オオワニザメ (Odontaspis ferox)

基本情報

和名:オオワニザメ
学名:Odontaspis ferox
英名:Smalltooth sandtiger shark / Ragged tooth shark
分類:ネズミザメ目オオワニザメ科オオワニザメ属
CITES:記載なし
生殖方法:母体依存型胎生・食卵タイプ(?)
飼育難易度:★★★★★★(長期飼育実績なし)
見れる場所(野生):太平洋、インド洋、大西洋、地中海の熱帯や亜熱帯海域の大陸棚など
見れる場所(飼育):京急油壺マリンパーク

特徴

シロワニという紛らわしい名前のサメがいますが、そのシロワニと同じオオワニザメ科に属するサメです。日本で現在生息が確認されているオオワニザメ科はシロワニとオオワニザメの2種になります(Bigeye sandtigerというサメも日本にいるとする噂を耳にすることはありますが、学術的に記録された事例は2021年5月時点ではなかったはずです・・・)。

円筒状の吻、第一背鰭だけでなく第二背鰭・腹鰭。臀鰭も大きい、細長く鋭い歯などの特徴がシロワニと共通しますが、オオワニザメがシロワニよりも大きくてクリクリした目をしています。また、シロワニの第一背鰭の位置は腹鰭側によっていますが、オオワニザメはもう少し前、胸鰭側に位置しています。さらに、シロワニと違ってオオワニザメの第二背鰭は、大きいものの第一背鰭より小さいです。以上の違いをおさえておけば、両種は簡単に見分けることができます。

また、シロワニは長い一本の尖った部分の左右にちょこんと副咬頭と呼ばれる小さな角みたいな部分が左右に1本ずつありますが、オオワニザメの歯ではこの副咬頭が2~3本ずつあります(図鑑によりシロワニでも複数あると書いてありますが、今まで副咬頭が左右一本ずつのシロワニの歯しか見たことないです。オオワニザメは2本ずつのものばかりでした)。

オオワニザメの歯です。

 

なお、「オオワニザメ」とされるサメは鰭の大きさや体の色合いなどの違いを理由にOdontaspis herbstiなど複数種が提唱されたことがありましたが、種間の違いとされたものは個体差であり、現在では「オオワニザメ」と呼ばれる種は一種、Odontaspis feroxのみという説が主流のはずです。

生態・行動など

オオワニザメは熱帯・亜熱帯、温帯海域の大陸棚や大陸斜面、サンゴ礁や岩場などに生息しています。日本、カリフォルニア、ハワイ、メキシコ湾、地中海、オーストラリアなど様々な場所で記録されているので、報告が少ないだけで幅広く生息している普通種の可能性があります。

深海に生息しているサメというイメージが強く、水深1000mという深みでの生息が確認されていますが、浅瀬に現れることもあります。2021年5月に京急油壺マリンパークに展示されている個体を観察しましたが、オオメジロザメ、シロワニ、レモンザメという温かい水温を好むサメたちと同じ水槽で平然と泳いでいたので、いわゆる”深海ザメ”と呼ばれるサメたちよりは水温や明るさの変化に強いと思われます。

妊娠個体の記録がないため生殖についてハッキリとしたことが分かっていませんが、ネズミザメ目の仲間であり、生殖器官の特徴がシロワニに似ていることから、シロワニと同じく卵食を行う胎生だと思われます。出生サイズや産まれる子供の数は不明ですが、大きいものだと3m以上に成長し、4mを超えることもあると言われています。

人間との関り

オオワニザメの肝油や肉は一応利用価値があるようですが、漁獲数が少ないということもあり市場に多く出回ることはまずありません。

長期飼育に成功した事例もなく、日本では竹島水族館、沼津港深海水族館で飼育されたことがありますが、短期間の展示に終わってしまいました。ただし、2021年5月現在、京急油壺マリンパークのドーナツ型回遊水槽で展示されている個体(横須賀・長井で採集)はかなり状態が良く見えるので、決して飼育不可能なサメではないと言えるかもしれません。

チャームポイント

シロワニの方が有名で一緒に泳いだこともあるので、これまでオオワニザメは「レアなサメ」という印象はあっても、そこまで思い入れのあるサメではありませんでした。

しかし、油壺で生きたオオワニザメを見た際は、シロワニと同じように体高高めのがっしり目の体つきに栄える大きな第二背鰭、クリクリお目目の可愛らしさにすっかり魅せられてしまい、帰り際には切なくなってしまうほど愛おしく思えてきました。

オオワニザメの顔。可愛い・・・。

シロワニほど歯がむき出しにもなっていないので、シロワニの顔が恐いという方も、オオワニザメだったら親しみを覚えてくれるのではないでしょうか(なお、僕はシロワニも可愛いと思っています)。

その他紹介

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参考文献

Jose I. Castro 『The Sharks of North America』 2011年 p215~217
仲谷一宏 『サメ ー海の王者たちー 改訂版』2016年 p35
日本板鰓類研究会会報 第37号

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