京急油壺マリンパークがついに閉館。今まで本当にありがとうございました。

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おはヨシキリザメ!サメ社会学者Rickyです!

特に水族館好きの方はすでにご存知だと思いますが、京急油壺マリンパークが、先日2021年9月30日をもって閉館しました。

今回は、いまさらになるかもしれませんが、閉館直前に訪れた時に撮影した写真を載せつつ、油壺を振り返っていこうと思います。

油壺マリンパークに公共交通機関で行く場合は、三崎口駅を降りてからさらにバスに乗るのですが、当日はバスが通勤ラッシュかの如くぎゅうぎゅう詰めで、しかも道路が大渋滞を起こしており、普段なら20分もかからない距離にもかかわらず、30分経っても水族館前につきませんでした(結局二つ前のバス停で降りて歩きました)。

「ソーシャルディスタンスもあったものではないな」と感じつつも、それだけ多くの方に愛された水族館だったということなのかもしれません。

「魚の国」という水族館メインの建物に入ってすぐの水槽に展示されているシロチョウザメ。大きな体に対してちょこんとした円らな瞳が可愛らしいです。僕の記事を読んでくださっている方ならご存知だと思いますが、チョウザメはサメではありません。サメは軟骨魚類というグループに分類されるのに対し、チョウザメの仲間は硬骨魚、つまり、マグロやタイなど”普通の魚”と呼ばれがちな魚と同じグループの仲間です(その中でも軟質魚という、マグロなどとは少し違う古代魚の仲間ではありますが)。

油壺のチョウザメたちは非常に長寿で、閉館時点で展示されていた子たちの年齢は40歳を超えていたはずです。開館して数年で展示が始まっているので、長い油壺の歴史を見守ってきた存在と言えるでしょう。

尾鰭の模様がお洒落で可愛いギンユゴイ。

他の園館ではなかなか見られないはずだけどあまり注目されていなかったバラヒラベラ。

チョウザメと同じくサメと勘違いされるサメじゃない魚、コバンザメ。

カワハギ。

カンパチ。

様々な魚たちの水槽が並ぶ廊下には、水槽だけでなく、魚の研究に貢献してきた人々の紹介などを展示していました。

水族館で大人気のイルカショーでは生態解説などが行われるケースが少なく、近年にオープンまたはリニューアルした水族館はライティングやプロジェクトマッピングへのこだわりと反比例するように解説版が少ない印象を受けます。

資料を展示すればいいというものではありませんが、こうした展示を見ると、京急油壺マリンパークは、”博物館としての水族館”であり続けてくれたのかなという印象が持てます。

ダイオウイカ、ニュウドウイカ、メガマウスザメの標本展示です。

これらは全て神奈川県で採集された個体です。ダイオウイカは太平洋側で5例目、メガマウスザメは10番目の記録(世界では37番目)になります。

普段意識する機会があまりないかもしれませんが、日本の海には非常に多様な生物がいて、その中には彼らのように巨大で面白い見た目の生物もいるのです。もちろん、大きくて珍しい生き物だけが価値あるわけではないですが、このような展示は、水族館のすぐ近くに広がる海の面白さや奥深さを伝えてくれていたのではないでしょうか。

メガマウスの剥製を眺めながら階段を登ると、大きなドーナツ型水槽に到着します。関東で唯一の展示だったオオメジロザメをはじめ、大きくて迫力ある見た目のサメ類が泳ぎ回る、サメ好きにとってはたまらない空間です。ここに来るたびにサメを追いかけて魚のごとくグルグルしていたのは良い思い出です。

屈強な見た目のオオメジロザメ。

 

ニヤけたような顔が可愛いレモンザメ。少しやせてしまっていましたが、今まで見たレモンザメで一番美しい個体だったと思います。

 

大人しいのに顔のせいで人食いザメにされがちなシロワニ。

 

魚や他のサメに対して吻を振り回すこともあったノコギリエイ。この子をノコギリザメだと思い込んだまま閉館の日を迎えてしまった人も多いと思います。

このドーナツ型水槽では大型サメ類に注目しがちですが、一緒に泳いでいる魚たちの中にも、よく見ると表情が可愛い魚や見た目の美しい子たちが沢山います。

コトヒキ

 

