが大きいと思います。腹鰭という二つある部分から発達したから必然的に二本になった、ということですね。

そして、そもそも多くの方が勘違いしていることですが、サメはクラスパーの先端から精子を出すわけではないです。

メスが排泄したり出産したりするのと同じ孔、つまり総排出孔はオスにもあり、オスはここから精子を出します。クラスパーには精液が通るための溝があり、この溝を伝って、メスの体内に精子が送り込まれるんです。

オスの腹鰭の間にある総排出腔。

 

クラスパーには精子が通るための溝がある。

ですので、陰茎のことを「おちんちん」と呼ぶのであれば、サメのクラスパーは「おちんちん」ではないということになります。

もちろん、交尾に使う突起物は全部「おちんちん」ということならそれでもいいのですが、僕たち哺乳類のそれとは、進化における起源も内部構造も、全く別物だということは覚えておいてください。

投稿者プロフィール

1992年東京都生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。アメリカ合衆国、ポートランド州立大学に留学。

HPやYouTubeでサメなどの海洋生物・水族の生態を紹介、環境問題の解説を行っている。サメや関連イベント参加、水族館巡り、ダイビング、標本作製などサメや生き物活中心の生活を送る。水族館のボランティアスタッフの経験あり。トークイベントのプレゼンターやライターとしても活動。

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