COP26開催に合わせて石炭火力の廃止を訴えた若者たち。「これ以上の豊かさはいらない」が炎上した件について語ります【環境問題】【地球温暖化】

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おはヨシキリザメ!サメ社会学者Rickyです!

今回は、ネットで物議を醸した「これ以上の豊かさはいらない」という発言について、僕なりの見解を述べていきます。

経緯を簡単に説明しますと、先日イギリスで開催されている気候変動に関する国際会議「COP26」に合わせて、日本の高校生など若者50人ほどが集まり、政府に石炭火力の早期廃止などを訴えました。

実際のニュース記事と映像はコチラ↓

この子たちは新宿駅前に集まって「気候危機」や「脱石炭」と書かれたプラカードを掲げてをスピーチなどが行ったのですが、そのニュースインタビューで男子高校生が「これ以上の豊かさはいらないと思います」と発言したのが話題になりました。

ネットニュースのコメント欄やTwitterでは

「自分たちが豊かだから言えること」

「代替案がないのに廃止は無責任」

「こいつらから電気を使う権利を取り上げろ」

など、ボロクソに言われてしまっている現状です。

以上がざっくりしたニュースの概要です。あまり普段時事ネタを取り扱うことはしないのですが、環境問題の発信を行う者の端くれとして、僕なりに思うことがあったので紹介させてもらいます。

 

批判の一部はごもっとも

まず、批判の一部はごもっともだと思います。CO2排出量を減らすべきというそれ自体は間違っていないのですが、石炭火力の廃止というのは、現実的な策ではないです。

「太陽光や風力などの自然エネルギーを使えば」という意見もありますが、これらで得られる電力というのはまだ限られていて、現在の電気消費量をこれだけで支えるのは無理があります。さらに、供給が安定的ではないので、病院、インフラ、災害時対策など、絶対に供給が滞ってはいけないところの電気を、本当にそれだけに頼っていけるのか、という心配があります。

加えて言うのであれば、太陽光パネルを設置するために森林が破壊されたり、潮力発電の設置で沿岸環境に悪影響が出たりと、エコなエネルギーとされるものにも課題は存在します。

以前の動画でも少し話したのですが、僕は人間社会を家に例えた場合、生態系は家の土台や骨組みに当たると思っています。

そのような基礎だけの家は雨風を防げないし、他の動物に襲われる危険があって、とても快適には暮らせません。そこで、人間という動物が安全・安心に、楽しく過ごせるように、屋根や壁をつけて、電気・水道を通して、色んな家具を置くわけです。

僕自身、環境問題について強いトーンで発信することがありますが、土台や骨組みだけの家に住むという文明否定がしたいのではなく、やたらめったら種を絶滅させたり汚染物を垂れ流す、家の例えで言えば、ネジを次々に抜いたりカビを放置するようなことはやめよう、という話をしています。

僕もこのようなブログを書いたりYouTubeの配信を行っている時点で経済発展の恩恵をだいぶ受けていますから、そこを否定するつもりはないです。

デモを行った学生たちについて、彼らの生い立ちや家庭事情は詳しく分からないですが、もしあの子たちが貧困家庭で育っていても「これ以上の豊かさはいらない」と、同じように主張できたのか?確かに疑問に思う部分はあります。

環境問題に関心をもつ学生あるある

しかし、僕はあえて言いたいです。そこまでコテンパンに非難しなくてもいいじゃないかと。

そもそも、あのインタビュー自体、意図的に切り取られた可能性も捨てきれないです。もしかしたら「このまま現状を放置して〇〇になってしまうなら、これ以上の豊かさは~」みたいに、ちゃんと前提条件がついた冷静な発言だったかもしれません。

それとは別に思うのが、今回の件は環境問題に興味をもった学生あるあるに過ぎない、というものです。

というのも、僕自身、生き物や自然には中高生の頃から関心があったんですが、勉強不足かつ中二病だったので、結構ズレた意見や、今同じように発信すればボロクソに言われるような考えを当時持っていました。

例を挙げると、中学生の時に「自然の摂理に反するので、ペットの去勢や同性愛は望ましくないことである」と思っていた時期がありました。もちろん大人になった今は考えを改めています。

あと、中二病あるあるで、何故か文才もないのに小説を書きたがる時期があると思いますが、僕も当時、”環境破壊にブチ切れたエコテロリストが人間にしか聞かないウイルスをバラまいて人類削減計画を実行する”という物語とか書いていました。完全に黒歴史です。

僕は結構こじれた方だと思うのですが、環境問題に興味ある小学生~高校生くらいの子たちが、ちょっと極端な考えを持つのは、割とあるあるです。

犬猫の殺処分を過剰に嫌悪したり、木を切っている人を見て環境破壊って決めつけたり、今博識でプロとして環境問題に取り組んでいる人も、なにかしら皆さん心当たりあると思います。ただ、その時は今ほどネットで発信・拡散する文化がなかったので、クラスで笑われたり親に諭されるだけで済んだ。いわゆる炎上騒ぎとかデジタルタトゥーにならなかった。それだけの違いです。