イサキ

 

ちょこんとしていて斜めにこちらを見るアカハタ。

オオモンハタ

今は発信活動をしていて、魚に詳しい知人友人も増えたので、硬骨魚の知識も増えて種名も覚えやすくなりましたが、以前に油壺を訪れていた際は「その他の魚」という雑なカテゴリーに押し込んでサメばかり見ていました。

今でもサメが好きなので帰宅後に見返すとサメの写真の方が一番多いのですが、それでも「もっと早く魚の知識を沢山蓄えていれば、閉館までの期間にもっと油壺を楽しめたのかな・・」と感じてしまいます。

ドーナツ型水槽とは別のサメ水槽には、ネムリブカやヤジブカなど、オオメジロたちより体の小さな子たちが泳いでいました。

個人的なエピソードを話すと、初めて生きたイタチザメを見たのが油壺のこの水槽だった気がします。水槽の奥の方で立ち泳ぎをするばかりの、少し残念な状態ではありましたが、ドキュメンタリー映像で100回近く見てきたであろう縞模様が実際に動いている様をずっと見ていた記憶があります。

閉館が発表される直前には生きているオオワニザメが泳ぐ姿を初めて見ることもできました。そう考えると、油壺は僕に色々な”初めて”をくれた水族館と言えるかもしれません。

教室に見立てた魚ショーの水槽。派手な音響やイルミネーションはありませんが、多くの方が釘付けになっていました。

京急油壺マリンパークは、「魚の国」というメインの建物以外にも、神奈川県の絶滅危惧種や外来種を展示する「みうら自然館」をはじめ、地元の自然を伝えるような展示も多くありました。

 

みうら自然館のタガメ。神奈川県内ではすでに絶滅したとされ、その他地域でも絶滅が危惧されています。

「切りかぶの主」として展示されていたフクロウ。彼らも準絶滅危惧種です。

 

「かめ池」にはニホンイシガメが暮らしています。

こうした展示を見ていると、余計に閉館が惜しくなってしまいます。

子供が遊ぶスペースがあったり、犬と一緒に入館できたり、イルカショーではコントのような一幕があったりと、家族連れで遊びに行くテーマパークのような雰囲気がありましたが、郷土の自然の魅力や大切さを伝えていく重要な場所の一つであったようにも思えます。何より、建物の外観や内装、解説に使われているフォントまで、”古き良き水族館”と呼ぶべき雰囲気が好きだった水族館マニアの方も多いはずです。

サメ好きとしても、迫力ある大型サメ類を展示している水族館が関東から一つ消えてしまうのは実に寂しいです。

新型コロナウイルスの影響や建物老朽化などの問題があったにしても、後に行われる再開発計画の中で、部分的にでも残すことができなかったのか・・・。細かい事情を何も知らない外野の呟きでしかないですが、共感してくれる人もいるのではないでしょうか。

 

油壺の閉館は悲しいですが、なくなってしまう水族館がある中で、臨時休館から営業を再開する水族館や、新たに誕生しようとしている水族館もあります。

そうした園館のために何ができるのか。特に、教育的・啓発的な展示が豊富な水族館をどう残していくか、何ができるのか。具体的な施策があるわけでもないですが、生き物系の発信者の端くれとして、一人でも出来ることを模索して試行錯誤していこうと思っています。

 

最後に、これまで京急油壺マリンパークを運営してくださった皆様、素敵な思いでと沢山の学びをありがとうございました。

業務的にはまだ何も終わっておらず、大変な時期だとは存じますが、今後、油壺で展示されていた子たちにどこかで会える日が来るかも、という思いもあります。本当の意味での最後の終わりまで、応援しております。

 

投稿者プロフィール

1992年東京都生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。アメリカ合衆国、ポートランド州立大学に留学。

HPやYouTubeでサメなどの海洋生物・水族の生態を紹介、環境問題の解説を行っている。サメや関連イベント参加、水族館巡り、ダイビング、標本作製などサメや生き物活中心の生活を送る。水族館のボランティアスタッフの経験あり。トークイベントのプレゼンターやライターとしても活動。

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