僕も自分の発信の仕方や内容が完璧とは全く思っていないですが、今あげたような”思考の黒歴史”とでも呼ぶべき失敗や紆余曲折を経て、いろいろ勉強したうえで、より洗練された環境啓発ができるようになると思います。

なので、今回ニュースになった子たちについては、このまま行き過ぎて発電所を襲撃したりしたらダメですが、今の段階で誰かを意図的に傷つけているわけではないし、気候変動の問題をどうにかしたいという志自体は立派なので、温かい目で諭すというか、「一緒に考えていこうね」というスタンスの大人が、もう少し多くいてもいいのかなって感じました。

ネットで叩く環境問題に無関心な大人たち

個人的に思ったのが、ネットでこの件を批判している人の中に、この学生たちの主張の是非に関係なく、そもそも環境問題を蔑ろにしてそうな人たちが多かったということです。

「お勉強不足」とか「現実を見ろ」という批判は、確かに今回のケースで言えば一理あると思いますが、「二酸化炭素吐きながら言うな」とか、それっぽいけど幼稚な辛口を浴びせるだけの人たちもいました。はっきり言いますが、今回デモをした学生たちよりレベル低いです。

多分そのツッコミに沢山いいねをもらって承認欲求を満たしたいか、ひろゆき氏のように論破したり茶化したりするキャラでネットの人気者になりたいのだと思いますが、それこそ彼らが揶揄している暇人で余裕のある、豊かな人がやることですよね。

推測ですが、ネットで批判してる人たちは、豊かさが足りないと真剣に悩み苦しんでいる人ではなく、自分たちがどうでもいいと思っている問題が重要と言われ、しかも我慢を強いられるから「うるせー知らねーよ」って反発してるだけの人が大多数だと思います。その人たちがもっと豊かさが欲しいというのは、「会社だりー」とか「ポケモンの新作買いたいけど金欠だわー」というレベルではないでしょうか。

僕も環境問題を啓発すると「現実を見ろ」などの批判を受けます。しかし、そういう人たちに聞きたいです。

地球温暖化のような環境問題が実際に今起こっているという現実を見ていますか?

「地球温暖化は嘘である」とかいう陰謀論にすがって誤魔化していませんか?

とりあえず中国を悪者にして日本は全く悪くないっていう似非愛国で責任逃れをしていませんか?

匿名の影に隠れてチクチク言うだけではそれこそ何も解決できません。

ネットニュースのコメントで「デモなんかやっている暇ったらバイトして稼いだ金を寄付すれば?俺ならそうする」とか書いている人がいました。勝手な決めつけだと言われても仕方ないですが、こんなコメント書いてる時点でお前も暇だし、「俺ならそうする」とか言っておきながら絶対お前は環境問題に対して何もしてないだろ!って思いましたね。

気候変動のような問題は、規模がデカすぎるし、誰が明確に悪いとかがないので、責任も感じづらい。対策も思いつかないし、思いついても「こんなちっぽけなことで意味あるのか」ってなりやすいと思います。実際、ここまで偉そうに話しておいて、僕も具体的にこれで全部解決!みたいなものはないです(僕が思いつく程度ならここまで世界規模の問題になっていないです)。

ただ、これだけは言いたい。

「豊かさの恩恵を受けているから環境問題について語るな」という批判だけは絶対にしないで欲しいです。これを言ってしまうと、世界の誰も問題に取り組めなくなります。

例えば、資本主義社会に住んでいても、やっぱり貧困に苦しむ子供を見ていたら助けてあげたくなるし、毎日肉を食べていても、動物が苦しむ様子を見るのはやっぱり辛いじゃないですか。

そういう場面で「社会主義にはなれないけど格差を抑える方法はないものか」とか「確かに動物を犠牲にしないと生きられないけど、もう少し苦しみを減らしたり、命を無駄にしない仕組みはないものか」と考えて、改善していくのは意味がある、そう思ってくれる人は多いはずです。

ですので、環境問題についても、今あげたテーマと同じような方向性で考えて欲しいなと思います。

非常に小さなアクションかもしれませんが、僕自身これからも環境問題などを解説する発信を通して、自分なりにできることをしていきます。

引き続きよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

投稿者プロフィール

1992年東京都生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。アメリカ合衆国、ポートランド州立大学に留学。

HPやYouTubeでサメなどの海洋生物・水族の生態を紹介、環境問題の解説を行っている。サメや関連イベント参加、水族館巡り、ダイビング、標本作製などサメや生き物活中心の生活を送る。水族館のボランティアスタッフの経験あり。トークイベントのプレゼンターやライターとしても活動。

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